国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

本堂 妙法院蓮華王院

京都国立博物館には企画展や特別展が開かれる度に訪れている。しかし、道路を挟んで向かいにある通称が三十三間堂、蓮華王院にはしばらく行っていなかった。 京都の夏で一番盛り上がる祇園祭が終わった翌週の週末に訪れた。熱さもあって観光客はそこそこの入…

熊野懐紙 「深山紅葉・海辺冬月」 陽明文庫

織田信長が本能寺で亡くなり豊臣秀吉が天下統一を果たし、関ケ原の戦いを経て徳川家康が江戸幕府を開き、泰平の時代が到来した。運命は長寿であった家康に味方した。 幕府を開いた後、駿府で(形だけの)隠居生活をしていた。西洋的な物品を集めたようで久能…

太刀 銘長光 号大般若長光 東京国立博物館

どうする家康の「どうする」は選択肢があって初めて出てくるフレーズ。個人的には武田信玄と相まみえた三方ヶ原の戦いが最大のどうするだったと思う。信玄の病状が悪化し難を逃れたが、当時の家康はどうすることもできなかった。再戦となる長篠の合戦では家…

上杉家文書 米沢市上杉博物館

NHK大河ドラマ・家康に合わせた展示会が巡回中である。梅雨時期に三井記念美術館で開催を終え、家康生誕の地・岡崎へ来ていた。この後、静岡で開催される予定だ。 岡崎の開催場所は岡崎市美術博物館であった。初めて行く場所で、ホームページのアクセスガイ…

五重塔初層内陣扉絵 海住山寺

南山城地域には古刹が多く、古い仏像が残っている。 浄瑠璃寺や岩船寺以外にも国宝の十一面観音立像が本尊の観音寺や、同じく国宝の釈迦如来坐像が本尊の蟹満寺など、仏像好きにはたまらない地域である。恭仁京跡がある加茂駅周辺も見どころが充実している。…

阿弥陀如来坐像 浄瑠璃寺

浄瑠璃寺の阿弥陀如来坐像の修復を終えたことを祝した展示会が奈良博で行われている。聖地南山城(みなみやましろ)と題して、京都と奈良の境目に集まる仏像たちが集結している。 京都と奈良をつなが道は山を越えて移動する方法と、木津川など水運を活用した…

新羅善神宮

大津市歴史博物館館の近く、大津市役所の裏側にあるのが新羅善神宮である。三井寺の管理下にあるが、非常に閑散としている。というより無人の場所だ。県庁所在地の市役所で結構な都心にある国宝建築物であるはずだが、休日に行くと人に出くわすことがほぼな…

智証大師関係文書典籍 園城寺

智証大師関係文書典籍 がユネスコの世界記憶遺産に認定されたことを記念して大津市歴史博物館で緊急の企画展が行われた。 智証大師こと円珍は延暦寺第五代座主で若き頃に密教を学ぶため唐へ渡った。その時に発行された渡航許可書(パスポート)を現代まで大…

番外編 切手 国宝シリーズ 東京国立博物館創立150年

タイミングが合わずなかなか国宝の実物を見に行くことができていない。バタバタしていたが、格安チケット屋で今後の国宝鑑賞のための電車の切符を物色していると、国宝の図柄が印刷されたものがあった。国宝を観ていないための妄想がとも思い、スマホで検索…

無著・世親菩薩立像 興福寺

国宝彫刻の最高傑作は無著・世親菩薩立像だと思う。他の祖師像はどこか仏頂面だが、無著・世親菩薩立像は写実的に彫られた表情がなんともアンニュイでそれでいて玉眼がさらに鋭さを演出している。北円堂内にあるので威厳を感じるが、単独で展示していたら高…

木心乾漆四天王立像 興福寺

興福寺には国宝の四天王立像が4組(16体!?)も存在している。東金堂内にあるのが平安初期の作品。中金堂にある四天王立像が2017年まで南円堂にあったもの。南円堂のものは仮金堂にあったものがスライドして置かれている。この3組はすべて木造である。 …

弥勒如来坐像 興福寺

北円堂の中心に座るのは弥勒如来坐像である。運慶作とされていたが、慶派一門の源慶が中心となって制作されたようだ。写真の看板で右側が弥勒様となっており、南円堂の本堂には不空羂索観音菩薩坐像(左)に比べると装飾が少なくシンプルな像になっている。…

北円堂 興福寺

北円堂は日本に現存する八角円堂の中でも屈指の美しさを誇る。堂内の仏像たちがすべて国宝であり、それを護る建物として相応しい出来栄えだ。 お堂の由緒は興福寺の創建者である藤原不比等が亡くなって1周忌の721年に元正天皇が長屋王に命じて建てられた。…

密教法具 嚴島神社

奈良博で珠玉の仏教美術が開催されていた期間中、広島ではG7サミットが開かれた。各国の首脳は宮島に渡って、厳島神社で記念撮影に応じていた。 奈良博でも厳島神社の密教法具を展示していた。神社でなぜ密教と一瞬思ってしまう。昔は神仏習合が当たり前だっ…

粟原寺伏鉢 談山神社

2023年春の奈良国立博物館での特別展は管内工事の影響で開催がなかった。そのため、西新館での名品展と仏像館のみの営業だった。特別展がないにもかかわらず、館内の来館者数は結構な数で、人気の展示物には少しではあるが人だかりも出来ていた。まあ、…

古今和歌集 伝藤原行成筆 曼殊院

曼殊院の黄不動明王像を見終わったあと、京都国立博物館の企画展を見に行った。古筆とかなの美と題して、曼殊院の寺宝も公開されていたからだ。 古筆とかなの美では京博が所有する国宝で、藤原伊房筆の万葉集と手鑑・藻塩草も展示していた。藻塩草は普段なら…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。