国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

勤操僧正像 普門院

高野山霊宝館開館100周年記念の展示会「高野山の名宝」は第4期の最終期となった。これまで高野山の名宝の数々、珠玉の彫刻を期間を通して展示してきた。その最後となる。すでに葉は赤く染まっているものがちらほらあり、高野山の短い秋がすぐそこまで来てい…

本堂 十輪院

東大寺や興福寺からは少し離れた場所のある奈良町。古民家が残っていたり、寺院があったり、古風な街並みにおしゃれなカフェが点在している人気スポットである。この付近には国宝を3つ抱えている元興寺があり、広い境内を有している。その別院だった十輪院は…

僧形八幡神像 八幡殿

10月5日、転害会のメインイベントはこの日だけの勧進所の特別公開だ。 勧進所は大仏殿の西が側にあり普段は固く門を閉ざしているので人通りも少ない場所だが、この日だけは大仏殿を尻目に勧進所に向かっていた。600円を志納して、いざ中へ入る。 コロナ対…

楼門 般若寺

東大寺転害門から北へ15分ほど、コスモスで有名な般若寺へたどり着く。市街地からは少し離れているので、ベットタウンなのかと思いきや、倉庫兼工場や商店が多い。その訳は、区画を隔てたところに奈良少年刑務所があったからだ。明治の五大監獄の一つ奈良…

転害門 東大寺

10月5日、東大寺内にある手向山八幡宮と転害門で転害会という古式ゆかしい神事が行われる。 お寺で神事というのも摩訶不思議なのだが、明治政府の意向で神仏が明確に分かれて配されたが、それまで神仏の垣根なく立地するのは普通だった。いまもお寺に小さ…

吉祥天像 薬師寺

天平絵画の最高傑作だと思う薬師寺の吉祥天像。薬師寺での年始御開帳を除くと、直近では昨年にあべのハルカスで開催された薬師寺展へお出ましになったが、コロナウイルス蔓延のため二日間で休止となり、見ることができなかった。そして1年が過ぎ、龍谷ミュ…

金光明最勝王経 西大寺

龍谷ミュージアムは開館10周年記念展示会が続く。秋展はアジアの女神たち。神様に男女があるか分からないが、信仰の対象として古代人は豊穣(子を産む)をイメージして女性をかたどった造形物を造った。インドや東南アジアの女神は胸も腰も大きく作られてセ…

如意輪観世音菩薩半跏像 願徳寺

京都の向日市は面積が7.72平方キロメートルしかなく、市では西日本では最小、全国でも3番目に狭い。 国宝仏像のある願徳寺は、JR向日町駅もしくは阪急・東向日駅から出るバスに乗り、なだらかな山道を登って最寄りバス停から歩いて20分ぐらいの場所にある。…

紺紙金銀字一切経 (中尊寺経) 金剛峯寺

霊宝館が出来て100年。名宝展では館設立の経緯や当時の資料を前期と後期に分けて紹介していた。前期には同館が財界関係者の支援を受けて設立された資料を公開。東博などで名前を見かける文化財蒐集家が並んでいた。後期は設立にいたる過程を紹介。同館の図面…

文館詞林残巻 宝寿院

文館詞林残巻は高野山の塔頭寺院・正智院と宝寿院が所有している。それぞれのものが国宝にしていされている。Ⅰ期では正智院のものを観た。そして、Ⅲ期には宝寿院のものが登場していた。 Ⅰ期でも書いたが漢から唐初までの詩文集で、隋唐以前の文学を集めた「…

宝簡集 金剛峯寺

金剛峯寺の正面の桜の木は、Ⅰ期では桜の散り際、Ⅱ期では新緑、Ⅲ期となり青々と茂っていた。 霊宝館見学も新館へ移動。記念撮影のパネルがなくなり、八大童子立像が陳列している運慶室の宇宙演出も終了した普段の展示へと衣替えしていた。しかし、名宝展の内…

伝船中湧現観音像 竜光院

截金とは細金とも呼ばれ、金箔・銀箔・プラチナ箔を数枚焼き合わせ髪の毛よりも細く直線状に切ったものを、筆と接着剤を用いて貼り合わせて文様や図を表現する技法である。仏画や仏像彫刻などでも用いられており、平安時代の作品でも色あせることなく輝きが…

善女竜王像 金剛峯寺

高野山は夏が終わり、葉っぱがうっすらと赤みを帯びていた。いつの間にか名宝展も後半の3期が始まっていた。せっかく年間パスポートを買ったのに、真夏に行く機会を逸したので9月に入ってから見に行った。 後半の展示では前半にあったものがいくつかなくな…

【聖徳太子】扇面法華経冊子 四天王寺

大阪市立美術館で開催している聖徳太子展は1階だけでなく、2階でも展示が行われていた。官営寺院発祥の地だけあって、多くの仏像が展示されていた。その他にスペースをとっていたのが聖徳太子絵伝で、壁ぐらいの大きさに聖徳太子の一生を10幅に分けて描か…

【聖徳太子】四天王寺縁起(根本本) 四天王寺

1400年以上の長い歴史のある四天王寺だが、その存在を証明するものが四天王寺縁起である。四天王寺がどのような起こりで歴史を歩んできたかが書かれたものである。 それだけならば大きな寺院では大抵作られているのでよくて重要文化財止まり。四天王寺縁起の…

【聖徳太子】丙子椒林剣 四天王寺

大阪市立美術館で開催されている聖徳太子展の目玉展示は丙子椒林剣だ。巡回地のサントリー美術館では七星剣が展示される予定なので、四天王寺が保有する古代の剣2振りが会場を替えて登場する。 展示は入ってすぐの部屋の奥でしていた。懸守の展示が地味だっ…

【聖徳太子】懸守 四天王寺

聖徳太子遠忌1400年を記念した展示会で、法隆寺の寺宝をメインに据えた聖徳太子と法隆寺展は奈良と東京の国立博物館で無事開催された。東京は観に行けなかったが、奈良博で十二分に堪能した。続けざまに、聖徳太子所縁の寺院である四天王寺の寺宝を中心にし…

三重塔 明通寺

明通寺は国道27号を東小浜駅と新平野駅の間ぐらいで山道に入った山中にある。無料の駐車場を完備しているありがたいお寺で、駐車場から川を渡って見上げると山門が見える。渓谷の起伏をうまく利用していて、高台に山門、受付から緩やかな登りの先に本堂、…

本堂 明通寺

福井県小浜市は港町で律令時代が成立する以前から、日本海側の玄関口として栄えてきた。小浜から琵琶湖まで抜ける南北の街道は鯖街道と呼ばれ、海のない京都や奈良へ海産物を運ぶ重要な物流を担ってきた。海産物を都まで送った御食国のひとつとして、小浜を…

開山堂 永保寺

山中の木々を開いて池を作って庭園に仕上げた永保寺の観音堂に対して、開山堂は同じ場所にあるとは思えない静かに建っていた。 池泉式庭園を池に沿って半周した先に1本の道がある。開けた伽藍内にあって、木々が鬱蒼と茂っている奥に建物が見える。観音堂が…

観音堂 永保寺

歴代最高気温ランキングトップテンに入る岐阜県多治見市。2000年代に入り、最高気温ランキングは目まぐるしく変わり、浜松が現在ランキングは一位。それまで一位だった熊谷では日本一暑い町として売り出すに至っている。 多治見市も暑い町として売り出してい…

桜ヶ丘遺跡出土 銅鐸・銅戈 神戸市立博物館

東京オリンピック・パラリンピックが終わった。今回はパラリンピックのテレビ中継が多かった気がする。そこで、健常者スポーツでメジャーなものは各団体の世界大会に任せて(現に超一流選手が揃っていない)、パラリンピックとマイナー競技の大会にして、商…

伊能忠敬関係資料 伊能忠敬記念館

「伊能忠敬」展が神戸市立博物館で開催されていた。伊能図を上呈して200年を記念しての展示会となっている。子供連れが多く来ていたが、今やGoogleMAPがないと不便を感じる(昭和生まれの)スマホユーザーたちが、伊能忠敬の足跡と細かく書かれた地図を見…

【京の国宝】小桜韋黄返威鎧 厳島神社

京の国宝も後半戦へ突入。メインビジュアルとなっている俵屋宗達の風神雷神図屏風は1週間限定での展示だった。年始のアーティゾン美術館の企画展「琳派と印象派」でも感じたが、期間限定の作品がメインを飾っていると、特別展期間中はいつでも会えると勘違…

【京の国宝】金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠 神照寺

京の国宝で一番見ごたえがあった展示は神照寺の金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠16面と寺から流出した3面を合わせた計19面の一気展示だった。もともとは20面あり、ハワイへ旅立った1面は里帰りを果たせなかった。それでも一度に19面もの華籠が展示され…

【奈良博三昧】金剛般若経開題残巻 空海筆

奈良博三昧の国宝出品は通期展示を除くと前期が多くて、後期のみは辟邪絵と金剛般若経開題残巻だった。金剛般若経開題残巻は空海筆で、前期に展示のあった最澄筆の久隔帖と見比べたい逸品である。 最澄と違い空海は平安の三筆に選ばれるぐらい書の名人のイメ…

【京の国宝】春日権現記絵 宮内庁三の丸尚蔵館

コロナ禍においては、移動制限がある中で文化財の審査作業に大きな影響が出ている。2020年3月に発表された新国宝は4件で、毎回指定替えを受けて開かれる東博での特別展は緊急事態宣言発令により中止となった。続いて同年10月にも八坂神社本殿が指定…

【奈良博三昧】木造薬師如来坐像

奈良博三昧は写真撮影がOKだった。展示会を振り返るために図録を買えばいいのだが、自分で撮った写真も思い入れがあって見ていて楽しめる。 あと、自分で撮れることから図録にはない、色々な角度からの写真撮影ができる。普段は見ることすら難しい仏像の背後…

【京の国宝】金銅密教法具 厳島神社

神社なのに密教法具がある。現代なら違和感があるのだが、神仏習合の時代は寺社と神社の区分が曖昧であった。 厳島神社のある宮島は大陸との交易で船が通過する重要な拠点である。なので、ここにはお宝が入った船が停泊する。それを狙った海賊にいつ襲われて…

【奈良博三昧】辟邪絵

奈良博三昧も後半戦に突入。前半が怒涛の国宝ラッシュだったことを思うと、被りもあり少し寂しい。しかし、奈良博でも屈指の人気を誇る辟邪絵が登場するとあっては観に行かない訳にはいかない。 辟邪絵は断簡となって5幅に分かれて保存されている。益田鈍翁…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。