国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【法隆寺】五重塔

日本最古の五重塔。法隆寺と言えば金堂と五重塔の並列伽藍。中に仏舎利が納められており、搭本塑像で信仰心を分かりやすく解説している。昔からの金網で護られていて、中も暗くて見にくい。こちらも改善する良い機会だと思う。 さて小さい頃、京都を表す絵に…

【法隆寺】金堂

法隆寺の寺宝の仏像で一番人気が鎮座しているのが金堂。薬師如来像、阿弥陀三尊像、天蓋の天人と鳳凰、吉祥天、四天王像、そしてその中心に釈迦三尊像。スーパースターを総なめにしたお堂。そのお堂の一番上の屋根を支える柱には龍や獅子の彫刻が彫られてお…

【法隆寺】中門

2017年現在は修復・補修工事中の中門。慶派っぽい阿吽像が並び立つが東大寺の大門の迫力には及ばない。できれば、飛鳥風に作り直してほしいのだが、そうはいかないのだろう。

【法隆寺】南大門

国宝展で200以上の国宝を観た。 日本国内でこれに匹敵する国宝を一か所で観ることが場所はあるか?それは東京国立博物館と法隆寺である。 東博は所有数国内最大級。定期的に国宝を公開することが仕事のような施設である。 一方で、法隆寺は建物だけで18件…

回顧 国宝 京都国立博物館

ついに国宝展が終了した。残暑がそれほど残らなかった今年は展示会で長蛇の列を待つには絶好の気候だった。ただ、雨が多く、特に週末に降られた。それでも60万人を超える来場者数は国宝を210件も集めた成果だ。 8週間の展示で、一番人気は金印だった。…

池大雅

長いようで短かった特別展。8週間に渡った国宝展が本日をもってフィナーレとなる。次回、京都で国宝展があるならば、旧館とのコラボとなり、一度に観られる作品は多くなることだろう。ぜひ、その時は今回叶えられなかったコラボをいろいろ観てみたい。 その…

【国宝】燕子花図屏風 尾形光琳筆

琳派の最高傑作のひつとで、Ⅳ期最大の見世物。尾形光琳の燕子花図屏風が100年ぶりに京都へ帰ってきたと喧伝しているが、これだけ交通網が発達した時代なのだから、その気があれば帰って来られただろう。 宗達の風神雷神図よりはましだが、近くで観ると劣…

【国宝】十六羅漢像 清涼寺

国宝展は複数品指定のものが1点だけもしくは会期を分けて出品されているケースが多い。スペースが限られているためだ。また、肖像画の伝源頼朝などのように1面を占拠して、すべての指定品を一度に見せる方法もある。 ところが、2面を使って一度に全部見せ…

【国宝】孔雀明王像 東京国立博物館

Ⅳ期の楽しみの一つは孔雀明王像が2点出ていることだ。仁和寺と東博所有のもので、2階に展示している。ただ、仏画と中国絵画とエリアが離れているので、往復して見比べる必要がある。 仁和寺のものは信仰の対象として、寺院内に掲げられたりしているためか痛…

【国宝】水色巒光図 伝周文筆

周文は雪舟の師匠にあたる。その周文が描いたとされる2作もそろい踏みで展示されている。山水画の基本に忠実で、ともに空想の理想郷の中に山荘が描かれている。隠居して住みたくなる風景となっている。

【国宝】伝藤原行成筆仮名消息 鳩居堂

国宝ファン垂涎の作品。なかなかお目に掛かれない逸品。龍光院の曜変天目と並ぶ、会いたくても会えない国宝である。書跡なので派手さは全くない。今回を解禁年として定期的に展示会へ出品してほしいものだ。

【国宝】一字一仏法華経序品

寺院に写経を奉納することは多く、国宝指定を受けているものも多い。その中で、写経なのにかわいらしいのはこれだけかもしれない。 写経した文字一字に対して、一つの仏を描くことで、写経に対する熱心さを表している。その意気込みに対して、仏がすべてかわ…

【国宝】薬師如来坐像 仁和寺

大乗仏教の場合、多くの人に観て拝んでもらう必要があるので、人の大きさより大きい仏像がほとんどである。奈良・東大寺の廬舎那仏などはロボットアニメもビックリな大きさとなっている。一方で、小さな仏もある。これも東大寺の誕生釈迦仏立像は50センチ…

【国宝】周茂叔愛蓮図 狩野正信筆

狩野派の祖とされる正信の作品。息子の元信が土佐派の娘を娶ったことで、大和絵の技法を得て、狩野派を確立した。 その前の絵で、狩野派と聞いてイメージする派手さはない。8代足利義政の御用絵師として、山水画の基本をきっちりと固めた絵を納めた。同じ部…

【国宝】白糸威鎧

国宝展では3種類の鎧を順次展示してきた。赤と紺はすでに終了。二つとも保管状態がよく、美しい加工技術が印象的だった。ところが、白は少し違う。加工技術はこれまで見てきた2つと比較しても申し分ない。だが、その加工している糸に文字が書かれている。ま…

【国宝】両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅) 教王護国寺

大陸より空海が持ち帰った密教。その真理が曼荼羅にある。立体的に表現することがもっとも表しやすいようだが、大きな空間と製作期間が必要なこととと持ち運びに不便だ。 そこで図解したものが曼荼羅図である。言わば3次元表現を2次元にしたものである。これ…

【国宝】懸守 四天王寺

今も昔もかわいいものはかわいい。懸守は現在のお土産屋で売っていても手に取りそうなかわいさがある。根付や印籠、香合など小さいけれども細工を凝ったものが多くある。その先駆けとなるものだろう。数年前に根付ブームが来たように、懸守ブームが到来する…

【国宝】梅蒔絵手箱

今年の梅雨時に六本木・サントリーミュージアムで開催されていた展示会で大量の蒔絵手箱を観た。その中でも同ミュージアム所有の浮線綾螺鈿蒔絵手箱は単体でショーアップされた展示がなされており、修繕を終えた姫が帰還したぐらいの風格があった。 古美術ば…

国宝 Ⅳ期 観たい・コラボ

いよいよ残り2週間。東博での国宝展は十数年ごとに開催されるだろうが、京博(奈良博でもよいが)での開催は、数十年先となるかもしれない。来場者数40万人超えは確実で、今年ベスト5には入るだろう。 閉会を惜しみつつ、感傷に浸っている場合ではない。Ⅳ…

【国宝】搨王羲之書(孔侍中帖) 王羲之筆

書聖・王羲之の摸本。聖とあがめられるのだから、その書は一目しただけで誰もが素晴らしいと納得するものだと思っていた。ところが、草書が走り書きのように見えて、これまで見た固い楷書体の墨蹟類の方が筆の達人のように思えた。 空海の書でもそうだが、1…

【国宝】鶉図 伝李安忠筆

鶉は愛玩動物として古事記にも登場していたぐらい昔から飼われていた。また、鳴き声もよく、江戸時代には武士の間で鳴き声を競う「鶉合わせ」なるものが開催された。 そんな馴染み深い鶉だが、中国でもおなじように人気があり、それを題材にしたのが同図であ…

【国宝】雪松図屏風 丸山応挙

等伯の松林図とは対極をなす力強さ。狩野派の描く荒々しい太い幹とは一線を画す繊細さ。太い幹に繊細さを兼ね備えたハイブリット型の松図である。 そもそも松の幹になる部分は下地のままで、なにも描かれていない。風景の基礎となる金泥を塗る段階で幹となる…

【国宝】源氏物語絵巻 柏木

2年前、徳川美術館開館80周年記念で、源氏物語絵巻国宝全巻を展示する企画展があった。五島美術館のものと合わせて展示する企画で、徳川美術館が西暦で末が5の年、五島美術館が末が0の年に行われているそうだ。つまり5年おきに開催されているようだ。 今回…

【国宝】不動明王像(黄不動)

曼珠院の秘仏。傷んでいたため、最近まで保存修復作業を行っており、久しぶりの展示となった。腹部分に清めのための仏画の痕跡が修復作業中に見つかったことは大きなニュースとなった。 それを確認できるかじっくり観察したが、予想通り分からない。なにせ修…

【国宝】松林図屏風 長谷川等伯筆

南宋画の影響を色濃く受けた長谷川等伯。山水画が中国のまだ見ぬ風景であるのに対して、松林図は日本の見ることができそうな風景である。最小限の書き込みにも関わらず、奥行きだけでなく温度まで感じる。もし、周りに人がいないところで見つめ続けたら、絵…

【国宝】短刀 銘 左/筑州住

美術館や博物館で何本も日本刀を観てきた。それでも刀を観ただけでよさや違いが分からない。 刀や装飾類を含めて100を超える国宝指定がある。装飾類は圧倒的な芸術性で指定されることで納得できる。平安期までの古刀も貴重性で指定されており分かる。とこ…

【国宝】真草千字文

パソコンやスマホで文字を打つことがほとんどになったため、文字を書くことがほとんどなくなった。読み書きそろばんが勉強の基礎だった時代から、読み打つエクセルの時代に変化した。 真草千字文は書道の手本書。楷書と草書がそれぞれ書かれていて、それを見…

【国宝】油滴天目

油滴天目について観たことを書く予定はなかったが、気になったことがあった。 曜変天目に大興奮していたⅡ期。京博でも展示に力を入れて工夫していた。とくに曜変の輝きを自然に近い状態で見てもらうため、照明を自然光に近いものを真上から特別に設えて展示…

【国宝】十二天像

国宝展ならではのコラボ、西大寺と京博所有の十二天像が一度に観ることができる。とくに火天は両方のものがⅣ期まで出品。戦火を逃れて現存する平安仏画は大変貴重である。前期で観た阿弥陀信仰とは違う、黄道信仰とでも言える天文学と地学を合わせた信仰が日…

【国宝】観音猿鶴図 牧谿

大徳寺は一休禅師が修行した禅宗寺院である。織田信長の菩提寺があったり、千利休が自害した原因となった山門があるなど武家と関係の深い寺社である。ちなみに龍光院も大徳寺の塔頭寺院である。 そんな大徳寺では毎年10月の第2日曜日に大徳寺では寺宝の虫干…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。