国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

金光明最勝王経 西大寺

龍谷ミュージアムは開館10周年記念展示会が続く。秋展はアジアの女神たち。神様に男女があるか分からないが、信仰の対象として古代人は豊穣(子を産む)をイメージして女性をかたどった造形物を造った。インドや東南アジアの女神は胸も腰も大きく作られてセ…

紺紙金銀字一切経 (中尊寺経) 金剛峯寺

霊宝館が出来て100年。名宝展では館設立の経緯や当時の資料を前期と後期に分けて紹介していた。前期には同館が財界関係者の支援を受けて設立された資料を公開。東博などで名前を見かける文化財蒐集家が並んでいた。後期は設立にいたる過程を紹介。同館の図面…

文館詞林残巻 宝寿院

文館詞林残巻は高野山の塔頭寺院・正智院と宝寿院が所有している。それぞれのものが国宝にしていされている。Ⅰ期では正智院のものを観た。そして、Ⅲ期には宝寿院のものが登場していた。 Ⅰ期でも書いたが漢から唐初までの詩文集で、隋唐以前の文学を集めた「…

【聖徳太子】四天王寺縁起(根本本) 四天王寺

1400年以上の長い歴史のある四天王寺だが、その存在を証明するものが四天王寺縁起である。四天王寺がどのような起こりで歴史を歩んできたかが書かれたものである。 それだけならば大きな寺院では大抵作られているのでよくて重要文化財止まり。四天王寺縁起の…

【奈良博三昧】金剛般若経開題残巻 空海筆

奈良博三昧の国宝出品は通期展示を除くと前期が多くて、後期のみは辟邪絵と金剛般若経開題残巻だった。金剛般若経開題残巻は空海筆で、前期に展示のあった最澄筆の久隔帖と見比べたい逸品である。 最澄と違い空海は平安の三筆に選ばれるぐらい書の名人のイメ…

【京の国宝】宗峰妙超墨跡 「関山」道号 妙心寺

絵画ゾーンの次は書籍・典籍・古文書のゾーン。龍谷大学の類聚古集や 京都大学附属図書館の今昔物語集など京都の大学が保有している国宝が出ているのはかなり珍しい。一方で醍醐寺の宋版一切経や京都学・歴彩館の東寺百合文書は国宝指定の点数が膨大なため企…

【奈良博三昧】尺牘 (久隔帖)  最澄筆

今年は伝教大師・最澄の遠忌1200年に当たる年で、秋から来春にかけて東京・九州・京都の国立博物館を舞台に巡回展が開催される。仏教の殿堂としての奈良博ではあるが、最澄が建立した延暦寺は京都にあり、開催場所とはならなかった。 しかし、奈良博は伝教大…

【京の国宝】三十帖冊子 仁和寺

1年遅れで開催した「京の国宝」は当初の京セラ京都市美術館から場所を移して京都国立博物館で開催することとなった。京都市美のリニューアルオープン記念だった展示会が京博へ移したことで、京博所有の国宝が展示されることとなり、総数で72件の展示となっ…

万葉集(金沢本) 前田育徳会

文武の誉れの次の部屋・第8展示室は「文」で統一していた。 加賀藩・前田家が百万石もの大大名なのに徳川家の嫌がらせによる配置換えや石高の召し上げがなかったのは、日本海側という江戸から遠い地の利だけでなく、文化面に力を注いだことが影響している。…

寛平御時后宮歌合 伝宗尊親王筆

東博の国宝室では寛平御時后宮歌合の展示があった。 1200年前に行われた歌会の記録。左右1首ずつ組み合わせた短歌の優劣を競う行事で、日本人は紅白歌合戦のようなことを昔からしていた。歌会の記録では2番目に古いものだが、紙が茶色く色褪せているぐらいで…

古文尚書 東洋文庫

展示もいよいよ最終コーナー。3階の展示は国宝がぽつぽつとしなかった。それが階を下っての展示は中世の中国文化が中心になり、怒涛の国宝ラッシュを展開した。 一室に古文尚書、春秋経伝集解、文選集注、史記の4つが公開。後半のみの公開の毛詩はなかった…

与中峰明本尺牘 趙孟頫筆 静嘉堂

三菱1号館美術館の三菱の至宝展の3階展示で一番広い部屋には屏風絵や彫刻など大型のものが展示していた。彫刻は慶派の木造十二神将立像で静嘉堂文庫が所有している名品を陳列。玉眼で筋肉質の立像で、どれも腰の括れ方がとてもよい。12体ある神将は東博…

金光明経 京都国立博物館

京の国宝を展示するのならば、鎮護国家を願う経典は展示必須だ。華やかな工芸品や歴史的な書跡が今に受け継がれたのも国の安寧を祈念しつづける僧侶が居たから。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp

ポルトガル国印度副王信書 妙法院

中国から持ち込んだものが国宝になっていることはよくある。しかし、ヨーロッパから持ち込まれたものの国宝指定はあまりない。その一つがポルトガル国印度副王信書。 聚楽第で、関白だった豊臣秀吉が謁見した時に受け取ったもので、豊国神社に伝わったものが…

東宝記 東寺

東寺百合文書が一次資料の収集であるならば、東宝記は東寺の歴史をまとめた歴史書である。寺に関することが中心ではあるが、その時代に起こった出来事なども分かる。東寺で行われる特別展によく展示されている国宝だ。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期(入替あり) t…

東寺百合文書 京都学・歴彩館

東寺百合文書は寺院に保管されていた奈良時代から江戸時代初期までの文章・24067通が一括で国宝指定されている。京都を守護するために入り口に建てられた東寺が集めた文章は京の宝に相応しい。京都では応仁の乱の時に戦火によって多くの被害があったため、文…

後醍醐天皇宸翰 天長印信 醍醐寺

後醍醐天皇は都を追われた天皇である。しかし、天皇が所在するところが都とするならば、晩年の吉野で書かれた書も京の国宝となる。 レア ★☆☆観たい ★☆☆ 前期 tsumugu.yomiuri.co.jp

禅院額字并牌字 東福寺 

禅宗の寺院に掲げられている額は力強い字で書かれている。密教の学びが象牙の塔にこもった文系とするならば、禅道は自らを鍛えて導き出す体育会系なのかもしれない。ただ、密教が修験道と結びついたことで体育会系のノリも内包しているところが懐の深さを感…

無準師範墨跡・円爾印可状 東福寺

円爾は東福寺を開いた僧。南宋に渡って無準師範に師事し、印可状をもって悟りを開いたとお墨付きが得られた。正当性が分かる貴重な書となっている。 レア ★☆☆観たい ★★☆ 後期 tsumugu.yomiuri.co.jp

宋版一切経と経箱 醍醐寺

一切経は経典の集大成なので帖数が非常に多い。その完品に近いのが醍醐寺の物で6102帖が一括で国宝指定を受けている。すべてを観ることはほぼ不可能に近い国宝だが、多数あるので展示会では見かける頻度もそこそこある。 レア ★☆☆観たい ★☆☆ 通期(経典は巻…

明月記 冷泉家時雨亭文庫

京ならではの国宝と言えば御堂関白日記か明月記だ。当時の貴族社会の出来事を時系列で日記として書き残していることから、みやこ人の生態がつぶさにわかる一級品の資料となっている。藤原家が政権の中枢に居続けられたのは、この帳面に記した几帳面さがあっ…

今昔物語集 京都大学附属図書館

「今は昔」で始まる説話集。800年前に集められた話なので「昔昔」と言い換えても良いぐらいの年月が経っている。いろいろな物語が集められていて、現在でも面白く読める部分もある。 rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp デジタルアーカイブで原本に当たれる時代と…

類聚古集 龍谷大学

大学で国宝を所有しているケースが多々ある。東京大学や東北大学など国立大学にあったり、天理大学や早稲田大学、慶應義塾大学も所有している。龍谷大学もそのひとつで設立は1922年だが、創立の歴史は古い。1639年に西本願寺の教育機関として作られたの…

医心方 仁和寺

仁和寺は皇室に近い寺院である。皇室の子息を受け入れる門跡寺院のため、当代の天皇や法皇の姻戚者が門主となっている場合などは良き相談窓口となっている。今も昔も生老病死が人間にとって大きな不安の種である。医心方は病を解決する秘策が載っているもの…

紫紙金字金光明最勝王経 竜光院

高野山の名宝Ⅱ期で最後に見た国宝は紫紙金字金光明最勝王経である。紫に染められた紙に金字で書いた経は各寺院にも国宝・重文に指定されているものが数多ある。聖武天皇の詔で建てられた国分寺、国分尼寺の塔に安置された経典で、鎮護国家の象徴として各地に…

細字金光明最勝王経 竜光院

竜光院の経典祭りは大字法華経と対極をなすように細字金光明最勝王経も展示してあった。こちらは細かな字でびっしりと文字を書き記している。情報をより多く伝えるための微細化は日本人が得意としており、工業分野でも世界を一歩リードしている。仁和寺の三…

大字法華経 竜光院

高野山は修行の場であるため市井とはかけ離れた山の中に存在している。鉄道や道路事情がよくなったため、観光しやすくなったとはいえ、「高野山に行く」という目的以外に訪れる人は皆無である。 コロナの影響で観光客は激減し、100年に1度の規模で開催さ…

古林清茂墨蹟 月林道号 長福寺

1964年10月10日。日本は晴天だった。 ある年齢以上の人はもちろん、その後に記録映画やTV映像を観た人、いだてんを観た人など、オリンピックの開会式と言えば快晴の国立競技場を思い出す。最近のオリンピックの開会式はアメリカのTV放送に合わせる…

平家納経 厳島神社

大河ドラマ「平清盛」が放送されてもうすぐ10年となる。大河ドラマシリーズ生誕50周年記念作品で、展示会でもこれにちなんだ企画が各地で行われた。その時に目玉として平家納経は大活躍。33巻あるので公開する機会ごとに展示していたように思えた。美装さ…

日本書紀 巻第二十二  京都国立博物館

奈良博で行われている「聖徳太子と法隆寺」展は今週末を以って閉幕し、東京へと会場を移す。 前期に行ったときは空いていてとても見やすい環境だったが、後期に訪れると行列ができていた。会場内にも多くの来場者が来ていた。正倉院展ほどではないまでも、久…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。