橿原考古学研究所附属博物館には文化庁所蔵の藤ノ木古墳出土が展示してある。特別展では宗像大社の沖ノ島遺跡出土品と比べる形で展示していたが、かなり似ていることに驚いた。この両者の国宝を比較する展示会は初めてだそうだ。
大陸の窓口である沖ノ島の出土品が技術レベルが高いことはなんとなく理解でき、大和王朝が栄えた時代の藤ノ木古墳で見つかった出土品が当時の最高レベルの技巧を凝らした物であることも分かる。それが似通った形になっている点は興味深く、交流があったと考えるの自然である。
パンフレットにも掲載されている金銅製棘葉形杏葉は両方の出土品が出品されていた。形は非常に似ていて、少しの違いはあるものの同じ参考物をまねたとしかいいようのない形状となっている。朝鮮半島の三国時代新羅の古墳出土した例があるそうだ。書物が残っていない時代だけにどのような伝達方法を用いたか知る由がないのが残念だ。久々に古代ロマンに思いを馳せる展示内容となっている。