国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

観た

鑑真和上坐像 唐招提寺

鑑真和上坐像は2021年春に京都国立博物館で行われた「鑑真和上と戒律のあゆみ」とその年の唐招提寺の新宝蔵で見て以来。坐像は鑑真和上の命日である6月6日とその前後の計3日間に特別に公開される。見ることができない国宝ではないものの、期間が短く…

薬師三尊像 勝常寺

ゴールデンウィーク明けに悠久の絆奈良・東北のみほとけ展を見に仙台の東北歴史博物館へ行った。 唐招提寺や西大寺など奈良のみほとけたちは現地で見ていたので「奈良」部分はそれほど重要ではなかった。なので「東北」のみほとけを見るためにスケジュールを…

藤ノ木古墳出土 文化庁

橿原考古学研究所附属博物館には文化庁所蔵の藤ノ木古墳出土が展示してある。特別展では宗像大社の沖ノ島遺跡出土品と比べる形で展示していたが、かなり似ていることに驚いた。この両者の国宝を比較する展示会は初めてだそうだ。 大陸の窓口である沖ノ島の出…

金銅製龍頭 沖ノ島5号遺跡出土 宗像大社

橿原考古学研究所付属博物館で開催されている沖ノ島と大和展に行った。橿原神宮の外れにある博物館で、駅からも微妙な距離があった。しかしながら、ぽつぽつと見学者が来ていた。 日本史的には空白の4~5世紀の出土品で、文字が明ける以前を知る貴重な品で…

熊野懐紙 西本願寺

親鸞展の物販コーナーで気になって点があった。それは前期に行った時と後半に行った時のお菓子のラインアップが(たしか配置も)変わっていた。浄土真宗と縁深い越後の老舗・髙橋孫左衛門商店の商品が手ごろな価格帯で販売していた麩焼き煎餅を購入し、おい…

阿弥陀経註 親鸞筆 西本願寺

親鸞展は後期へ突入。入場者はかなりの数になっていた。前回は3月下旬に訪れ、団体客が多かったが、今回は個々で来ている節が目立った。入場者も増えているものの、見ることができないレベルには達していない。(この勢いだと夏場からの人気展示会はコロナ…

多宝塔 石山寺

石山寺と言うぐらいだから石の山が名物である。ちょうど入り口から、初めの階段を登ると目の前に硅灰石の石群が風景を作っている。勢いよく上に伸びようとする石は神秘性を有する。この光景を見ながら、さらに上を見上ると多宝塔が眼に入る。計算された建て…

本堂 石山寺

石山寺にはこれまで何度か訪れている。順路に沿って見てきたため、本堂の全貌がもうひとつ分からないでいた。今回、初めて下からのアングルで見ることが出来た。一応、脇道ではあるが本堂の下を通ることができる。 高低差のある急な山肌に建つお堂なので、フ…

唐門 大徳寺

久々にとても良い特別公開に出会した。 方丈が解体修理の最中の大徳寺の特別公開は2000円だった。誰でも参加できる京都で開催される特別展の中では少し高めの拝観料だった。予約がなく京都駅から遠いため、二の足を踏む設定だったが、三門をくぐれる機会はそ…

悉曇字母(薫聖教)淳祐筆 石山寺

石山寺は9件の国宝書を有している。しかし、常設では公開されていない。見る機会が非常に限られている国宝である。(国宝の建築物である本堂と多宝塔は行けば見ることができる) 石山寺といえば源氏物語の作者である紫式部がこの寺で構想を練ったことから、…

三門 東福寺

東博で開催されている東福寺展が最終盤となっている。この後、秋口に京博でも開催される予定から楽しみをとっておく事にした。しかし、どうしても気になったので東福寺へ行った。 美術館や博物館での展示会へはどうしても建築物は持っていけない。なので、京…

本堂 金峯山寺

すっかりアップを忘れていた国宝。久しぶりに吉野の桜を見に行く。今年は早々と咲いてしまい、散り始めの桜吹雪を体感できた。吉野に来たら金峯山寺は見逃せない。国宝の仁王門は修繕中。そのため、仁王さまは奈良博で展示。金峯山寺全体が大きいため、仁王…

婦女遊楽図屏風(松浦屏風) 大和文華館

大和文華館で開催中の染織品と松浦屏風ー織物・染物・刺繍 いろとりどり―のメイン展示は松浦屏風こと婦女遊楽図屏風である。当時の風俗をよく表した屏風で、18人の女性が煙管やロザリオ、かるたなどそれぞれ思い思いの嗜好と向き合っている。 この屏風と言…

雪中帰牧図  李迪筆 大和文華館

大和文華館で開催中の染織品と松浦屏風ー織物・染物・刺繍 いろとりどり―で同館所蔵の雪中帰牧図が出品されていることを知る。織物でも染物でも刺繍でもなく、描かれている内容にもそれらの要素がない。気になったので見に行った。 テーマでもある染織品で思…

二王門 石手寺

コロナ禍前に行った愛媛県の石手寺。前回の訪問は駅から出るバスで行った。地図アプリで調べると、宿泊予定の道後温泉から歩いて30分もかからないことが分かり、温泉に入浴する前に一汗かくために歩いて訪れた。 石手寺は四国八十八ケ所巡礼の第51番札所。…

本堂 朝光寺

兵庫県加東市にある朝光寺は本堂が国宝指定を受けている。地図で見る限り山奥にある。山奥とは言ったが、道路がきっちりと整備されていて、市街地の道路から脇道に反れた感じがしなかった。ただ、市街地から脇道に入ってからは距離(4キロぐらい)があった…

文選集注 東洋文庫

2021年、オリンピック開催の年に三菱一号館美術館で開催された「三菱の至宝展」で、展示品の一角を占めたのが東洋文庫が所蔵する書籍や書物たちであった。静嘉堂文庫が工芸品を中心に、三菱一号館美術館は展示会場を提供していた。三菱財閥誕生150周年を兼ね…

親鸞聖人影像 (安城御影副本) 西本願寺

親鸞展はコロナ後、本格的に海外からの観光客を受け入れが始まって最初の展示会となった。海外からの観光客が普通に来ていたが、ルールを守って見ていた。博物館に来るぐらいだから大人の対応ができる人たちが来ているのだろう。そして、日本人の来館者もか…

三十六人家集 西本願寺

親鸞展のメインビジュアルに使われている桜の絵。東本願寺所蔵の桜花図屏風をトリミングして使われている。1階の展示では桜花図に加えて本願寺西山別院所蔵の桜牡丹隋図、東本願寺所蔵の安養六種図が3面に並び立ち、花々が咲き乱れる一室を作り上げていた…

類聚古集 龍谷大学

さて、親鸞の自筆の書の数々が国宝指定を受けていることもあり、宗教色の強い展示が続いたが、展示の終わりにかけては寺宝の数々が登場。寺宝とは呼びにくいが龍谷大学所蔵の国宝も出品されていた。 龍谷大学は本願寺阿弥陀堂の北に僧侶の教育機関として設立…

三帖和讃 親鸞筆 専修寺

教行信証を見た後にも親鸞晩年の作品が続く。専修寺が所蔵する三帖和讃は仏や菩薩、高僧の徳を賛辞している。特長は教行信証が漢文調であるのに対して、三帖和讃は日本語(和語)で書かれた讃美詩となっている。三帖とは浄土和讃・浄土高僧和讃・正像末浄土…

教行信証(坂東本) 親鸞筆 東本願寺

京博の親鸞展でメイン展示となるのが教行信証(坂東本・西本願寺本・高田本)が3本勢ぞろい。浄土真宗の根本聖典となるものだけに、なかなか見ることができない。それに加えて各団体から借り受けて同時に見せるのは史上初となる。 教行信証の正式名称は顕浄…

西方指南抄 親鸞筆 専修寺

国宝の中で作者の署名があるものは多いが、その署名がサイン本のようにデカデカと書かれているのが西方指南抄である。親鸞が書いた自筆の本で、師匠・法然の指南を書き留めたものである。2階ではその署名を見ることができた。 親鸞展のプロローグが終わると…

観無量寿経註 親鸞筆 西本願寺

トラりんが親鸞展をPR 2023年は親鸞聖人が誕生して850年の節目の年であることから親鸞展が京都国立博物館で開催されている。親鸞の教えを受け継いだ浄土真宗は各派閥に別れている。血族がトップにつく派閥や教えのみを受け継ぐ派閥など、切磋琢磨した結果、…

金堂天蓋 法隆寺(付属の飛天像)

奈良博のプレミアムカードが2023年度から値上げされると知り、急いで買いに行ったついでに企画展「新たに修理された文化財」を見た。すでに名品展は1度見ているが、子嶋寺の両界曼荼羅は巨大かつ緻密で美しさを兼ねており、西洋の教会壁画のように何度見て…

太刀 銘則房 ふくやま美術館

則房は元は吉房と同じ備前の福岡一文字派の刀工だったが、後に備中に移住し片山一文字と呼ばれるようになった 。ふくやま美術館所蔵の則房は同刀工の特徴である刃文が見事に表れているそうだ。また、今でも長さがおよそ77cmあるが摺り上げられており、もと…

太刀 銘吉房 ふくやま美術館

備前・福岡一文字派が最盛期の頃の代表的鍛冶が吉房である。東博150周年で、同館所蔵の国宝の吉房2口が並べて展示してあった。その記憶が冷めやらぬ時期にふくやま美術館所蔵のものも見られたのは感無量である。 ふくやま美術館所蔵の則房は後世に擦り上げ…

短刀 銘国光 名物会津新藤五 ふくやま美術館

名物会津新藤五は写真の通り、スマートな短刀である。直線的ですらっとした形状と乱れの少ない刃紋、刃先に沿っての曲線美と非常にクールな姿をしている。作者の新藤五国光は粟田口国綱の子というのが通説がある一方で備前三郎国宗の指導を受けて大成したと…

短刀 銘左/筑州住 太閤左文字 ふくやま美術館

南北朝時代に作られたとされる日本刀で、太閤の名を関することから豊臣秀吉の愛刀である。聚楽左文字とも呼ばれる。短刀の優美さもさることならが、鞘のなど装飾の美しさはこれまでに見た中でも断トツでかっこよかった。金銀財宝で彩るものは数あれど、シッ…

太刀 銘国宗 ふくやま美術館

ふくやま美術館に久しぶりに訪れるとふくやま書道美術館という見慣れない看板があった。以前は近くの商業施設に入っていたが、ビルの営業終了にともないふくやま美術館の2階に移ったようだ。明・清時代の書画や文房四宝などを展示しており、同館の展示の幅…

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。