国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

観た

弥勒如来坐像 興福寺

北円堂の中心に座るのは弥勒如来坐像である。運慶作とされていたが、慶派一門の源慶が中心となって制作されたようだ。写真の看板で右側が弥勒様となっており、南円堂の本堂には不空羂索観音菩薩坐像(左)に比べると装飾が少なくシンプルな像になっている。…

北円堂 興福寺

北円堂は日本に現存する八角円堂の中でも屈指の美しさを誇る。堂内の仏像たちがすべて国宝であり、それを護る建物として相応しい出来栄えだ。 お堂の由緒は興福寺の創建者である藤原不比等が亡くなって1周忌の721年に元正天皇が長屋王に命じて建てられた。…

密教法具 嚴島神社

奈良博で珠玉の仏教美術が開催されていた期間中、広島ではG7サミットが開かれた。各国の首脳は宮島に渡って、厳島神社で記念撮影に応じていた。 奈良博でも厳島神社の密教法具を展示していた。神社でなぜ密教と一瞬思ってしまう。昔は神仏習合が当たり前だっ…

粟原寺伏鉢 談山神社

2023年春の奈良国立博物館での特別展は管内工事の影響で開催がなかった。そのため、西新館での名品展と仏像館のみの営業だった。特別展がないにもかかわらず、館内の来館者数は結構な数で、人気の展示物には少しではあるが人だかりも出来ていた。まあ、…

古今和歌集 伝藤原行成筆 曼殊院

曼殊院の黄不動明王像を見終わったあと、京都国立博物館の企画展を見に行った。古筆とかなの美と題して、曼殊院の寺宝も公開されていたからだ。 古筆とかなの美では京博が所有する国宝で、藤原伊房筆の万葉集と手鑑・藻塩草も展示していた。藻塩草は普段なら…

黄不動明王像 曼殊院

京都の東北部、修学院離宮近くにある曼殊院で国宝秘仏の黄不動明王の特別公開が行われていた。曼殊院の悲願であった宸殿が150年ぶりに再建復興された記念での公開である。 曼殊院は京都でも外れにあることから、外国人観光客で賑わう中心部と違って休日でも…

如来堂 専修寺

平成に国宝指定を受けた専修寺の建物。御影堂と共に並び建つ如来堂も国宝となっている。こちらの内装は御影堂に比べると派手さはない(派手なのは派手だが)。御影堂の半分くらいの大きさで、阿弥陀如来を祀っている。 如来堂そのものも禅宗様(唐様)という…

御影堂 専修寺

三重県総合博物館で親鸞と高田本山展を楽しんだのならば、専修寺へ行かない選択肢はない。三重県総合博物館から専修寺へは歩いておよそ30分で行けない距離ではない。列車との兼ね合いで時間があまり変わらなかったので、歩いて行くことにした。(強風で列…

三帖和讃 専修寺

親鸞と高田本山展の西方指南抄の全冊公開に行ったが、三帖和讃も公開されていた。1冊のみで京博の親鸞展の初期に展示していた浄土和讃だった。七五調の賛歌として書かれたもので、癖字のオンパレードで読み間違いのないようにフリガナが振られている。弟子…

西方指南抄 親鸞筆 専修寺

京博での親鸞展が終了したあと、三重県総合博物館で開催されている親鸞と高田本山展は専修寺の国宝の公開が企画されていたので見に行った。 親鸞展でも出品されていたが西方指南抄と三帖和讃が期間を変えて全冊一挙公開される企画となっていた。重なっていな…

青磁 鳳凰耳花生 銘万声

和泉市久保惣記念美術館の日本美術の名品展に参考品として、国宝の青磁・鳳凰耳花生を展示していた。 青磁は南宋時代の作品で大陸から渡ってきた。なので、日本美術ではないが、その後の日本美術、とくに茶道へ大きな影響を与えていることから参考出品してい…

歌仙歌合

大阪府和泉市にある久保惣記念美術館で行われている「日本美術の名品 -和泉の文化財とともに-」を見に行く。 2021年冬に1度訪れたことがあり、今回で2回目。とはいうものの、同館所蔵品の巡回展を2017年の松濤美術館、2022年の西宮市大谷記念美術館開館5…

初音蒔絵 徳川美術館

徳川美術館での大蒔絵展の主役はもちろん初音蒔絵だ。三代将軍・徳川家光が目に入れても痛くない娘・千代姫の輿入れ(結婚)ために贅を尽くした日常品が初音蒔絵である。日本一の嫁入り道具は金ぴかで、それぞれ一点一点が美術品である。ただ、改めてじっく…

宝相華蒔絵経箱 延暦寺

大蒔絵展は昨年春からMOA美術館、三井記念美術館と巡回していた展示会で、最後の徳川美術館での開催にようやく行くことが出来た。 行くことが出来たとはいえ、MOA、三井とは展示品が変わっており、コロナさえ治まっていればすべて見に行きたかった。とは言え…

太刀 銘一

国宝らしからぬ展示会へ行った。オードリー・ヘップバーンの写真展で、会場が佐野美術館だった。オードリーにあまり興味を持っていないが、東洋美術の部屋にて「語りつがれる英雄」と題して国宝で法人蔵の太刀 銘一を展示しているとあったので行って見た。 …

色絵藤花文茶壺 野々村仁清 MOA美術館

奇想の画家・岩佐又兵衛。戦国武将・荒木村重の子で、母方の性である岩佐を名乗り、織田信長の次男である信雄に仕えた。徳川幕府樹立で太平の世になり、絵の才能を開花させ、洛中洛外屏風(国宝・東博所蔵)や豊国祭礼図屏風(重要文化財・徳川美術館所蔵)…

円珍関係文書のうち 円珍自筆書状

東北からの移動で東京を通ったので東博にも寄った。 東福寺展は終了していたので、京博での開催を楽しみに待つ。売店で図録が置いてあり、東京会場で見ることが出来た東福寺の国宝たちは京都でも展示される予定で一安心。そのまま常設展を見まわる。 東博の…

禅機図断簡(丹霞焼仏図)因陀羅筆

アーティゾン美術館ではヴェネチア・ビエンナーレの帰国展として「ダムタイプ|2022: remap」展が開催されていた。先日亡くなった坂本龍一が参加していたこともあり、大盛況だった。音と映像(マップ)を組み合わせた取り組みで、プロジェクションマッピング…

白水阿弥陀堂 願成寺

福島県の国宝建築・白水阿弥陀堂は新幹線では非常に行き辛い場所にある。最寄り駅はいわき駅の隣の内郷駅である。いわき駅までが郡山駅からだと在来線を利用することになる。水戸から特急がベターな選択となる。いわき駅の周りは商業施設が並ぶ都会だったが…

金色堂堂内諸像及び天蓋 金色院

金色堂はその名の通り、壁という壁に金箔が貼られて、黄金に輝いている。秀吉の作った黄金の茶室の復元をたまに見るが、その大きさの比ではない。なにせ、中には30体以上の仏像が所狭しと並ぶだけの広さがある。その仏像たちも黄金に輝いているばかりか、…

金色堂 中尊寺

讃衡蔵では中尊寺の様々な寺宝を見ることが出来る(一部複製品)。チケットは金色堂の見学とセットになっているので、ここに来たら入る以外の選択肢はない。 奥州藤原氏の氏寺であるため、その歴史・栄枯盛衰が分かる内容ではある。金の採掘場所であったため…

中尊寺経蔵堂内具 大長寿院

東北地域に来たのなら、国宝の宝庫である中尊寺へ行くことは必須。新幹線で一関駅でおり、バスで中尊寺前まで行く。平泉駅が最寄り駅だが、一関駅前から出ているバスが平泉駅を経由するのでJRの本数的に一関の方が便利だ。 バス停からは少し山登り。息が切れ…

ローマ教皇パウロ五世像 仙台市博物館

仙台市立博物館が大規模リニューアル工事を行っている関係で、宮城県美術館にて同館所蔵の名品を中心に伊達政宗と杜の都・仙台展を開催している。なお、この展示会後に宮城県美術館もリニューアル工事に入るそうで、コレクション展も充実したラインナップと…

刺繡釈迦如来説法図 奈良国立博物館

奈良・東北のみほとけ展にはたくさんの像が登場していた。それに合わせて仏具も展示していた。国宝関連では東博から興福寺金堂鎮壇具、奈良博から金光明最勝王経がお目見えしていた。 珍しいものとしては奈良博所蔵の刺繡釈迦如来説法図が出ていた。刺繍関連…

鑑真和上坐像 唐招提寺

鑑真和上坐像は2021年春に京都国立博物館で行われた「鑑真和上と戒律のあゆみ」とその年の唐招提寺の新宝蔵で見て以来。坐像は鑑真和上の命日である6月6日とその前後の計3日間に特別に公開される。見ることができない国宝ではないものの、期間が短く…

薬師三尊像 勝常寺

ゴールデンウィーク明けに悠久の絆奈良・東北のみほとけ展を見に仙台の東北歴史博物館へ行った。 唐招提寺や西大寺など奈良のみほとけたちは現地で見ていたので「奈良」部分はそれほど重要ではなかった。なので「東北」のみほとけを見るためにスケジュールを…

藤ノ木古墳出土 文化庁

橿原考古学研究所附属博物館には文化庁所蔵の藤ノ木古墳出土が展示してある。特別展では宗像大社の沖ノ島遺跡出土品と比べる形で展示していたが、かなり似ていることに驚いた。この両者の国宝を比較する展示会は初めてだそうだ。 大陸の窓口である沖ノ島の出…

金銅製龍頭 沖ノ島5号遺跡出土 宗像大社

橿原考古学研究所付属博物館で開催されている沖ノ島と大和展に行った。橿原神宮の外れにある博物館で、駅からも微妙な距離があった。しかしながら、ぽつぽつと見学者が来ていた。 日本史的には空白の4~5世紀の出土品で、文字が明ける以前を知る貴重な品で…

熊野懐紙 西本願寺

親鸞展の物販コーナーで気になって点があった。それは前期に行った時と後半に行った時のお菓子のラインアップが(たしか配置も)変わっていた。浄土真宗と縁深い越後の老舗・髙橋孫左衛門商店の商品が手ごろな価格帯で販売していた麩焼き煎餅を購入し、おい…

阿弥陀経註 親鸞筆 西本願寺

親鸞展は後期へ突入。入場者はかなりの数になっていた。前回は3月下旬に訪れ、団体客が多かったが、今回は個々で来ている節が目立った。入場者も増えているものの、見ることができないレベルには達していない。(この勢いだと夏場からの人気展示会はコロナ…

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。