国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

肥前国風土記

香川県立ミュージアムで文化財保護法70年の記念事業の一環で、肥前国風土記の展示が行われた。個人蔵の国宝で、滅多に展示されることがないが、コロナの影響で8日間の展示となった。 常設室1に入った正面に展示していた。肥前の文字が書かれた最初のページ…

古今和歌集 巻第廿(高野切本) 高知県立高知城歴史博物館

土佐の高知は坂本龍馬で有名だが、古典で土佐と言えば土佐日記。紀貫之が土佐から京へ帰る道中を綴ったもの。国宝となっている2点は前田家伝来のものと、大阪青山歴史文学博物館が所有するものである。 では、高知の国宝はと言うと、山内家伝来の古今和歌集…

藤原佐理筆詩懐紙 香川県立ミュージアム

香川県は有名な宗教家を輩出してきた。醍醐寺の開祖で修験道を復活させた理源大師。琵琶湖のほとりにある円城寺を総本山とする天台宗寺門派の祖・円珍。そして、平安時代初期に現れた2大宗教スターのひとりで、高野山を開山した空海だ(もう一人は最澄)。…

催馬楽譜 徴古館

佐賀県唯一の国宝・催馬楽譜が徴古館で5/25-7/25まで公開される。 薩長土肥として明治維新の勝者であるはずの佐賀藩の肥前ではあるが、存在感が薄い。鍋島家の西洋技術の取り込み速度は江戸末期では群を抜いていた。明治維新でもその成果はいかんなく発揮さ…

周易注疏 周易注疏 文選 礼記正義

足利学校の国宝4点はたまにしか公開されない。市立の施設ではあるものの、室町幕府を開いた足利家の系譜により作られた名門・足利学校なので、おいそれとお宝を公開しない。昨年の公開は改元にちなむもので、なにか契機があれば公開される。ホームページが足…

上杉本洛中洛外図屏風 上杉家文書

米沢市立上杉博物館では毎年、春と秋の一定期間、上杉本洛中洛外図屏風を公開する。今年も公開予定だったがコロナの影響で休館してしまい、見ることが叶わないと危惧していた。しかし、博物館の計らいで公開を変更。関東管領上杉謙信展が開催されれば見るこ…

法華経一品経 観世音菩薩普門品 長谷寺

西国三十三所は観音霊場の巡礼である。なので法華経の観世音菩薩普門品はこの企画にはなくてはならない。 長谷寺は山の上に本堂がある。ただ、そこまでの登廊は急ではあるが屋根のある階段となっている。単なる山登りと違い歴史ある階段と屋根を見つつ登るこ…

法華経方便品(竹生島経) 東博

竹生島にある宝厳寺は30番札所。平成25年から6年の歳月をかけて、国宝「唐門」及び重要文化財「観音堂」「舟廊下」の保存事業を行っている。本来ならば今年には保存修理作業を終えているはずで、ぜひ再訪したい場所である。 滋賀県は西武グループを作った堤…

宋版一切経のうち摩訶止観 醍醐寺

NHK・BSプレミアの中継で見た今年の醍醐の桜も例年通り美しかった。できれば訪れて見たかったが世相を鑑みると来年の楽しみにすることとした。 さて、このままでは会期を見ぬまま終えてしまいそうな西国三十三所展。醍醐寺からも国宝が出品されている。…

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

西国三十三所草創1300年記念の展示会が京都国立博物館で企画されている。西国三十三所巡礼は色々な理由をつけて御開帳が続いているが、1300年記念は大きな節目となる。 同展示会には国宝12件で、石山寺からの国宝出品はなかった。期待していただけに残念…

三十帖冊子 仁和寺

修繕から復活した三十帖冊子は東博での一挙公開以降、徐々に公開範囲を広げている。その一環で京都市博物館での「京の国宝」で展示される。続けて、秋の仁和寺宝物特別公開でも見ることができる。ただ、30冊もある中のひとつかふたつなので、東博の30冊一挙…

御堂関白記 陽明文庫

御堂関白日記は藤原道長本人直筆として知られ、直筆日記では世界最古である。日記なので写経のように専門家が執筆した美しい字ではなく、個性的な文字で書かれている。他人に見せるために書いたのではなく、後世の子孫たちの参考になればと書き綴った。必要…

明月記 冷泉家時雨亭文庫

東京遷都で平安以来の貴族たちは天皇とともに江戸へと下った。その中で、京を任されたのが冷泉家。いまでも京都御所の北側にある同志社の校舎に囲まれるように冷泉家の敷地が残っている。春秋の京都特別公開などの企画で一般公開されることがあり、歴史的な…

趙子昂書 与中峰明本尺牘 静嘉堂文庫

趙子昂は南宋末期から元にかけての文人画家。宋皇帝一族にも関わらず、元に仕えた。王羲之の書を学び、唐以来の伝統な画風を会得した。モンゴルの遊牧民が王朝を作ったことから、文化的素養を受け入れるうえで趙子昂は高い地位を得た。そんな趙子昂が禅宗の…

史記 東洋文庫

司馬遷により編纂された史記。中国の歴史を知る上では一級品の書物である。日本でも元号の出典として12回採用されたほど、古くから読まれている。東洋文庫所有の物には高山寺の朱印が押されている。 レア ★☆☆観たい ★☆☆ www.toyo-bunko.or.jp

春秋経伝集解 東洋文庫

春秋経伝集解は儒教経典である春秋の注釈本。本書は平安時代、清原頼業が明経道博士家に学び受けた原本となる。頼業による訓点があり、本文、訓点ともに院政時代、明経道博士家の学問のあり様が分かる貴重な資料。歴代明経道博士家の基本となる明経点の祖と…

毛詩 東洋文庫

中国の官僚登用試験である科挙には詩を吟じる才能も査定される。明治時代の官僚や財界人も文化的素養が求められていて、茶の湯や詩などの集まりを通じて色々な議論が交わされていたようだ。 毛詩は詩経の異称で、焚書により毛さんが伝えたものだけしか残って…

古文尚書 東洋文庫

今夏、三菱財閥誕生150種年を記念した展示会が開かれる。 mimt.jp そこでは、三菱系美術館が保有する国宝12点がすべて展示される。東洋文庫と静嘉堂文庫の国宝をおさらいしておく。 古文尚書は中国古代の歴史書で、日本ならば古事記や日本書紀にあたる…

宋版史記 国立歴史民俗博物館

都心に近い東京・京都・奈良の国立博物館や九州最大級の博物館である九州博物館は頻繁に通っている。国立新美術館や国立国際美術館も、展示内容で興味があればその都度訪問している。 しかしながら、国立歴史民俗博物館は行ったことがない。国宝を5つも保有…

三十帖冊子 仁和寺

仁和寺・霊宝館の秋展(9/19-12/6)は「弘法大師が唐から持ち帰った至宝 国宝三十帖冊子」と題して東博の特別展でも長蛇の列ができた三十帖冊子が登場予定。 ちょうど2年前の冬に開催された東博の仁和展では修繕を終えた三十帖冊子がすべて登場した。空海が…

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

西国三十三所草創1300年記念を記念して、京都国立博物館で4月11日〜5月31日まで開催される「聖地をたずねて〜西国三十三所の信仰と至宝〜」は国宝・重文クラスの出品が期待できる展示会だ。 まず全国各地に点在している札所・聖地巡礼の元祖が西国…

入唐求法巡礼行記 円仁記 兼胤筆

京都国立博物館は毎年恒例の干支にちなんだ動物の展示と、各テーマごとの名品ギャラリー展となっている。改元があって初めてのお正月というとことで、紫宸殿障壁画や各神社の狛犬・獅子の彫刻、源氏物語絵巻などにぎにぎしい展示となっていた。 書籍のコーナ…

熊野御幸記 藤原定家筆 三井記念美術館

www.mitsui-museum.jp 2020年7月から8月のオリンピック期間中、三井記念記念館の名品が出尽くす「三井家が伝えた名品・優品」が開催される。8月に開催される第2部「日本の古美術」には国宝が登場すると予想。 その候補筆頭は熊野御幸記。世界最古の…

尚書正義 足利学校

今年は改元のあった年。新元号の令和は万葉集が典拠となって選ばれたため、珍しい国書の展示が多かった。従来の元号の典拠が漢書からだったため、漢書の国宝書籍の展示を期待していたので、選ばれずに少し残念だった。 しかし、これまでの元号は漢書からとい…

【正倉院の世界】 法隆寺献物帳 東博

毎年、奈良国立博物館で行われている人気コンテンツ「正倉院展」が即位のお祝いもあって東京でも同時期に開催された。 正倉院に保管されている宝物は聖武天皇の遺品なので1300年前のものだ。そのほとんどが美しさを失うことなく保管され続けた奇跡を毎年、奈…

無隠元晦あて法語 馮子振筆

国宝書跡で一番観てワクワクするのは、禅僧が活躍した鎌倉から室町の墨跡である。経典は格式ばった書き方で同じように写経していて面白みに欠ける。一方で和歌は美しさはあるものの読めないことも多く、書というより曲線の集合体に思えない。 その点、禅の墨…

【美のたからばこ 松濤美術館】 歌仙歌合 和泉市久保惣記念美術館

渋谷区立松濤美術館は区立美術館とは思えない充実した展示会を企画している。西洋・東洋問わず企画していて、一度は訪れたい美術館だった。そして今回久保惣美術館の名品が渋谷で観られるとあって訪れた。 渋谷区松濤という場所自体を知らず、渋谷=スクラン…

絹本淡彩蘭渓道隆像と、大覚禅師墨蹟 法語規則 建長寺

11月3日の文化の日前後に建長寺と円覚寺では宝物の風入り(曝涼展)を開催している。2019年の円覚寺は三井で展示会があった関係か開催しなかったが、建長寺では例年通り開催していた。 風入れ展は仏殿のある奥の建物で開催。その手前の法堂などの横の広場で…

群書治要

631年に中国の唐の太宗皇帝が命じて編纂した政治のための参考書。経書や晋代までの正史、その他の古来の群書から、政治上の要項を抜き出して配列している。ただ中国本土には残っておらず、平安時代に写した最古のものが日本で国宝となっている。 九条家に伝…

文選集注

動産の国宝は各地で開催される展示会に出品されることがある。しかし、東洋文庫ミュージアムは貸出しているのを観たことがない。その代わりに、各企画展に1つ展示してくれるので、毎回チェックが必要。今回は北斎をテーマにした展示なのだが、国宝の文選集注…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。