2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
高野山霊宝館創設100周年記念展示会では真言仏教の至宝が惜しげもなく出品され、目を楽しませてくれた。その中で、一番煌びやかな仏画が伝船中湧現観音だった。 伝船中湧現観音は空海が入唐の際、嵐を鎮め、航海の安全を守るため出現したと伝えられる。空海…
雪舟が画家たちの憧れの対象となった作品は毛利家所蔵の四季山水図巻があったことが大きい。中国地方の名門・大内家の庇護のもと、雪舟は画業に励んだが、戦国時代の下剋上により盟主は毛利家へと移った。その際に毛利家が入手したであろう山水図は雪舟の記…
奈良博で開催中の「空海 KUKAI - 密教のルーツとマンダラ世界」。展示会の中盤に差し掛かってようやく今回の主役・神護寺の両界曼荼羅が登場した。奈良博で巨大な曼荼羅図を展示できるショーケース(そのために作ったとも思える)が西新館にあるため、導線…
画聖(カリスマ)の誕生と銘打った京博の雪舟伝説。大陸へ渡った際に描いた雪舟の作品が東博所蔵の四季山水図で、3階で展示している国宝6件と一緒に陳列していた。四季山水図には自己主張強めに日本禅人等楊の款が書かれている。日本から渡来した禅僧では…
請来目録は大陸からもたら(輸入)した品目を箇条書きで記したもので、歴史的価値があるとして伝教大師将来目録とともに国宝に指定されている。目録の他に同じように資材帳なども国宝の指定を受けているが展示される機会はそれほど多くない。なにせ、地味だ…
つつじが見ごろとなっていた京博。至る所で咲いており、白黒の水墨画を見た後だと、華やかさが倍増して見えた。 さて、雪舟は室町時代の水墨画家で、相国寺の周文に水墨画を学んだ。周文は如拙から室町幕府の御用絵師を引き継ぐ技量があったが、相国寺内では…
奈良博で開催している「空海KUKAI―密教のルーツとマンダラ世界」は第3章でようやく空海関連の宝物が登場。前期のみ出品だが、聾瞽指帰の下巻を展示していた。24歳の頃に執筆したとされる書なので、密教との接点のない時代の著作物である。唐に渡り、密教…
2024年春の京博特別展はずばり雪舟伝説。雪舟の国宝6点をすべて展示。しかも、全期間(開催期間は短いが)で公開される。国宝だけでなく雪舟作の重文や最近見つかった倣夏珪山水図など、雪舟のすべてと謳ってもよい展示会となっている。ただ、雪舟だけの展…