国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

西方指南抄 親鸞筆 専修寺

国宝の中で作者の署名があるものは多いが、その署名がサイン本のようにデカデカと書かれているのが西方指南抄である。親鸞が書いた自筆の本で、師匠・法然の指南を書き留めたものである。2階ではその署名を見ることができた。

親鸞展のプロローグが終わると浄土真宗アベンジャーズこと、七人の高僧(龍樹・天親・曇鸞道綽・善導・源信源空法然))を紹介。中でも法然親鸞は師弟関係にあり、紹介にも力が入っていた。ともに京で浄土宗を広めたが布教活動に反発する既得宗教団体の画策により、京都追放による流罪と僧籍を取り上げられた。流罪法然が土佐(のち讃岐に代わる)、親鸞が越後と離れ離れとなる。法然が入洛の許可が出て戻るものの、豪雪地帯の越後から親鸞は戻れず二度と会うことができなかった。親鸞が師匠の教えを書き残したいと綴ったのが、84歳から85歳で署名はもちろん年齢まで奥付けに書いている。90歳まで生きた親鸞の集大成として、師への想いが詰まった書となっている。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。