画聖(カリスマ)の誕生と銘打った京博の雪舟伝説。大陸へ渡った際に描いた雪舟の作品が東博所蔵の四季山水図で、3階で展示している国宝6件と一緒に陳列していた。四季山水図には自己主張強めに日本禅人等楊の款が書かれている。日本から渡来した禅僧ではあるが、だれにも負けない山水画を描くことが出来たという雪舟の思いが感じられた。
誕生があれば死亡もある。雪舟は死期までも作品において確認させている。雪舟筆の国宝・山水図では、以参周省と了庵桂悟が賛を書いている。その中で、雪舟への追悼が書かれていることから、作品が書かれたあとに、失くなっていることが分かる。気難しいイメージがある雪舟だが、死を悼むくらい慕われていたのだろう。虎は死して皮を残し、人は死して名を残し、画家は死して作品を残す。伝説は死後のオマージュ作品の多さから誕生している。