東博で開催されている東福寺展が最終盤となっている。この後、秋口に京博でも開催される予定から楽しみをとっておく事にした。しかし、どうしても気になったので東福寺へ行った。
美術館や博物館での展示会へはどうしても建築物は持っていけない。なので、京都でも最大級の門である三門は現地に行かなければ見ることはできない。ちょうど三門に登って見ることができる特別公開も実施中だった。そして、もう一つ。特別公開されていたのが、修理を終えたばかりの巨大な大涅槃図を法堂で公開していた。明兆筆の涅槃図は釈迦入滅に合わせて3月14日から16日に行われる涅槃会で掛けられる。三門に負けないぐらい大きな法堂に掛けてちょうど良い大きさで作られている。それだけ大きいにも関わらず、絵の中の弟子たちや動物が所狭しと描かれており、釈迦がいかに慕われていたかが構図で分かるようになっている。
東博の展示会で目玉展示品が明兆作の五百羅漢図の修復後初公開であることから、この大涅槃図を見てようやく東福寺の寺宝を見たことになる。秋の東福寺は紅葉で人気があるが、青紅葉のこの時期もとても良かった。東福寺展の予行演習としても十二分に楽しめた。