国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

令和の国宝を振り返りつつ展望する

元号の変更により新時代となった日本。日常が極端に変わったことはないはずだが、それなりに心機一転した年だった。 さて、国宝を観る的には大豊作の年であった。令和の引用元とされる万葉集を中心に、派生した国宝の日本書紀の展示、漢籍から引用されると予…

曜変天目茶碗 静嘉堂文庫

明治維新後、国家のため事業活動に邁進してきた三菱財閥。三井や住友に比べて歴史がないためか、文化財では一級品を集めている。戦後になって、三菱の美術品は各テーマ別に振り分けられて美術館に納まっている。 三菱創業150周年記念 三菱の至宝展はこれまで…

那智滝図

オリンピックが終わった2020年11月、根津美術館の国宝・重要文化財が行われる。財団設立80周年記念の展示会で、国宝7件、重要文化財87件を保有する国内屈指の美術館の国宝重文展は期待の高い展示会だ。 すでに那智滝図の展示が発表されているが、…

太刀 安綱 号童子切

奈良・春日大社の国宝殿で今日から開催している安綱・古伯耆展は大混雑で幕を開けた。 初日なので、狐キャラクターのこんのすけが登場していたこともあり、普段の国宝殿には見られない刀剣女子が大挙して来ていた。まず、行列が出来ることがない展示会場で、…

熊野御幸記 藤原定家筆 三井記念美術館

www.mitsui-museum.jp 2020年7月から8月のオリンピック期間中、三井記念記念館の名品が出尽くす「三井家が伝えた名品・優品」が開催される。8月に開催される第2部「日本の古美術」には国宝が登場すると予想。 その候補筆頭は熊野御幸記。世界最古の…

短刀 無名正宗(日向正宗) 三井記念美術館

www.mitsui-museum.jp ついに三井にも刀剣女子が来襲することになる。 2020年11月から1月に、国宝の名刀「日向正宗」と武将の美を開催。三井記念美術館の冬展の定番である雪松図を押しのける形での開催となる。 各地で刀剣乱舞コラボによる刀剣展が開…

鳥獣戯画 

東京国立博物館のオリンピック期間中の展示は鳥獣戯画で勝負する。 香雪中之島美術館での明恵展でも展示のあったが、今回の展示の目玉は全四巻一気に見せます。ほかの動物作品とのコラボが行われるようで、若冲の鶏や応挙の子犬、曽我蕭白の龍など、名品が惜…

国宝 源氏物語絵巻 五島・徳川美術館

2020年は東京オリンピック開催で都内が大混雑が予想されるにも関わらず、国宝出品の(可能性がある)展示会が目白押し。 五島美術館の源氏物語絵巻全巻魅せますは5年ごとに徳川美術館と交互に開催している展示会。西暦で×0年は五島美術館の開館記念と…

太刀 吉房 ふくやま美術館

今年、国内屈指の刀剣を保有している小松コレクションが遺族の意向でふくやま美術館に寄贈された。国宝刀剣7本を含むもので、一気に国内有数の国宝ホルダー美術館となった。そして満を持して所蔵品展示の一企画として寄贈品の一部が展示された。 常設展示は3…

【正倉院展in東博】竜首水瓶 法隆寺献納宝物

東博での正倉院展は実物大の正倉院の模型が展示してあった。展示というより設置の方がふさわしい大きさだった。東大寺の北のはずれにある正倉院は平日の昼間に一般公開されているので、気軽に見に行くことが出来る。ただし、あくまでも観るだけで近づくこと…

太刀 長船景光(号 小龍景光) 東博

国宝刀剣保有数ナンバー1の東博。刀の展示コーナーは四半期ぐらいで入れ替えがある。入れ替え毎に違う国宝刀が展示されるので、特別展の開催に合わせて観に行くと、新たな刀と出会うことができる。(東博所有の刀だけでも大規模な企画展が組めそう) 刀工の…

富岡製糸場

明治以降の製造物で国宝指定2例目(第1号は迎賓館赤坂離宮)となった富岡製糸場。近代日本の礎を築くため、外国へ輸出するキラーコンテンツと白羽の矢が当たった生糸を大量生産するために作られた施設である。 明治政府は維新の御旗のひとつである開国をな…

鑁阿寺 本堂

国宝の鑁阿寺本堂は足利学校にほど近い場所にある。足利氏の氏寺で、もともとは館があった場所である。寺の周りは土塁と堀がそのままで、武士の館であった面影が残っている。幕府が開かれた鎌倉が観光地になっているのに比べて、足利は尊氏以降、上洛して政…

尚書正義 足利学校

今年は改元のあった年。新元号の令和は万葉集が典拠となって選ばれたため、珍しい国書の展示が多かった。従来の元号の典拠が漢書からだったため、漢書の国宝書籍の展示を期待していたので、選ばれずに少し残念だった。 しかし、これまでの元号は漢書からとい…

四季山水図 (山水長巻) 雪舟筆

山口県防府にある毛利博物館。戦国大名で長州藩を率いた名門・毛利家の邸宅と庭園を公開しつつ、所有していた名品を公開している。博物館と言いつつも、邸宅公開が中心。明治政府をけん引した長州藩ではあるが、政治の中心から距離的にある防府の地では豪華…

太刀 銘景光・景政 埼玉県立歴史と民俗の博物館

埼玉県立歴史と民俗の博物館は大宮市の氷川神社などがある公園の北の端にある。時間があれば公園内を散策して行くのがベストだが、最短ルートをとるなら、東武野田線で大宮公園駅を利用すると便利だ。 同館は国宝刀2振りを所有していて、普段は模造品を置い…

黒韋威胴丸 兜大袖付 厳島神社

厳島神社では毎年秋に行われる宝物名品展で本物の国宝を展示する。別棟で常設の宝物館があるが、こちらには国宝の複製が展示されているのみで、本物はこの秋の名品展のみ。春にも開催して欲しいのだが…。 令和への改元の祝い年であるため、国宝の厳島神社の…

聖徳太子絵伝 秦致貞筆

正倉院展に合わせて法隆寺宝物館では聖徳太子絵伝を展示していた。絵伝は壁面ぐらいの大きさに各場面を混ぜ込んで描いている。ちょうど日本の絵巻物の時間軸を平面に展開したような形である。 10面で聖徳太子の人生すべてを描いているので、生青壮老死のハ…

【正倉院の世界】 法隆寺献物帳 東博

毎年、奈良国立博物館で行われている人気コンテンツ「正倉院展」が即位のお祝いもあって東京でも同時期に開催された。 正倉院に保管されている宝物は聖武天皇の遺品なので1300年前のものだ。そのほとんどが美しさを失うことなく保管され続けた奇跡を毎年、奈…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。