国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

寛平御時后宮歌合 伝宗尊親王筆

東博の国宝室では寛平御時后宮歌合の展示があった。 1200年前に行われた歌会の記録。左右1首ずつ組み合わせた短歌の優劣を競う行事で、日本人は紅白歌合戦のようなことを昔からしていた。歌会の記録では2番目に古いものだが、紙が茶色く色褪せているぐらいで…

古文尚書 東洋文庫

展示もいよいよ最終コーナー。3階の展示は国宝がぽつぽつとしなかった。それが階を下っての展示は中世の中国文化が中心になり、怒涛の国宝ラッシュを展開した。 一室に古文尚書、春秋経伝集解、文選集注、史記の4つが公開。後半のみの公開の毛詩はなかった…

与中峰明本尺牘 趙孟頫筆 静嘉堂

三菱1号館美術館の三菱の至宝展の3階展示で一番広い部屋には屏風絵や彫刻など大型のものが展示していた。彫刻は慶派の木造十二神将立像で静嘉堂文庫が所有している名品を陳列。玉眼で筋肉質の立像で、どれも腰の括れ方がとてもよい。12体ある神将は東博…

金光明経 京都国立博物館

京の国宝を展示するのならば、鎮護国家を願う経典は展示必須だ。華やかな工芸品や歴史的な書跡が今に受け継がれたのも国の安寧を祈念しつづける僧侶が居たから。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp

ポルトガル国印度副王信書 妙法院

中国から持ち込んだものが国宝になっていることはよくある。しかし、ヨーロッパから持ち込まれたものの国宝指定はあまりない。その一つがポルトガル国印度副王信書。 聚楽第で、関白だった豊臣秀吉が謁見した時に受け取ったもので、豊国神社に伝わったものが…

東宝記 東寺

東寺百合文書が一次資料の収集であるならば、東宝記は東寺の歴史をまとめた歴史書である。寺に関することが中心ではあるが、その時代に起こった出来事なども分かる。東寺で行われる特別展によく展示されている国宝だ。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期(入替あり) t…

東寺百合文書 京都学・歴彩館

東寺百合文書は寺院に保管されていた奈良時代から江戸時代初期までの文章・24067通が一括で国宝指定されている。京都を守護するために入り口に建てられた東寺が集めた文章は京の宝に相応しい。京都では応仁の乱の時に戦火によって多くの被害があったため、文…

後醍醐天皇宸翰 天長印信 醍醐寺

後醍醐天皇は都を追われた天皇である。しかし、天皇が所在するところが都とするならば、晩年の吉野で書かれた書も京の国宝となる。 レア ★☆☆観たい ★☆☆ 前期 tsumugu.yomiuri.co.jp

禅院額字并牌字 東福寺 

禅宗の寺院に掲げられている額は力強い字で書かれている。密教の学びが象牙の塔にこもった文系とするならば、禅道は自らを鍛えて導き出す体育会系なのかもしれない。ただ、密教が修験道と結びついたことで体育会系のノリも内包しているところが懐の深さを感…

無準師範墨跡・円爾印可状 東福寺

円爾は東福寺を開いた僧。南宋に渡って無準師範に師事し、印可状をもって悟りを開いたとお墨付きが得られた。正当性が分かる貴重な書となっている。 レア ★☆☆観たい ★★☆ 後期 tsumugu.yomiuri.co.jp

宋版一切経と経箱 醍醐寺

一切経は経典の集大成なので帖数が非常に多い。その完品に近いのが醍醐寺の物で6102帖が一括で国宝指定を受けている。すべてを観ることはほぼ不可能に近い国宝だが、多数あるので展示会では見かける頻度もそこそこある。 レア ★☆☆観たい ★☆☆ 通期(経典は巻…

明月記 冷泉家時雨亭文庫

京ならではの国宝と言えば御堂関白日記か明月記だ。当時の貴族社会の出来事を時系列で日記として書き残していることから、みやこ人の生態がつぶさにわかる一級品の資料となっている。藤原家が政権の中枢に居続けられたのは、この帳面に記した几帳面さがあっ…

今昔物語集 京都大学附属図書館

「今は昔」で始まる説話集。800年前に集められた話なので「昔昔」と言い換えても良いぐらいの年月が経っている。いろいろな物語が集められていて、現在でも面白く読める部分もある。 rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp デジタルアーカイブで原本に当たれる時代と…

類聚古集 龍谷大学

大学で国宝を所有しているケースが多々ある。東京大学や東北大学など国立大学にあったり、天理大学や早稲田大学、慶應義塾大学も所有している。龍谷大学もそのひとつで設立は1922年だが、創立の歴史は古い。1639年に西本願寺の教育機関として作られたの…

医心方 仁和寺

仁和寺は皇室に近い寺院である。皇室の子息を受け入れる門跡寺院のため、当代の天皇や法皇の姻戚者が門主となっている場合などは良き相談窓口となっている。今も昔も生老病死が人間にとって大きな不安の種である。医心方は病を解決する秘策が載っているもの…

紫紙金字金光明最勝王経 竜光院

高野山の名宝Ⅱ期で最後に見た国宝は紫紙金字金光明最勝王経である。紫に染められた紙に金字で書いた経は各寺院にも国宝・重文に指定されているものが数多ある。聖武天皇の詔で建てられた国分寺、国分尼寺の塔に安置された経典で、鎮護国家の象徴として各地に…

細字金光明最勝王経 竜光院

竜光院の経典祭りは大字法華経と対極をなすように細字金光明最勝王経も展示してあった。こちらは細かな字でびっしりと文字を書き記している。情報をより多く伝えるための微細化は日本人が得意としており、工業分野でも世界を一歩リードしている。仁和寺の三…

大字法華経 竜光院

高野山は修行の場であるため市井とはかけ離れた山の中に存在している。鉄道や道路事情がよくなったため、観光しやすくなったとはいえ、「高野山に行く」という目的以外に訪れる人は皆無である。 コロナの影響で観光客は激減し、100年に1度の規模で開催さ…

古林清茂墨蹟 月林道号 長福寺

1964年10月10日。日本は晴天だった。 ある年齢以上の人はもちろん、その後に記録映画やTV映像を観た人、いだてんを観た人など、オリンピックの開会式と言えば快晴の国立競技場を思い出す。最近のオリンピックの開会式はアメリカのTV放送に合わせる…

平家納経 厳島神社

大河ドラマ「平清盛」が放送されてもうすぐ10年となる。大河ドラマシリーズ生誕50周年記念作品で、展示会でもこれにちなんだ企画が各地で行われた。その時に目玉として平家納経は大活躍。33巻あるので公開する機会ごとに展示していたように思えた。美装さ…

日本書紀 巻第二十二  京都国立博物館

奈良博で行われている「聖徳太子と法隆寺」展は今週末を以って閉幕し、東京へと会場を移す。 前期に行ったときは空いていてとても見やすい環境だったが、後期に訪れると行列ができていた。会場内にも多くの来場者が来ていた。正倉院展ほどではないまでも、久…

宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱 仁和寺

空海所縁の品である三十帖冊子が散逸しないように、それを入れる専用の箱が作られた。宝相華迦陵頻伽蒔絵といかにも豪勢なネーミングだが、見ると黒漆の下地がデザインを引き締めており派手に感じない。ただ、当日してはここまでデザインに凝った箱はなかっ…

三十帖冊子 仁和寺

平成の修理を終えた三十帖冊子は毎年どこかの展示会へ出品されている。30冊あるので同じものではないにしても、結構な頻度での登場となっている。この冊子の所有権について真言宗内で争いがあったということも、京の国宝に相応しい逸話である。 レア ★☆☆ 観…

芦手絵和漢朗詠抄 藤原伊行

芦手絵が見事に描かれた紙の上に和漢朗詠集を書き写した、今で言う豪華装丁版の書物である。平安時代書写の完本で、京の貴族文化を象徴する国宝である。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ 通期・巻替 tsumugu.yomiuri.co.jp

「関山」 道号 宗峰妙超 妙心寺

京を歩くと各仏教宗派の大本山が至る所に点在している。特に禅宗の大本山は大きな境内を有して、数々の塔頭寺院を構えており、時代の変化に取り残された独特の雰囲気を有している。妙心寺もその一つ。京都花園にある臨済宗妙心寺派の総本山は一大寺院群を形…

御堂関白記 陽明文庫

京の国宝といえば平安時代から江戸時代まで宮中との関係性で指定を受けているものが多い。その点で宮中の行事やその時代の風俗、そして世界最古の自筆での個人日記である御堂関白記はこの展示会に欠かせない存在である。1000年以上に渡って京都が都であ…

賢愚経残巻 白鶴美術館

数ある国宝の書跡の中で観ていて一番すんなり関心するのが賢愚経である。日本国内に仏教を布教させた聖武天皇が直々に執筆したとされる経典の残巻である。1行12文字と大きく書かれた経は大聖武と呼ばれる。または大和の国の基礎である天平文化を作り上げたこ…

伝教大師請来目録 最澄筆

延暦寺国宝館では伝教大師遠忌1200年を記念した展示会が行われている。いつも入れ替えのある2階部分に国宝2点は展示されている。室内の近くに展示されているので見比べると違いがあり楽しめる配置となっている。ともに最澄筆とされる書で、伝教大師請…

天台法華宗年分縁起 伝教大師

伝教大師・最澄の遠忌1200年記念事業が進められている延暦寺。すでに東博、九博、京博で最澄と天台宗のすべての開催が決定している。最澄にまつわるものや、天台宗の寺宝が3都市に分けて展示されるとあり、仏教系 展示会では令和最大級になるのは間違いない…

筆附状 俊芿筆

鑑真和上がもたらした戒律は時代の変化があるごとに見直されている。真言律宗の西大寺中興の祖である叡尊は慈善活動に力を入れて信仰を集め、生きてる間に坐像にされるほど尊敬されていた。その少し前に活躍した 俊芿もまた戒律の重要性に気づいた一人である…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。