国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

法華経 (一品経) 慈光寺

東大寺のお水取りは2月下旬から3月中旬まで行われ、これが終われば奈良に春が訪れる。奈良国立博物館ではこの期間中にお水取り関連の資料を展示する企画展を開催している。1270年の歴史ある伝統行事だけあって重要文化財はそこかしこにある。しかし、お水…

不空羂索神変真言経 三宝院

さて、高野山に訪れたのはキャンペーンに当選したから。 www.koya.org GOTOキャンペーンが大々的に喧伝されていた時期に、高野山1万人ご招待キャンペーンなるものが実施されていた。応募すると見事当選。期限が近づいてきたので急いで利用した。 コロナが沈…

金銀字一切経 (中尊寺経) 金剛峯寺

冬の高野山は標高が高いため雪が積もり、修行僧には厳しい場所である。しかし、今年は暖冬の影響で2月中旬にも関わらず多少の残雪がある程度。むしろ、訪れた時は春の陽気となり快適なぐらいだった。 コロナ禍の影響もあり、高野山に観光客はほとんどおらず…

法華経巻第八(運慶願経)

京博では珍しく企画展がてんこ盛りの2月である。会期が延期になったものを今期中に消化するために仕方がない。京博と奈良博は常設スペースがなく、特別展が入ると同館所有の品々をお披露目できない。必然的に出品点数が多くなり、広々と展示することが少ない…

日本書紀神代巻(吉田本) 京都国立博物館

京博の1階では雛まつりと人形と、開催時期が少し遅れた日本書紀展が同時に開催されている。 ひな人形で猫か虎かに見間違えそうな犬張子の置物がさりげなく登場する。京都以外で見たことがない独特のフォルムと顔立ちとなっている。伏見人形とともに独特のゆ…

漢書楊雄伝 京都国立博物館

コロナの影響で会期が延長されていた仏教美術研究上野記念財団設立50周年を記念した展示会「新聞人のまなざし ー上野有竹と日中書画の名品ー」が開幕。朝日新聞の創業期の社長にして日本と中国の美術品収集家の上野理一のコレクションを中心にして設立され…

金光明最勝王経  西大寺

聚宝館は昭和35年に寺内の収蔵庫として建設された高床式鉄筋の什物収納・展示施設。写真では門の奥に見える白い建物がそれである。建築から60年が経ちかなり古い印象がある館内には壁際にぎっしりと仏像彫刻が並んでいた。重要文化財クラスがぼつぼつとあ…

三十帖冊子 仁和寺

文化財の修理・修繕事業は地味な作業の割に費用がかかるが、文化財保護には欠かせない事業である。最近になって、修理を終えた文化財を一挙公開する展示会が増えてきている。展示に耐えるまでに回復できたことと、展示することで少しでも修繕費の足しに出来…

【根津 国宝・重文】根本百一羯磨

根津美術館は青山の一等地にあり、おしゃれなブティックなどを横目にしつつ美術館へ向かう。そのイメージが強いせいか、同館の展示会と言えば幻想的な東洋絵画や煌びやかな工芸品の企画展の記憶が強く残っている。また、エキゾチックな大陸系の石像や古代の…

木造阿弥陀如来及両脇侍坐像 三千院

京都観光で静寂を求めるなら大原の三千院だった。デューク・エイセスの「女ひとり」の歌詞では女性が寂しい旅をする雰囲気と合っていた。ただ、この歌の記憶にある人は昭和生まれ。いまや静けさとは程遠い賑わいのある観光スポットとなっている。 コロナ禍で…

法語(破れ虚堂) 虚堂智愚

国宝は日本のものばかりでなく、海外から輸入されたものや贈呈されたものも指定される。海外製で圧倒的に多いのが東洋美術である。漢字文化圏にある日本においては、中国大陸らもたらされた東洋芸術は師となるためだ。 東京国立博物館の本館では主に日本の美…

春秋経伝集解 藤井斉成会有鄰館

有鄰館は謎の博物館だった。 京都・岡崎の絶好の立地にあり、近くには平安神宮を初め、リニューアルオープンした京セラ京都市美術館や京都近代美術館、細見美術館など芸術好きが集まる場所にある。にもかかわらず、行きたくても開いていないことがほとんどだ…

【皇室の名宝】芦手絵和漢朗詠抄 藤原伊行筆 京都国立博物館

京都国立博物館で開催中の皇室の名宝展は国宝の出品こそ少ないが、国宝クラス、いや国宝以上の展示品ばかりある。なにせ皇室が保有していたもの、いわゆる元御物たちばかりなのだから下手物は一切ない。しかも、現在も皇室が所有する御物も展示されている。…

手鑑  藻塩草 京都国立博物館

天平文化。一定年齢以上の人は歴史の教科書で見たことがある時代だ。しかし、昔は白鳳文化の後期に内包されており、最近になって天平時代は奈良時代に含まれる形に変わった。(そして白鳳は飛鳥の後期になったので、天平と白鳳は消えつつある) 天平は元号と…

【三井15周年】熊野御幸記 藤原定家筆

記録に残すことは重要である。公文書の管理が問題となって久しいが、最初から保存を諦めてしまったら、後世に伝わることはない。正確に歴史の判断を仰ぐことのできなくなるということは、後世の都合の良い歴史へと書き換えられても仕方がないということにな…

【西国三十三所】宋版一切経 6102帖のうち摩訶止観巻第二 醍醐寺

国宝所有点数が最も多いのは醍醐寺である。なにせ7万5000点以上!!を所有している。しかし、それらの多くを占める宋版一切経6102点と醍醐寺文書聖教 6万9378点は一括で指定を受けているので、国宝としてのカウントは2件となる。その他にも金…

【西国三十三所】千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経)

聖地を訪ねて西国三十三所の前期目玉展示は京博所有の千手千眼陀羅尼経残巻だろう。 741年の盂蘭盆会に玄昉が1000巻写経させたもので、巻首のない109行のみが残っていた。東大寺要録に記載があったが、長い間現物の存在が確認できたかった貴重なもので国宝と…

【西国三十三所】法華経 方便品(竹生島経) 東京国立博物館

聖地巡礼の先駆けである西国三十三所は観音信仰の霊場を巡る旅である。和歌山県勝浦の那智山寺から始まり和歌山を横断。大阪南部をかすめて、奈良に入り、京都へ上る。京都亀岡でいったん南下し、大阪北部、兵庫の瀬戸内沿いを行く。そして、日本海側へ抜け…

【西国三十三所】興福寺金堂鎮壇具のうち 金銅大盤・銀大盤 東京国立博物館

2020年春の京都では京博の「西国三十三ヶ所展」と京都市博物館の「京の国宝」が企画された。とても楽しみしていたが、コロナの影響で京の国宝は中止になった。しかし、西国三十三ヵ所展は草創1300年の節目にあたることもあり、延期して無事開催されることと…

【大和文華館】一字蓮台法華経 (普賢菩薩勧発品)

写経に念を込める手立ては色々ある。丁寧な字で一字ずつ書くのはもちろん、書いた紙を綺麗に表装するなど、念を込める手段は様々ある。 その中でも書いた文字の一字ずつに蓮型の台の絵を描く一字蓮台法華経は文字と装飾のコラボ写経の最高峰となる。写経だけ…

御室相承記 仁和寺

仁和寺霊宝館の名宝展での出品国宝では御室相承記も展示してあった。 仁和寺に住持された寛平法皇以来の歴代の門跡の記録で、鎌倉初期に出来上がったものだ。経典のような整然とした文字が書かれているのではなく、あくまでも歴史を残すために書かれたものな…

医心方 仁和寺

仁和寺は霊宝館で夏の特別展を開催している。「法親王が誓った 国宝孔雀明王」と題した展示会は国宝の孔雀明王図が出ていると期待していた。しかし、薬師如来坐像がお出ましになっている期間には展示がなく、残念であった。しかし、今回の展示は国宝以外の孔…

肥前国風土記

香川県立ミュージアムで文化財保護法70年の記念事業の一環で、肥前国風土記の展示が行われた。個人蔵の国宝で、滅多に展示されることがないが、コロナの影響で8日間の展示となった。 常設室1に入った正面に展示していた。肥前の文字が書かれた最初のページ…

古今和歌集 巻第廿(高野切本) 高知県立高知城歴史博物館

土佐の高知は坂本龍馬で有名だが、古典で土佐と言えば土佐日記。紀貫之が土佐から京へ帰る道中を綴ったもの。国宝となっている2点は前田家伝来のものと、大阪青山歴史文学博物館が所有するものである。 では、高知の国宝はと言うと、山内家伝来の古今和歌集…

藤原佐理筆詩懐紙 香川県立ミュージアム

香川県は有名な宗教家を輩出してきた。醍醐寺の開祖で修験道を復活させた理源大師。琵琶湖のほとりにある円城寺を総本山とする天台宗寺門派の祖・円珍。そして、平安時代初期に現れた2大宗教スターのひとりで、高野山を開山した空海だ(もう一人は最澄)。…

催馬楽譜 徴古館

佐賀県唯一の国宝・催馬楽譜が徴古館で5/25-7/25まで公開される。 薩長土肥として明治維新の勝者であるはずの佐賀藩の肥前ではあるが、存在感が薄い。鍋島家の西洋技術の取り込み速度は江戸末期では群を抜いていた。明治維新でもその成果はいかんなく発揮さ…

周易注疏 周易注疏 文選 礼記正義

足利学校の国宝4点はたまにしか公開されない。市立の施設ではあるものの、室町幕府を開いた足利家の系譜により作られた名門・足利学校なので、おいそれとお宝を公開しない。昨年の公開は改元にちなむもので、なにか契機があれば公開される。ホームページが足…

上杉本洛中洛外図屏風 上杉家文書

米沢市立上杉博物館では毎年、春と秋の一定期間、上杉本洛中洛外図屏風を公開する。今年も公開予定だったがコロナの影響で休館してしまい、見ることが叶わないと危惧していた。しかし、博物館の計らいで公開を変更。関東管領上杉謙信展が開催されれば見るこ…

法華経一品経 観世音菩薩普門品 長谷寺

西国三十三所は観音霊場の巡礼である。なので法華経の観世音菩薩普門品はこの企画にはなくてはならない。 長谷寺は山の上に本堂がある。ただ、そこまでの登廊は急ではあるが屋根のある階段となっている。単なる山登りと違い歴史ある階段と屋根を見つつ登るこ…

法華経方便品(竹生島経) 東博

竹生島にある宝厳寺は30番札所。平成25年から6年の歳月をかけて、国宝「唐門」及び重要文化財「観音堂」「舟廊下」の保存事業を行っている。本来ならば今年には保存修理作業を終えているはずで、ぜひ再訪したい場所である。 滋賀県は西武グループを作った堤…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。