国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

後二条殿記 陽明文庫

新選組展で賑わう京都文化博物館では常設展で陽明文庫の名宝12を開催していた。新選組は見ずに陽明文庫だけを見に行ったが、ガラガラだったのが残念だった。 陽明文庫は五摂家の筆頭にあたる近衛家に伝来した史料を保存するために創られた。近衛家の遠祖にあ…

【仏法東帰】金光明最勝王経 奈良国立博物館

大徳寺から北大路バスタターミナルまでの便は頻繁に出ている。北大路駅すぐには大谷大学があり、博物館では仏法東帰というテーマで展示会を行っていた。 大学の博物館は独立した建物として大々的に構えるものも増えているが、大谷大学は構内の施設内に置いて…

方丈 大徳寺

大徳寺が長期の改修修理に入ったのが2年前。解体が概ね終了したことから、一般公開が無料で行われた。 普段は中にすら入ることが難しい大徳寺方丈。特別公開の時と曝涼展(10月第二日曜日)ぐらいでしか入ることはできない。しかも、お庭に出ることはでき…

【茶の湯】桃鳩図 伝徽宗筆

今年の秋は例年に比べて早く訪れている。残暑があっさりと終わり、観光には快適な良い天気が続いている。京都にも観光客が戻りつつあり、本格的な紅葉シーズンにはコロナ前の賑わいに戻りそうだ。 さて、文化の日を挟んだ週は、博物館や美術館でいろいろなイ…

木簡 平城京跡

大津市歴史博物館で壬申の乱展を見た。壬申の乱の後に遷都した都が平城京で、その痕跡を再確認したくて、平城京跡資料館に行った。 ここはその名の通り、平城京跡に建つ資料館。跡地からは木簡や当時使用していた食器などが大量に見つかった。幸か不幸か、平…

【中国古典名品展】欧陽文忠公集宋版 天理図書館

欧陽文忠公集は欧陽脩の一連の作品を南宋の周必大がまとめたもの。欧陽脩は唐宋八大家の一人に数えられ、同じく唐宋八大家の一人である蘇軾を見出した。 天理大学付属図書館が所有する欧陽文忠公集は歴史的な発見につながった。欧陽文忠公集の初期刷りは天理…

【中国古典名品展】劉夢得文集宋版 天理図書館

中国の古典書と言えば漢詩で、学生時代に悪戦苦闘した苦い記憶しかない。唐時代から科挙に受かれば官吏となれるようになった。そこで、官吏としての優秀さは仕事ができるだけでなく、嗜みとして遊興も一流が求められるようになった。官僚文人として書画や音…

【中国古典名品展】南海寄帰内法伝 天理図書館

大学で国宝を所有しているところはそれほど多くない。東京大学が島津家文書、早稲田大学はつい最近公開があった礼記子本疏義と玉篇、東京芸術大学にも絵因果経と観世音寺資材帳、慶應義塾大学の秋草文壺は東博で頻繁に展示されている。地方では東北大学が類…

後宇多法皇宸翰東寺興隆条々事書御添状 東寺

東寺宝物館の2022年秋の特別展示会のテーマは大河ドラマに引っかけた「鎌倉時代の東寺– 弘法大師信仰の成立 –」であった。鎌倉と京を結ぶ糸が大師信仰にあるというより、後嵯峨天皇の政治に対する執着があればこそ、大師に結び付いたと思える。 鎌倉幕府…

智証大師坐像(中尊大師)

大師の忌日に当たる10月29日に行われる智証大師御祥忌法要に行ってみた。2年前のコロナ禍で初めていったが、声明が寺内に響き渡る厳かな感じが印象に残っていた。 今回は参加者も多く。檀家さんが周りを囲んで、お経が読まれる。10時から開始される法…

【壬申の乱】崇福寺塔心礎納置品 近江神宮

日本史の教科書に出てくる初めての乱が壬申の乱だった。大化の改新(いまは乙巳の変というそうだ)とともに、1学期のテスト範囲で必死に覚えた記憶がある。鮮明に記憶する名称の展示会だったので、行くことに躊躇しなかった。詰め込み教育が役に立った瞬間…

曜変天目(稲葉天目) 静嘉堂文庫

響きあう曜変天目。 国宝の曜変天目は公開がどこかであれば、それに呼応して別の曜変天目も展示されることが多い。 今年4月に藤田美術館がリニューアルオープンしたことを記念して、曜変天目が公開された。この秋には京都国立博物館で開催中の茶の湯展で龍…

源氏物語関屋澪標図屛風 俵屋宗達筆

第3室は入り口から見て左の部屋。金銀かがやく琳派の美と題した部屋となっていた。ここは少し広く、大きめの作品を陳列していた。尾形光琳・乾山兄弟の作品を初め、酒井抱一、鈴木其一、原羊遊斎が並び、本阿弥光悦の草木摺絵新古今集和歌巻が通期で展示さ…

禅機図断簡 智常禅師図 因陀羅筆

静嘉堂@丸の内の第2室は入り口からは対面となる。こちらは大陸から渡ってきた品々を展示。前期に訪れたので宋~元時代のものが中心だった。伝馬遠筆の風雨山水図や伝 夏珪筆の山水図が並ぶ中、伝牧谿の羅漢図がお気に入り。牧谿特有の薄墨を用いた背景は長…

倭漢朗詠抄 太田切 静嘉堂文庫美術館

世田谷にある静嘉堂文庫美術館の品々が東京駅からほど近い場所で観ることがようになった。場所は丸の内の明治生命館で、その名も静嘉堂@丸の内。三菱1号館美術館は道路を挟んですぐの区画にあり、三菱系美術館のコラボ企画が期待できそうだ。 さて、丸の内…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。