国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

普賢菩薩像 東京国立博物館

ぶらぶら美術・博物館の日本画10選で、時系列的に最初に紹介されたのが東博所蔵の普賢菩薩像である。 平安時代の作品にも関わらず、彩色がほとんど剥げ落ちずに残っており、大切に保管されてきたことが窺える。顔立ちは奈良時代に多く描かれたふくよかさは…

石山寺 本堂

駅から石山寺までの道中、新緑の季節も終盤となり琵琶湖を眺めながら綺麗に咲いたあじさいを愛でながら門前まで楽しく歩いた。梅雨の中休み、石山寺では特別な御開帳があった。 33年に1度、もしくは天皇即位の翌年に、天皇からの勅使が扉を開封した時のみ…

天橋立図 雪舟

火曜日20時、BS日テレで放送中のぶらぶら美術・博物館で4週にわたりコロナ対応の著名美術評論家が選ぶ10選を放送。第3段は「死ぬまでに見たい日本絵画10選!山下裕二×仏画の最高峰から琳派、若冲、隠し玉まで」と題して、日本画をピックアップ。この…

厳島神社

広島県の宮島といえば大鳥居が海に浮かんでいる風景が一番最初に思い浮かんでくる。ところが、令和の大改修に入ったため、大鳥居は全体を覆って工事されている。最近、覆っている布をシースルーにしたとニュースになったが、薄っすらと全景が分かるぐらいで…

雪松図屏風 円山応挙

白色は塗るためにある絵具である。金色は高価なので絵画ではピンポイントで使うことが多い。縁取りは墨でするのが水墨画など、既成概念をすべて壊してしまう作品が丸山応挙の雪松図屏風である。 松の木に積もった雪は下地の白い紙で色はなにも塗られておらず…

紅白梅図屏風 尾形光琳

尾形光琳が俵屋宗達をリスペクトしていたのは間違いない。風神雷神図屏風の模写を観れば明らかである。琳派の名前が光琳から取られてはいるものの、明治までの宗達の評価が低かった(光琳が高過ぎた)ことによるものであり、宗達あっての光琳の作風が誕生し…

風神雷神図屏風 俵屋宗達

屏風絵史上、最も有名な作品は俵屋宗達の風神雷神図屏風だろう。 風神と雷神の2人だけの空間に、浮遊感や対立構造、ユーモラスな表情までいろいろと詰め込んだ。空間美と神物描写の絶妙さから尾形光琳や鈴木其一が題材に選び、描いた傑作の原点である。 宗…

洛中洛外図屏風 岩佐又兵衛

様々な鳥観図があるが、描かれている人々の一人一人が最も生き生きして描いているのは岩佐又兵衛の作品である。 いつの時代も首都である都にはあこがれを持つ。政治的な中心であるだけでなく、文化の発信拠点として人々を引き付ける。いまでこそ、交通インフ…

松林図屏風 長谷川等伯

日曜美術館の日本絵画15選には三の丸尚蔵館所蔵の狩野永徳作・唐獅子図屏風が選ばれている。安土桃山時代の傑作であり、狩野派の地位を確立した作品でもある。 その永徳に対抗心を燃やしていたのが長谷川等伯。狩野派が職人を集めて工房で制作するのに対し…

山水長巻 雪舟

作者が確実に分かっている国宝絵画の中で、6点も指定を受けているのが雪舟の作品である。水墨画界の巨匠にして、個性的が詰まっている。 水墨画の原点である中国に留学。その後、山口を小京都へと変貌させた大内家をパトロンとして作品を作り続けた。その傑…

一遍聖絵

新興宗教が拡大するにつれて、その開祖の自伝が書かれることがある。それが書籍だったり、絵物語だったりする。中世に起こり、現代まで続く有名宗教の開祖たちは絵巻物になって、その実績を伝えている。なかには国宝になっているものある。 その中で一遍聖絵…

山越阿弥陀図 禅林寺

観たことのない仏をどうのように表現するか。西洋東洋問わず様々な技法が用いられてきた。その一つが現実にあるもとと比較して描くことによって如何に仏が偉大かが分かる書き方がある。 山越阿弥陀図は大きな山を描いてその大きさに負けない阿弥陀仏を表現す…

伝源頼朝像

日本絵画の肖像画部門があれば、間違いなくナンバーワンの作品は伝源頼朝像である。髪の毛一本に至るまでの緻密な描写と、迫力ある大きさは掛け軸状の肖像画の多い日本画において他を圧倒している。ヨーロッパの肖像画に比べても、背景の派手さでは負けてし…

源氏物語絵巻

地上波や衛星でのテレビ放送で美術を扱う番組は多くはないが複数ある。そのなかで、歴史と格が最も高い番組はNHK・ETV(教育テレビ)の日曜美術館であることは疑いようはない。エンターテイメントよりで、分かりやすく美術を解説する番組とは一線を画…

慧可断臂図 齊年寺蔵

岡山出身の画家の展示会が2021年2月10日(水曜日)から3月14日(日曜日)に開かれる予定だ。 それだけなら普段でもありそうな展示会。だが、その画家は雪舟と浦上玉堂。「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」として岡山県立美術館で開催予定だ。玉堂の凍雲篩雪図と…

肥前国風土記

香川県立ミュージアムで文化財保護法70年の記念事業の一環で、肥前国風土記の展示が行われた。個人蔵の国宝で、滅多に展示されることがないが、コロナの影響で8日間の展示となった。 常設室1に入った正面に展示していた。肥前の文字が書かれた最初のページ…

琉球国王尚家関係資料

南国らしい華やかな色合いと細かな細工が特徴の琉球細工。中国大陸と日本との間で、それぞれのよい文化を貿易の中継地点として取り込み醸成した傑作である。 それらを生み出せたのは琉球が王国として独立していたことも一因となっている。最高級の琉球文化は…

刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押 黒田筑前守(名物へし切) 福岡市博物館

福岡市博物館は常設で国宝の金印を展示していることでおなじみ。そして、旧福岡藩主・黒田家伝来の家宝なども少しずつではあるが展示されている。 黒田家伝来の品で国宝の日本刀がある。名物へし切長谷部は織田信長から豊臣秀吉、黒田家へと下賜された由緒あ…

伊予国奈良原山経塚出土品

愛媛県には四国では最多の12件の国宝がある。そのうち、8件は大山祇神社が所有し、3件は松山市内の寺社建築となっている。それらは常設で見学が比較的容易であるが、奈良原山経塚で見つかった国宝はこのところ春秋の限定公開のみとなっている。 遺跡から見…

豊楽寺 薬師堂

三密は仏教用語で密教の三業の総称で、手に印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密、心に本尊を観念する意密からなる。護摩を焚いて疫病退散を願うのならば三密をもって祈念しなければならない。一方で、現代の三密はというと、密室、密集、密接を避けること。…

桜ヶ丘銅鐸・銅戈群 神戸市立博物館

港町・神戸には洋風建築物がよく似合う。 明治初期に外国人居留地となった神戸は明治から大正にかけて港が見渡せる山際に多くの住居が出来た。その名残がある北野・異人館はおしゃれな洋風住宅が建ち並び、異国情緒を味わえる観光名所となっている。 市の中…

古今和歌集 巻第廿(高野切本) 高知県立高知城歴史博物館

土佐の高知は坂本龍馬で有名だが、古典で土佐と言えば土佐日記。紀貫之が土佐から京へ帰る道中を綴ったもの。国宝となっている2点は前田家伝来のものと、大阪青山歴史文学博物館が所有するものである。 では、高知の国宝はと言うと、山内家伝来の古今和歌集…

赤糸威鎧 白糸威褄取鎧 櫛引八幡宮

ここ3カ月、国宝との出会いのない日々を過ごしていた。緊急事態宣言を受けて県をまたいだ移動自粛となってからはネットサーフィンの一択だった。 ようやく国宝見物の春が到来した。都心部ではまだまだ自粛ムードは拭えない。こんな時こそ「たまに行くなら地…

藤原佐理筆詩懐紙 香川県立ミュージアム

香川県は有名な宗教家を輩出してきた。醍醐寺の開祖で修験道を復活させた理源大師。琵琶湖のほとりにある円城寺を総本山とする天台宗寺門派の祖・円珍。そして、平安時代初期に現れた2大宗教スターのひとりで、高野山を開山した空海だ(もう一人は最澄)。…

東寺百合文書 京都府立京都学・歴彩館

東寺百合文書は1967年に京都府が東寺(教王護国寺)から購入したもの。元々は江戸時代初期に加賀藩が百個の桐箱の保存容器と文書を東寺へ寄附したことが始まりだ。 箱には8世紀から18世紀に書かれた約2万5千通が入っている。東寺は寄附を受けて以降も収集を…

風俗図 彦根市

彦根藩は戦国武将の中で屈指の猛者と言われる井伊直政が初代である。徳川四天王の中で一番若かく、最年長の酒井忠次とは30歳以上の年の差があった。 徳川家康は三方ヶ原の戦いで武田信玄に完膚なきまでに敗北した。のちに武田勝頼の代になり、織田信長の軍勢…

催馬楽譜 徴古館

佐賀県唯一の国宝・催馬楽譜が徴古館で5/25-7/25まで公開される。 薩長土肥として明治維新の勝者であるはずの佐賀藩の肥前ではあるが、存在感が薄い。鍋島家の西洋技術の取り込み速度は江戸末期では群を抜いていた。明治維新でもその成果はいかんなく発揮さ…

土偶 長野県棚畑遺跡出土(縄文のビーナス) 土偶 長野県中ツ原遺跡出土(仮面の女神)

縄文のビーナスと仮面の女神は長野県茅野市にある尖石縄文考古館で保管されている。ともに個性的な顔をしているが、体つきはでっぷりとして肉付きの良いまん丸としたものになっている。下半身がどっしりとしており、お相撲さんの人形のようにも見える。 縄文…

飛青磁花生 油滴天目茶碗 大阪市立東洋陶磁美術館

国宝指定を受けている陶器は14点しかない。そのうちの2点を所有・公開しているのが大阪市立東洋陶磁美術館である。 美術館は大阪市の中心・中之島にあり、陶器専門に展示を行っている。コレクションの原点は戦前から続く総合商社の安宅産業コレクション。事…

周易注疏 周易注疏 文選 礼記正義

足利学校の国宝4点はたまにしか公開されない。市立の施設ではあるものの、室町幕府を開いた足利家の系譜により作られた名門・足利学校なので、おいそれとお宝を公開しない。昨年の公開は改元にちなむもので、なにか契機があれば公開される。ホームページが足…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。