国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

仏画

普賢菩薩像 東京国立博物館

ぶらぶら美術・博物館の日本画10選で、時系列的に最初に紹介されたのが東博所蔵の普賢菩薩像である。 平安時代の作品にも関わらず、彩色がほとんど剥げ落ちずに残っており、大切に保管されてきたことが窺える。顔立ちは奈良時代に多く描かれたふくよかさは…

山越阿弥陀図 禅林寺

観たことのない仏をどうのように表現するか。西洋東洋問わず様々な技法が用いられてきた。その一つが現実にあるもとと比較して描くことによって如何に仏が偉大かが分かる書き方がある。 山越阿弥陀図は大きな山を描いてその大きさに負けない阿弥陀仏を表現す…

餓鬼草紙 京都国立博物館

病草紙は原因が比較的分かりやすい目に見える病について描かれている。一方で餓鬼草紙は目に見えない病気(食物の不作も含む)について描かれているのかもしれない。人は病気などの発生への恐怖よりも、先が見えないことへの恐怖の方が危機感を強く感じる。…

病草紙  京都国立博物館

現代の医療では治療が容易な病気でも治療体制と衛生環境が整っていない頃は人々の大きな悩みの種だった。歯痛や眼病、下痢など、ドラックストアーに行けば簡単に治療薬が手に入る今、病草紙を見ると滑稽に思える。ただ、この滑稽さは近代医療が確立する百数…

普賢延命菩薩像 松尾寺

京博で行われる西国三十三所展の目玉出品のひとつは、松尾寺の普賢延命菩薩像である。松尾寺に保管されている普賢延命菩薩像は春秋の期間限定で同寺院の宝物館で展示されることがある。しかし、この松尾寺が舞鶴市でもなかなか行きにくい場所にある。一応、…

六道絵のうち閻魔庁図 聖衆来迎寺

極楽に行くか地獄へ行くか、すべては閻魔様のお裁き次第。 死後の世界に行ったことのない人にも分かるように絵にしたのが六道絵で、地獄の怖さが随所に描かれている。全15幅が残っているが、本来は極楽編もあったそうだが、織田信長の比叡山焼き討ちの時に…

絹本著色十二天像 京都国立博物館

密教では四天王とともに重要な護法善神が十二天である。四方八方を護る守護神として存在し、灌頂などの仏教儀式において用いられる。なので、重要な儀式でしか使用されないことが、貴重なものとして現代まで伝えることができた。一方で、儀式で使用していた…

絹本著色十二天像 京都国立博物館

4/28-6/21に新生した京都市京セラ美術館で京都の国宝展が開催される。文化庁の日本博との共同展示会で、文化庁が所有するなにかしらの文化財がで出品される展示会としても有名。 京都の国宝展と題するだけあって、国宝が出品されるのは間違いない。すでに発…

五部心観 三井寺

開祖・円珍が唐への留学中の855 年に,青竜寺の法全 から授けられたインド伝来の世界最古の金剛界曼荼羅。色着いていない墨の線だけで描かれた白描図像で、曼荼羅の図解本、いわば虎の巻である。 比叡山(山門派)が修行場のパラダイスであるに対して、園城…

【京博名品展】十六羅漢像 清涼寺

国宝展では清涼寺の十六羅漢像の十六幅すべてを展示していた。今回は2幅のみ。 最近の京都の非公開では山門に登る企画がある。大きな伽藍を持つ寺院の巨大山門を登った中腹部分にある楼上内陣には天井壁面画とともに仏像彫刻が安置されていることが多い。そ…

【京博名品展】孔雀明王像 仁和寺

密教特有の明王である孔雀明王。孔雀が毒虫や毒蛇を食らうことから、邪を払う象徴として明王の眷属となった。日本にも596年に新羅より輸入した記述が残っており、貴族のペットとして重宝されていたようだ。 普段見る明王たちが厳つい感じで描かれることが…

【京都名品展】釈迦如来像(赤釈迦) 神護寺

今回の寄託名品展では神護寺所有の国宝が多く出品している。ゴールデンウィークに神護寺で行われる虫干しの定番ばかりだが、博物館で観るのもなかなか良い。虫干しだとガラスのない直接に観ることができて、つい手を合したくなるが、ライティングは博物館の…

【東寺展】真言七祖像

最近の東博の特別展は仏教系展示会の開催が多い。今回は東寺展で密教(東密)の真髄を披露する展示となっている。 まず、展示会の出品リストをみるとほとんどが東寺からの出展で少しだけ京博と京都府のものがあるのみ。他の仏教系の展示だと系列の寺院から寺…

【明恵展】絹本著色仏眼仏母像

都心の高層ビル内に造られた美術館は仕事帰りなど気軽に行きやすいメリットがある。一方で、展示スペースが大きく取れないデメリットがある。その点で六本木のサントリーミュージアムは2階分のスペースを確保して広々とした展示が出来る。その前例に倣わず…

【東博】絹本著色山越阿弥陀図 禅林寺

東博では国宝室と題した1室で月変ごとに国宝の展示を行っている。 所有・寄託を合わせると膨大な数の国宝を所有している東博ならではの試み。希にしか展示しないものもあり、必ずチェックしたい場所だ。 今回は禅林寺の山越阿弥陀図が展示されていた。進撃…

【東博】 名作誕生 つながる日本美術

3月、大阪・中之島に都市型美術館・香雪美術館が誕生した。関東では珍しくなくなった複合施設内の美術館だが、全国的にはまだまだ珍しい。この美術館は芦屋にある朝日新聞の創業の村山家が蒐集した美術品を展示している香雪美術館の兄弟的な存在で、ビル内に…

【醍醐寺】訶梨帝母像

霊宝館に入館するとき、この秋と冬に醍醐展がサントリー美術館と九州国立博物館で開かれるお知らせパンフレットをもらった。そこには訶梨帝母像の写真もあり、展示されることが伺えた。この春の展示に出展されている主要なものは、秋冬展示への出展が確定し…

【仁和寺展】両界曼荼羅 子島曼荼羅

本日で惜しまれつつ終わる仁和寺展。本サイトで一番アクセス数があったのは両界曼荼羅の記事だった。 同図は誰もが見上げる大きさと、紺色のベースに金で書かれた図は観る者を圧倒する。それを子島曼荼羅は暗闇の中で燈火によって浮かび上がる工夫がなされて…

國華 普賢菩薩像 東京国立博物館

大倉集古館所蔵品が像ならば、東博は軸。国宝展でも陳列されていた名品で、国宝の普賢のコラボが実現した。平安時代の作品にも拘らず、綺麗に色彩が残っており、切金文様は眩い光を放って見るものを魅了する。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

【仁和寺展】孔雀明王像

密教とともに日本に伝わった孔雀明王は、藤原道長が仁和寺へ画像を寄進するなど平安時代の公家・皇族間で持て囃された。 国宝展にも出品されていた仁和寺の孔雀明王像は、宋仏画の特徴を有している。日本に多くあるそれらとは一味違う三面六臂である。 派手…

仁和寺展 両界曼荼羅 子島寺

子島寺が持ち、奈良博に寄託している曼荼羅図。前期が胎蔵界、後期が金剛界を展示する。日本三大両界曼荼羅図(ほかは神護寺、東寺)のひとつだそうで、そのすべてが国宝指定。紺綾地で金銀の泥で描かれているので、暗い場所でローソクなどの弱い光で照らす…

【奈良博】倶舎曼荼羅図 東大寺

年末年始の奈良博の企画展示はこの三連休で終了する。その中で、今年の奈良博で開催される特別展の前哨戦的な出品があった。それは倶舎曼荼羅図だろう。夏ごろに曼荼羅図展とも言うべき、糸のみほとけへの期待を高める出品だった。 曼荼羅図は密教では儀式に…

【国宝】孔雀明王像 東京国立博物館

Ⅳ期の楽しみの一つは孔雀明王像が2点出ていることだ。仁和寺と東博所有のもので、2階に展示している。ただ、仏画と中国絵画とエリアが離れているので、往復して見比べる必要がある。 仁和寺のものは信仰の対象として、寺院内に掲げられたりしているためか痛…

【国宝】両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅) 教王護国寺

大陸より空海が持ち帰った密教。その真理が曼荼羅にある。立体的に表現することがもっとも表しやすいようだが、大きな空間と製作期間が必要なこととと持ち運びに不便だ。 そこで図解したものが曼荼羅図である。言わば3次元表現を2次元にしたものである。これ…

【国宝】不動明王像(黄不動)

曼珠院の秘仏。傷んでいたため、最近まで保存修復作業を行っており、久しぶりの展示となった。腹部分に清めのための仏画の痕跡が修復作業中に見つかったことは大きなニュースとなった。 それを確認できるかじっくり観察したが、予想通り分からない。なにせ修…

【国宝】十二天像

国宝展ならではのコラボ、西大寺と京博所有の十二天像が一度に観ることができる。とくに火天は両方のものがⅣ期まで出品。戦火を逃れて現存する平安仏画は大変貴重である。前期で観た阿弥陀信仰とは違う、黄道信仰とでも言える天文学と地学を合わせた信仰が日…

【国宝】観音猿鶴図 牧谿

大徳寺は一休禅師が修行した禅宗寺院である。織田信長の菩提寺があったり、千利休が自害した原因となった山門があるなど武家と関係の深い寺社である。ちなみに龍光院も大徳寺の塔頭寺院である。 そんな大徳寺では毎年10月の第2日曜日に大徳寺では寺宝の虫干…

【国宝】山越阿弥陀図 京都国立博物館

国宝の山越阿弥陀図は禅林寺と京博所蔵のもの2点ある(二つは全く別物)。今回、出品されているものはもともと朝日新聞社の創業主である上野精一が所有していた。それを精一没後50回忌あたる1970年に京博へ譲渡、現在に至っている。一方で譲渡対価の…

【国宝】吉祥天像 薬師寺

吉祥天像は奈良時代8世紀頃に作られたとされる。今から1300年以上前にも関わらず色彩が美しく残っている。色白の天子は浄瑠璃寺の吉祥天立像(こちら重文)でも感じたが、ふくよかな豊穣の女神だ。信仰の重要な日以外は大切に保管されていたことで、綺…

銅板法華説相図

観音霊場33か所の一つで、強大観音菩薩や牡丹回廊など見どころたっぷりの長谷寺。その寺宝は、経や仏を銅板に仕上げたレリーフ。天武天皇の病気が治ることを祈念して作られたもので、伝承では686年に造られ、安置されたとされる。その頃から日本にこれほ…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。