国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

本堂 朝光寺

兵庫県加東市にある朝光寺は本堂が国宝指定を受けている。地図で見る限り山奥にある。山奥とは言ったが、道路がきっちりと整備されていて、市街地の道路から脇道に反れた感じがしなかった。ただ、市街地から脇道に入ってからは距離(4キロぐらい)があった。

山道の終着が朝光寺の入り口で訪れたときは参拝者は誰一人いなかった。山門を入ると、重要文化財の鐘楼と多宝塔、数個の分祀され社殿がある程度で、境内はあまり広くない。むしろ本堂が境内の大半を占めている。写真にも写っている柱に貼られた名札にはご丁寧に国宝の文字があり、本堂目当てに来る人が大半なのだろう。

本堂は室町時代に作られた。なんでも厨子裏板に応永20年(1413年)に本尊を移し、正長元年(1428年)に屋根の瓦葺きが完成したことが墨書きされていたそうだ。建造された時代が特定できるのは国宝指定を決める重要なファクトとなる。それに加えて室町時代密教仏殿のひとつで、和様に禅宗様の要素を加味した折衷様建築の代表例として、建造物として特長が顕著であることから国宝となった。

誰一人いない国宝建築物はだいたい閉ざされていて外から眺めるだけ。特別な日や事前予約がないと中に入ることができない。しかし、朝光寺本堂は扉が開いている。靴を脱いで恐る恐る中に入ると室内は静まり返っていた。さすがに千手観音を納める厨子がある内陣には入れなかった。本当に誰もいない国宝建築物に入ることができたことは貴重な体験だ。中は柱が7本あり(7間)広くて大きい造り。数十人は軽く収容できる空間だった。この空間を独り占めしていると思うと優越感に浸れるが、すぐに孤独を感じて寂しくなってしまった。一人になりたい人はぜひ行ってほしい寺院だ。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。