国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【東博150年】梨地螺鈿金装飾剣

町田久成が書いた「博物局」 第1会場の鑑賞を終えて、ミュージアムショップブレイク。特別展ではオリジナルグッツが大量に販売されるので、買い物客でごった返すことが多い。その対策として一人1回の購入のみに限定にすることで混雑回避していた。しかし、…

【東博150年】舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦作

法隆寺献納宝物、考古、漆工のコーナーは中心に漆器、周りを囲むように法隆寺献納宝物と考古の国宝たちが並ぶ。ただ、漆器を展示する空間を演出するためか、大きな柱や幕などで仕切りがあり、全体的に見学できるスペースが狭くなっており、混雑していた。 法…

【東博150年】古今和歌集 (元永本) 上帖

NHKでは「東京国立博物館のすべて」に合わせた番組が矢継ぎ早に放送されている。BSプレミアムでの開幕直前の会場での内覧生中継を皮切りに、英雄たちの選択、歴史探偵、日曜美術館と切り口を変えて紹介した。そして今後は、チコちゃんに叱られる!で取り上げ…

【東博150年】平治物語絵巻 六波羅行幸絵巻

東博150年記念展第Ⅰ期の一番人気は平治物語絵巻だった。第1会場から次へとつなぐスペースに陳列していた。長めに展示してあったがどこも見物の列が途切れることがなかった。逆に普段は人気の高い雪舟作品が端へと追いやられ、注目を浴びていないのが新鮮だ…

【茶の湯】曜変天目 龍光院

京博で開催中の茶の湯展の最初の2週間。龍光院所蔵の曜変天目がお目見えしていた。以前、藤田美術館の学芸員が「国宝の曜変天目は公開がなぜか近接した時期になることが多い」と言っていたが、まさにその通りとなっている。4月にリニューアルオープンした…

【東博150年】鷹見泉石像 渡辺華山筆

待ちに待った東京国立博物館150周年記念展示会「国宝 東京国立博物館のすべて」が開幕。テンションマックスにて馳せ参じた。その陰でデジカメの設定確認を忘れてブレブレの写真となった。 入場は時間予約制なのだが、入る時間の指定だけなので昼前の入…

【茶の湯】大井戸茶碗 銘喜左衛門 孤蓬庵

メインビジュアルにもなっている茶碗、銘喜左衛門・大井戸茶碗は大徳寺の塔頭寺院である孤蓬庵が所蔵している。ちょうどこの数カ月前に特別公開をしていたので訪れたばかり。その時にはさすがに茶碗は見ることができなかった。 孤蓬庵は小堀遠州が自身のため…

【東博150年】普賢菩薩像

本日、開幕する東博150周年記念展示会。東博の国宝89件が一挙公開される。昨年12月の発表から89件すべてについて書いてきたが、今回はそのフィナーレです。 普賢菩薩は白象に乗っているが、当時の日本の絵師は国内に存在しないので象を見たことがない…

【茶の湯】虚堂智愚墨蹟 法語 

東博の150周年記念展示会とほぼ同時期に、京博では茶の湯展を開催している。千利休の生誕500年を祝う企画で、国宝・重文クラスがこれでもかと展示している。 茶の湯展の前期には150周年記念展を控えている東博所有の国宝が登場していた。虚堂智愚墨蹟の法語…

【東博150年】扇面法華経冊子

持ち運びが出来て、実用的、おまけに信心を表現できる。扇面法華経冊子は扇子状の紙に、法華経の一部と美しい日本画が描かれ、奉納されたものだ。巻物状の経典だと長々と写経があり絵は扉絵のみが多い。それが、扇面という限られたスペースにすることで絵画…

短刀 銘来国俊 熱田神宮

JR東海道線の名古屋駅や金山駅周辺はビルが立ち並び都会に来たと感じるが、次の熱田駅に降りると下町感が漂う。熱田神宮の参拝客用に出来た駅だが、参道商店街には昭和が色濃く残っている。一方で、名鉄の神宮前駅の駅ビルは取り壊し中。綺麗な施設が出来上…

【東博150年】餓鬼草紙

六道の一部を切り取った草紙の餓鬼場面。京博と分ける形で所有している。東博ものは、裕福な貴族と飢えに苦しむ庶民の対比に、餓鬼が庶民に苦しみを与えていると表現している。苦しみは鬼の仕業で、流行り病の原因が分からない中世ではこれも鬼の仕業だとさ…

【名物】短刀 無銘正宗 名物庖丁正宗 徳川美術館

徳川美術館の「名物―由緒正しき宝物―」には刀剣女子と思われる人々が多く来場していた。男女比では1:9ぐらいの割合で、改めて根強い人気を確認できた。 名物に展示されている国宝は刀剣ばかり。その中でも個人的に好きな刀である庖丁正宗が出品されていた。…

【東博150年】虚空蔵菩薩像

虚空蔵菩薩像は仏様と天蓋、座る蓮など最低限の形式を整えた絵である。シンプルゆえに画力が問われる作品だが、その名の通り「むなしさ」が十二分に伝わる。平安時代の作品だが、彩色が鮮やかに残っており、製作当時から続く美しさが色あせていないように見…

【名物】太刀 銘長光 名物津田遠江長光 徳川美術館

尾張徳川家の名品を中核にしてできた徳川美術館。すべてが名品の数々だが、その中でも個々に二つ名がついている「名物」を集めた展示会となっている。 名物は歴史に裏打ちされた名や、持主に由来する名、姿から取った名などがある。名物・津田遠江長光は長船…

【東博150年】千手観音像

彫刻の千手観音菩薩は腕の多さからくる立体感が半端なく、近くでまじまじと見てしまう。一方で絵画だと彫刻ほどの立体感は出せない。東博所蔵の千手観音像は立体感ではなく截金による精密な文様が見どころ。平安時代の仏画、いや截金を用いた絵画の中でもト…

太刀 銘 正恒 徳川美術館

徳川美術館では名物と題して、展示会を開催している。国宝刀が数点出ていたので、見に行くことにした。 まず、名品コレクションの展示室では国宝の正恒を展示。古備前を代表する名工で、鎌倉初期の作品。暴れん坊将軍でお馴染み8代吉宗が将軍職を退いた際、…

【東博150年】地獄草紙

草紙は奈良博にも所蔵があり、悪魔的なものを絵によって表現している。東博のものは地獄を表現している。六道絵の一場面である地獄を表すもので、聖衆来迎寺が所有する国宝・六道絵以前に描かれたものである。誰も見たことがない地獄の恐ろしさが伝わってく…

【博覧】飛雲閣 西本願寺

龍谷ミュージアムで開催中の博覧。お題だけ聞いても興味が沸きにくい展示会の企画だ。ただ、この展示会観覧でオプションツアーが申し込めたので、見に行くこととなった。 博覧は明治5年に国内初の本格的な博覧会が京都であった記録を紹介する企画展である。…

【東博150年】十六羅漢像

地味なおじいちゃんたちの絵。羅漢十六名を一人一幅ずつ、計16幅に分けて描いている。各地の仏教関連の展示会に出張展示されたり、東博の通常展でも出ていることがあり、年を通して16名の誰かとは会っている。通期の展示となっているが、4幅ずつの展示に…

白楽茶碗 銘不二山 本阿弥光悦作

国宝の陶器は12個あり、すべて見るには龍光院の曜変天目が一番の難関だと思っていた。しかし、京博の国宝展、MIHOミュージアムの龍光院展、そして、10月に京博で開催される茶の湯展でも展示され、難攻不落どころか数年ごとに公開している。 その代わりで…

【東博150年】孔雀明王像

仏さまが眷属として乗りこなす動物には、大威徳明王の牛や文殊菩薩の唐獅子などがある。その眷属で一番派手なものが孔雀明王。なんといっても鮮やかな羽根を持つ孔雀を乗りこなす。高野山霊宝館には快慶作で彫刻の孔雀明王があるが、黄金に輝く体は派手でお…

秋野牧牛図 伝閻次平筆

泉屋博古館東京で開催されている「古美術逍遥 東洋へのまなざし」展は住友家が集めた名品が揃っている。リニューアルを記念して出版した泉屋博古館名品選99に掲載された半数近くのコレクションが展示されている。 第一室は中国の明から清時代の中国画、第二…

【東博150年】平治物語絵巻(六波羅行幸巻)

東京都美術館で行われているボストン美術館展で、海外に渡った平治物語絵巻の三条殿夜討巻が里帰りを果たしている。この展示会は10月2日までだが、東博では150年展開幕から2週間、六波羅行幸巻が公開される。合戦絵巻の中でも最高傑作のひとつに数えられ…

線刻仏諸尊鏡像

泉屋博古館東京は最寄り駅の地下鉄・六本木一丁目駅からはエスカレーターを乗り継ぐこと数分。高台にたどりつき少し歩くと館が見える。周りが住友グループが建てた高層ビル群に囲まれているため影が多く少し涼しい。ビル群が完成する前は都内を一望できる場…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。