国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

【三井15周年】熊野御幸記 藤原定家筆

記録に残すことは重要である。公文書の管理が問題となって久しいが、最初から保存を諦めてしまったら、後世に伝わることはない。正確に歴史の判断を仰ぐことのできなくなるということは、後世の都合の良い歴史へと書き換えられても仕方がないということにな…

【西国三十三所】宋版一切経 6102帖のうち摩訶止観巻第二 醍醐寺

国宝所有点数が最も多いのは醍醐寺である。なにせ7万5000点以上!!を所有している。しかし、それらの多くを占める宋版一切経6102点と醍醐寺文書聖教 6万9378点は一括で指定を受けているので、国宝としてのカウントは2件となる。その他にも金…

【西国三十三所】千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経)

聖地を訪ねて西国三十三所の前期目玉展示は京博所有の千手千眼陀羅尼経残巻だろう。 741年の盂蘭盆会に玄昉が1000巻写経させたもので、巻首のない109行のみが残っていた。東大寺要録に記載があったが、長い間現物の存在が確認できたかった貴重なもので国宝と…

【西国三十三所】法華経 方便品(竹生島経) 東京国立博物館

聖地巡礼の先駆けである西国三十三所は観音信仰の霊場を巡る旅である。和歌山県勝浦の那智山寺から始まり和歌山を横断。大阪南部をかすめて、奈良に入り、京都へ上る。京都亀岡でいったん南下し、大阪北部、兵庫の瀬戸内沿いを行く。そして、日本海側へ抜け…

【西国三十三所】興福寺金堂鎮壇具のうち 金銅大盤・銀大盤 東京国立博物館

2020年春の京都では京博の「西国三十三ヶ所展」と京都市博物館の「京の国宝」が企画された。とても楽しみしていたが、コロナの影響で京の国宝は中止になった。しかし、西国三十三ヵ所展は草創1300年の節目にあたることもあり、延期して無事開催されることと…

【大和文華館】一字蓮台法華経 (普賢菩薩勧発品)

写経に念を込める手立ては色々ある。丁寧な字で一字ずつ書くのはもちろん、書いた紙を綺麗に表装するなど、念を込める手段は様々ある。 その中でも書いた文字の一字ずつに蓮型の台の絵を描く一字蓮台法華経は文字と装飾のコラボ写経の最高峰となる。写経だけ…

御室相承記 仁和寺

仁和寺霊宝館の名宝展での出品国宝では御室相承記も展示してあった。 仁和寺に住持された寛平法皇以来の歴代の門跡の記録で、鎌倉初期に出来上がったものだ。経典のような整然とした文字が書かれているのではなく、あくまでも歴史を残すために書かれたものな…

医心方 仁和寺

仁和寺は霊宝館で夏の特別展を開催している。「法親王が誓った 国宝孔雀明王」と題した展示会は国宝の孔雀明王図が出ていると期待していた。しかし、薬師如来坐像がお出ましになっている期間には展示がなく、残念であった。しかし、今回の展示は国宝以外の孔…

肥前国風土記

香川県立ミュージアムで文化財保護法70年の記念事業の一環で、肥前国風土記の展示が行われた。個人蔵の国宝で、滅多に展示されることがないが、コロナの影響で8日間の展示となった。 常設室1に入った正面に展示していた。肥前の文字が書かれた最初のページ…

古今和歌集 巻第廿(高野切本) 高知県立高知城歴史博物館

土佐の高知は坂本龍馬で有名だが、古典で土佐と言えば土佐日記。紀貫之が土佐から京へ帰る道中を綴ったもの。国宝となっている2点は前田家伝来のものと、大阪青山歴史文学博物館が所有するものである。 では、高知の国宝はと言うと、山内家伝来の古今和歌集…

藤原佐理筆詩懐紙 香川県立ミュージアム

香川県は有名な宗教家を輩出してきた。醍醐寺の開祖で修験道を復活させた理源大師。琵琶湖のほとりにある円城寺を総本山とする天台宗寺門派の祖・円珍。そして、平安時代初期に現れた2大宗教スターのひとりで、高野山を開山した空海だ(もう一人は最澄)。…

催馬楽譜 徴古館

佐賀県唯一の国宝・催馬楽譜が徴古館で5/25-7/25まで公開される。 薩長土肥として明治維新の勝者であるはずの佐賀藩の肥前ではあるが、存在感が薄い。鍋島家の西洋技術の取り込み速度は江戸末期では群を抜いていた。明治維新でもその成果はいかんなく発揮さ…

周易注疏 周易注疏 文選 礼記正義

足利学校の国宝4点はたまにしか公開されない。市立の施設ではあるものの、室町幕府を開いた足利家の系譜により作られた名門・足利学校なので、おいそれとお宝を公開しない。昨年の公開は改元にちなむもので、なにか契機があれば公開される。ホームページが足…

上杉本洛中洛外図屏風 上杉家文書

米沢市立上杉博物館では毎年、春と秋の一定期間、上杉本洛中洛外図屏風を公開する。今年も公開予定だったがコロナの影響で休館してしまい、見ることが叶わないと危惧していた。しかし、博物館の計らいで公開を変更。関東管領上杉謙信展が開催されれば見るこ…

法華経一品経 観世音菩薩普門品 長谷寺

西国三十三所は観音霊場の巡礼である。なので法華経の観世音菩薩普門品はこの企画にはなくてはならない。 長谷寺は山の上に本堂がある。ただ、そこまでの登廊は急ではあるが屋根のある階段となっている。単なる山登りと違い歴史ある階段と屋根を見つつ登るこ…

法華経方便品(竹生島経) 東博

竹生島にある宝厳寺は30番札所。平成25年から6年の歳月をかけて、国宝「唐門」及び重要文化財「観音堂」「舟廊下」の保存事業を行っている。本来ならば今年には保存修理作業を終えているはずで、ぜひ再訪したい場所である。 滋賀県は西武グループを作った堤…

宋版一切経のうち摩訶止観 醍醐寺

NHK・BSプレミアの中継で見た今年の醍醐の桜も例年通り美しかった。できれば訪れて見たかったが世相を鑑みると来年の楽しみにすることとした。 さて、このままでは会期を見ぬまま終えてしまいそうな西国三十三所展。醍醐寺からも国宝が出品されている。…

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

西国三十三所草創1300年記念の展示会が京都国立博物館で企画されている。西国三十三所巡礼は色々な理由をつけて御開帳が続いているが、1300年記念は大きな節目となる。 同展示会には国宝12件で、石山寺からの国宝出品はなかった。期待していただけに残念…

三十帖冊子 仁和寺

修繕から復活した三十帖冊子は東博での一挙公開以降、徐々に公開範囲を広げている。その一環で京都市博物館での「京の国宝」で展示される。続けて、秋の仁和寺宝物特別公開でも見ることができる。ただ、30冊もある中のひとつかふたつなので、東博の30冊一挙…

御堂関白記 陽明文庫

御堂関白日記は藤原道長本人直筆として知られ、直筆日記では世界最古である。日記なので写経のように専門家が執筆した美しい字ではなく、個性的な文字で書かれている。他人に見せるために書いたのではなく、後世の子孫たちの参考になればと書き綴った。必要…

明月記 冷泉家時雨亭文庫

東京遷都で平安以来の貴族たちは天皇とともに江戸へと下った。その中で、京を任されたのが冷泉家。いまでも京都御所の北側にある同志社の校舎に囲まれるように冷泉家の敷地が残っている。春秋の京都特別公開などの企画で一般公開されることがあり、歴史的な…

趙子昂書 与中峰明本尺牘 静嘉堂文庫

趙子昂は南宋末期から元にかけての文人画家。宋皇帝一族にも関わらず、元に仕えた。王羲之の書を学び、唐以来の伝統な画風を会得した。モンゴルの遊牧民が王朝を作ったことから、文化的素養を受け入れるうえで趙子昂は高い地位を得た。そんな趙子昂が禅宗の…

史記 東洋文庫

司馬遷により編纂された史記。中国の歴史を知る上では一級品の書物である。日本でも元号の出典として12回採用されたほど、古くから読まれている。東洋文庫所有の物には高山寺の朱印が押されている。 レア ★☆☆観たい ★☆☆ www.toyo-bunko.or.jp

春秋経伝集解 東洋文庫

春秋経伝集解は儒教経典である春秋の注釈本。本書は平安時代、清原頼業が明経道博士家に学び受けた原本となる。頼業による訓点があり、本文、訓点ともに院政時代、明経道博士家の学問のあり様が分かる貴重な資料。歴代明経道博士家の基本となる明経点の祖と…

毛詩 東洋文庫

中国の官僚登用試験である科挙には詩を吟じる才能も査定される。明治時代の官僚や財界人も文化的素養が求められていて、茶の湯や詩などの集まりを通じて色々な議論が交わされていたようだ。 毛詩は詩経の異称で、焚書により毛さんが伝えたものだけしか残って…

古文尚書 東洋文庫

今夏、三菱財閥誕生150種年を記念した展示会が開かれる。 mimt.jp そこでは、三菱系美術館が保有する国宝12点がすべて展示される。東洋文庫と静嘉堂文庫の国宝をおさらいしておく。 古文尚書は中国古代の歴史書で、日本ならば古事記や日本書紀にあたる…

宋版史記 国立歴史民俗博物館

都心に近い東京・京都・奈良の国立博物館や九州最大級の博物館である九州博物館は頻繁に通っている。国立新美術館や国立国際美術館も、展示内容で興味があればその都度訪問している。 しかしながら、国立歴史民俗博物館は行ったことがない。国宝を5つも保有…

三十帖冊子 仁和寺

仁和寺・霊宝館の秋展(9/19-12/6)は「弘法大師が唐から持ち帰った至宝 国宝三十帖冊子」と題して東博の特別展でも長蛇の列ができた三十帖冊子が登場予定。 ちょうど2年前の冬に開催された東博の仁和展では修繕を終えた三十帖冊子がすべて登場した。空海が…

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

西国三十三所草創1300年記念を記念して、京都国立博物館で4月11日〜5月31日まで開催される「聖地をたずねて〜西国三十三所の信仰と至宝〜」は国宝・重文クラスの出品が期待できる展示会だ。 まず全国各地に点在している札所・聖地巡礼の元祖が西国…

入唐求法巡礼行記 円仁記 兼胤筆

京都国立博物館は毎年恒例の干支にちなんだ動物の展示と、各テーマごとの名品ギャラリー展となっている。改元があって初めてのお正月というとことで、紫宸殿障壁画や各神社の狛犬・獅子の彫刻、源氏物語絵巻などにぎにぎしい展示となっていた。 書籍のコーナ…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。