彫刻
大師の忌日に当たる10月29日に行われる智証大師御祥忌法要に行ってみた。2年前のコロナ禍で初めていったが、声明が寺内に響き渡る厳かな感じが印象に残っていた。 今回は参加者も多く。檀家さんが周りを囲んで、お経が読まれる。10時から開始される法…
奈良国立博物館で開催中の中将姫と當麻曼荼羅を見に行った。展示規模は新西館のみで、4年前に開催された国宝の當麻曼荼羅修復記念・糸のみほとけ展に比べると縮小していた。 この規模縮小で空いた新東館では、はっけん!ほとけさまのかたちと題した企画展が…
さて、大安寺展も残り1室。寺宝の数々がお目見えしていたが、この部屋には神社のお宝が出品されていた。なんでも空海が大安寺の別当に補されていた頃に神仏習合が進んだそう。その風潮を取り入れ、大安寺は859年に八幡神を勧請し、八幡宮(現・元石清水八幡…
747年の記録、大安寺資財帳によれば、大安寺には887名の僧が居住していたそうだ。大寺院であっただけでなく、多くの名僧たちが大安寺と関りを持っていた。先に出た空海はもちろん、鑑真を日本へ招請するため唐に派遣された普照と栄叡、空海や最澄と交流のあ…
寶物殿は室生寺の寺宝たちの劣化を防ぐため、保管と保存、そして公開を両立させるために建てられた。なので、一般的な展示用のショーケースでは見せることがない、バックヤードが展示されている仏の後ろに見える。保管と保存を主とすると、展示場所への移動…
室生寺の金堂には本尊で国宝の釈迦如来立像と脇侍で重要文化財の文殊菩薩立像と薬師如来立像が並び、本来ならばそれを護る重文の十二神将が囲むが6体で守護する陣形となっている。 釈迦如来立像は平安前期を代表する仏像で榧の一木造り。もともとは薬師如来…
先日行った浄瑠璃寺の主役は九体阿弥陀仏で、それを守護する四天王像は2体のみが現地にいた。で、調べてみると琉球展開催時は東博で浄瑠璃寺の広目天像が本館で展示されていた。しかも写真撮影OK。現地ではできなかった激写をしまっくった。 浄瑠璃寺では堂…
神護寺のゴールデンウィーク恒例、虫干しによる国宝公開は中止となったが、その代わり多宝塔にある五大虚空蔵菩薩像の御開帳が5月3日~5日にあった。例年は5月13日~15日と10月8日~10日のみに公開されるのが、コロナのため、しばらく中止され…
5月のゴールデンウィークの期間、神護寺では虫干しするため寺宝の数々がお里帰りし、公開されるはずだった。しかし、コロナの終息が見通せないため、中止となった。せっかく、NHK大河ドラマで鎌倉殿を放映されているにも関わらず、伝源頼朝像とご対面するこ…
本堂の中心的存在は大きな阿弥陀如来坐像(中尊)とその脇に六体の阿弥陀坐像が並ぶ。本来は計九体となるところ二体は修繕のためお堂を離れていた。それでも七体が座る堂内は金色にあふれ、暗い堂内も派手やかな雰囲気だった。それに加えて、特別公開として…
木津川市はゴールデンウィーク期間に市内の寺社の特別公開を企画していた。普段公開していない現光寺や大智寺、この機会に回りやすいように海住山寺や蟹満寺など国宝所有寺院も参加していた。この中でメジャーな組み合わせ浄瑠璃寺と岩船寺を回った。 浄瑠璃…
2次元である織物が本尊となっている本堂とは打って変って、金堂には立体彫刻物が並ぶ。 国宝は塑造弥勒仏坐像で飛鳥時代の作品。塑像では日本最古のもの。また、周りを囲む四天王像は持国天立像、増長天立像、広目天立像の3体は日本最古の乾漆像で重要文化…
国宝の十一面観音立像の彫刻は7体指定されている。どれも美しく、見ごたえがある像となっている。聖林寺の十一面観世音菩薩立像の特別公開が東京に続き、奈良も閉幕した。360度、すべての角度から観ることがでるのはこの機会のみで、聖林寺の安住の地へと戻…
聖林寺所有の仏像ではないが、大御輪寺から聖林寺へ行き、その後に法隆寺へと移された国宝の地蔵菩薩立像も東博同様に出品されていた。もともとは同じ釜の飯?を共にした立像が東博と奈良博で再会した。 聖林寺展と名を関するため十一面観音が主役になるが、…
昨年の夏前に東博で開催された聖林寺展が奈良博へ巡回した展示会。東博では高さのある特別5室での展示で、国宝十一面観音菩薩立像が際立つ配置で展示されていた。kokuhou.hatenablog.com 奈良博ではさらに東博にあったショーケースが取り外され、むき出しの…
新年の恒例となりつつある京都国立博物館の当年の干支に関する展示。今年は寅年なので、京博のマスコットキャラクター・トラりんのモデルである尾形光琳の竹虎図がメインビジュアルとなっている。琳派の作品は写実的で派手なものが多い。だが、竹虎図はキャ…
しばらく国宝を観に行けていなかったので、久しく行っていない浄土寺へ行く。奈良博で2017年に開催した快慶展以前に訪れているので、4年以上前に行ったっきりであった。 浄土寺へは直行するバスがコミュニティーバスのみで、そもそも直行バスの本数が少なく…
和歌山では文化祭りが絶賛開催されている。その催し物に合わせて、和歌山県立博物館できのくの名品展が企画されていたので、見に行った。 紀州は全国6位の国宝保有県である。県内に高野山があることが大きい。しかし、霊宝館100周年記念で大半の国宝が登場…
妙満寺から期間限定で道成寺へ里帰りを果たした鐘 道成寺は歌舞伎などの演目でお馴染みの寺。嫉妬にかられた清姫が安珍を道明寺へ追い詰めた。男が身を隠すために鐘の中に身を潜めた。鐘の中に男がいると気づいた姫が龍になって蒸し焼きにしたとの伝説が有名…
東博での最澄と天台宗のすべて展の最後コーナーにしてインパクトが最もあったは深大寺の彫像である。 国宝の釈迦如来倚像は以前、現地まで見に行った。東京都内とは言いつつも郊外にある寺院で電車の駅前とは遠く離れていることから再開発とは無縁ののんびり…
延暦寺第5代座主・円珍は最澄の孫弟子にあたる。初代座主である義真の弟子で、12年間の籠山行や唐へも渡って修行し、黄不動や新羅明神像等の美術品も日本にもたらした。しかし、同じく最澄の弟子である円澄が第2代、続けて最澄の代講を任された円仁が第3代…
10月5日、転害会のメインイベントはこの日だけの勧進所の特別公開だ。 勧進所は大仏殿の西が側にあり普段は固く門を閉ざしているので人通りも少ない場所だが、この日だけは大仏殿を尻目に勧進所に向かっていた。600円を志納して、いざ中へ入る。 コロナ対…
京都の向日市は面積が7.72平方キロメートルしかなく、市では西日本では最小、全国でも3番目に狭い。 国宝仏像のある願徳寺は、JR向日町駅もしくは阪急・東向日駅から出るバスに乗り、なだらかな山道を登って最寄りバス停から歩いて20分ぐらいの場所にある。…
奈良博三昧は写真撮影がOKだった。展示会を振り返るために図録を買えばいいのだが、自分で撮った写真も思い入れがあって見ていて楽しめる。 あと、自分で撮れることから図録にはない、色々な角度からの写真撮影ができる。普段は見ることすら難しい仏像の背後…
京の国宝展のメインビジュアルを飾るのが東寺の梵天坐像。1階の彫刻が置かれている部屋には、いつもの安祥寺の五智如来坐像が中央にあり、その脇に大きな彫刻、ショーケースに入る小さな彫刻は正面に配置している。 東寺の彫刻と言えば兜跋毘沙門天が門外に…
1年遅れで東博で開催された聖林寺十一面観音展は、特別5室という本館中心にある部屋での開催となった。本館は口型の回廊で常設展が開催されているので頻繁に訪れるが、口の字の真ん中に当たる特別5室は2階部分まで吹き抜けであまり使われない。今回の展…
京博の向かいにある三十三間堂からは二十八部衆立像の婆藪仙人・摩睺羅が登場。三十三間堂では圧倒的な数の前に、彫刻の一体一体までは観る気力がでない。個別展示ではじっくりゆっくり観ていきたい。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
浄瑠璃寺の各仏像が修繕期間に入っている。その為、修繕の前後で展示されることが増えている。山奥にある寺院なので気軽に見に行けないのでありがたい。全部の修繕が終わった後に、寺院へ一度は見に行きたい。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
総勢52名の菩薩オーケストラの2躯が展示。平等院では半数の26躯が常設展示されているので、会いに行けるアイドル集団でもある。仏像は立像にしろ、坐像にしろ、人々を導くため地に足をつけた重量感がある造りとなっている。一方で雲中供養菩薩像は彫刻で浮…
2015年、醍醐寺所蔵の重要文化財・聖観音菩薩立像が、調査と研究でにより、尊名と伝来が判明。あらたに虚空蔵菩薩立像として国宝指定された。最近の指定される国宝では、補修や学術調査などで来歴が証明されて、改めて指定を受けることがよくある。しかし、…