国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

賢愚経残巻 白鶴美術館

数ある国宝の書跡の中で観ていて一番すんなり関心するのが賢愚経である。日本国内に仏教を布教させた聖武天皇が直々に執筆したとされる経典の残巻である。1行12文字と大きく書かれた経は大聖武と呼ばれる。または大和の国の基礎である天平文化を作り上げたこ…

根本中堂 延暦寺

延暦寺の中心的な建物である根本中堂は長期の改修工事期間に入っている。内部の拝観はいつも通りで、奥の仏像と視線が合う作りはそのままだが、全体を支えて補助する骨組みが入っているのでいつもと違う雰囲気となっている。 根本中堂自体は全体を工事用の足…

伝教大師請来目録 最澄筆

延暦寺国宝館では伝教大師遠忌1200年を記念した展示会が行われている。いつも入れ替えのある2階部分に国宝2点は展示されている。室内の近くに展示されているので見比べると違いがあり楽しめる配置となっている。ともに最澄筆とされる書で、伝教大師請…

天台法華宗年分縁起 伝教大師

伝教大師・最澄の遠忌1200年記念事業が進められている延暦寺。すでに東博、九博、京博で最澄と天台宗のすべての開催が決定している。最澄にまつわるものや、天台宗の寺宝が3都市に分けて展示されるとあり、仏教系 展示会では令和最大級になるのは間違いない…

鑑真和上坐像 唐招提寺

鑑真和上展の目玉であり、キービジュアルとなっている坐像は特別な展示方法となっていた。 1階の入り口から一番奥の独立した部屋。戒律の普及に重要な役割を果たした3名の坐像が静かに展示されていた。一人は弘法大師(空海)坐像。入口から見て右に鎮座して…

伝獅子吼菩薩立像 唐招提寺

京博の1階の展示は特別展のテーマにあった巨大な仏像が出迎えてくれてる。ここ最近は安祥寺の五智如来坐像が不動のセンターとして君臨して、その周りの像が入れ替わって展示が変わっていた。 唐招提寺にも大きな仏像がたくさんあるが、その中で国宝の伝獅子…

筆附状 俊芿筆

鑑真和上がもたらした戒律は時代の変化があるごとに見直されている。真言律宗の西大寺中興の祖である叡尊は慈善活動に力を入れて信仰を集め、生きてる間に坐像にされるほど尊敬されていた。その少し前に活躍した 俊芿もまた戒律の重要性に気づいた一人である…

観世音寺資財帳 東京芸術大学

後半に訪れたかった理由の一つは資財帳の展示があるから。 国宝の中の分類で資財帳は、4つが指定を受けている。一つは4月に訪れた観心寺の縁起資財帳。広隆寺には縁起資財帳と資財交替実録帳の2点が国宝指定されている。そして、今回の展示会に出展してい…

金銅舎利容器 (金亀舎利塔) 唐招提寺

凝然国師こと鑑真和上が亡くなって700年の大遠忌だから実現した展示会。出展リストを見ると後半に訪問したくなるラインナップだったので、前半はパスしたが、それが裏目に出た。昨年の経験を全く生かすことなく、緊急事態宣言が発せられて休館となってし…

婦女遊楽図屏風(松浦屏風)

大和文華館は昨年の開館60周年記念の展示会以来の訪問である。この時に大和文化館所有の国宝を一度にすべて観ることができたが、所有物の名品の一挙展示だったのでそれぞれの陳列物が点々と配置されていた感じがした。そこで、今回のテーマである時系列で…

薬師如来座像 法隆寺

聖徳太子と法隆寺展の見学ルートは普段の逆になっているので最後のエリアが新館東館となっている。一番広く高さのある部屋は法隆寺の良い所を集めたテーマパークのような配列となっている。法隆寺から借り受けた貴重な品々を明るい空間で目の前で観ることが…

聖徳太子および侍者像 法隆寺

聖徳太子と法隆寺展の目玉展示は聖徳太子および侍者像だ。年に数回、決まった日に公開されるものの奥まった厨子内にあるためじっくり見ることは難しい。今回の展示では背面に壁があるものの、厨子内に比べてじっくりと見ることが出来る。 訪れた時はたまたた…

法隆寺献納宝物 東博

ゴールデンウィーク直前から奈良国立博物館で始まった聖徳太子と法隆寺展。夏ごろに東京国立博物館への巡回展だが、奈良博で観ておきたい博物館サービスがあったので出向いた。 国立博物館の中で、東京・京都・奈良・九州の4ヶ所は数年前までプレミアムパス…

不空羂索神変真言経 三宝院

高野山霊宝館開館100周年記念大宝蔵展「高野山の名宝」Ⅰ期は新館でも武田信玄にまつわるものが展示されていた。武田信玄と言えば恰幅の良い禿げ上がった像が有名だが、その現物が登場。信玄所持の丸頭巾形冑や五鈷鈴(松虫鈴)、そして真田幸村(信繁)像や…

文館詞林残巻 正智院

文館詞林残巻は高野山の塔頭寺院・正智院と宝寿院が所有している。それぞれのものが国宝にしていされている。Ⅰ期には正智院のもの、Ⅲ期には宝寿院のものが登場する。 唐の時代に編纂された勅撰漢詩文集で、漢から唐初までの詩文を収めている。隋唐以前の文学…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。