国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

絹本著色伝船中湧現観音 龍光院

高野山霊宝館創設100周年記念展示会では真言仏教の至宝が惜しげもなく出品され、目を楽しませてくれた。その中で、一番煌びやかな仏画が伝船中湧現観音だった。

伝船中湧現観音は空海が入唐の際、嵐を鎮め、航海の安全を守るため出現したと伝えられる。空海を助けた観音さまであるため、より煌びやかなに作られている。その工夫として截金細工を用いている。截金は薄く伸ばした金紙を細かく切って貼り付けて細工する技法。その技術を衣の模様で活用しているため、きんぴか意匠に身を包んだ観音様に仕上げている。救いの手を差し伸べる観音様の理想像として具現化した仏画となっている。黄金に輝く観音様は高野山の至宝に相応しい出来栄えであった。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。