国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

三帖和讃 親鸞筆 専修寺

教行信証を見た後にも親鸞晩年の作品が続く。専修寺が所蔵する三帖和讃は仏や菩薩、高僧の徳を賛辞している。特長は教行信証が漢文調であるのに対して、三帖和讃は日本語(和語)で書かれた讃美詩となっている。三帖とは浄土和讃・浄土高僧和讃・正像末浄土和讃のことで、一部に親鸞の真跡とされる部分がある。

親鸞鎌倉時代の時代の僧侶であり、平安貴族の文化である和様は教養として知っていたと思う。しかし、異端の宗教家でも比叡山で学んだこともあり、教義に関しては漢文文化を出することは出来なかった。一方で、庶民に布教するには小難しく大上段に構えた伝え方では理解が進まない。当時の一般庶民はほとんど教養はなく、文字すら読めない(絵因果経は生まれたもの文字なしで伝えるためだ)。そこで、分かりやすい言葉と詩にして伝えることで理解が進み、信仰心が生まれやすい工夫をした。日本版の宗教改革の礎が三帖和讃には詰まっている。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。