陶器
2025年に大阪で開催される万博を前に、 大阪市立東洋陶磁美術館はリニューアル工事を行っている。再開は24年春を予定していることから、同館所蔵の名品たちが各地へ巡回している。 この巡回で最も気合の入っている展示会となりそうなのが泉屋博古館東京で3…
響きあう曜変天目。 国宝の曜変天目は公開がどこかであれば、それに呼応して別の曜変天目も展示されることが多い。 今年4月に藤田美術館がリニューアルオープンしたことを記念して、曜変天目が公開された。この秋には京都国立博物館で開催中の茶の湯展で龍…
京博で開催中の茶の湯展の最初の2週間。龍光院所蔵の曜変天目がお目見えしていた。以前、藤田美術館の学芸員が「国宝の曜変天目は公開がなぜか近接した時期になることが多い」と言っていたが、まさにその通りとなっている。4月にリニューアルオープンした…
メインビジュアルにもなっている茶碗、銘喜左衛門・大井戸茶碗は大徳寺の塔頭寺院である孤蓬庵が所蔵している。ちょうどこの数カ月前に特別公開をしていたので訪れたばかり。その時にはさすがに茶碗は見ることができなかった。 孤蓬庵は小堀遠州が自身のため…
国宝の陶器は12個あり、すべて見るには龍光院の曜変天目が一番の難関だと思っていた。しかし、京博の国宝展、MIHOミュージアムの龍光院展、そして、10月に京博で開催される茶の湯展でも展示され、難攻不落どころか数年ごとに公開している。 その代わりで…
藤田美術館は2022年4月にリニューアルオープンした。よくある建物が変わらず中の設備だけ変わるリニューアルではなく、建物を一から作り直す新規の美術館として誕生した。ブリヂストン美術館がアーティゾン美術館へ生まれ変わったのと同じぐらいの出来栄え…
国宝の中でも出るだけで目玉展示となるものが何点かある。たとえば金印はあの小ささなのに、拡大した図柄がパンフレットに必ず載る。興福寺の阿修羅像も人気が高まり出展されればメインをはる。そして、今回も展示会のメインを勤めることになったのは曜変天…
2020年秋に東博で開催された桃山時代をテーマとした展示会は大盛況で幕を閉じた。その余勢をかってか、大阪市立美術館では豊臣をテーマに展示会を開催している。ピンポイントの内容ではあるためか、こじんまりとした内容となっている。 入口付近にはこの展示…
昨年の2020年は三菱財閥設立150周年を迎え、節目の年であった。しかし、コロナの影響で目立つ活動は自粛され、お祝いムードは消えてしまった。 節目に合わせての決断が少し消化不良になっているのが、静嘉堂文庫美術館が世田谷から2021年6月6日を以って移…
2019年秋に渋谷区立松濤美術館で行われた和泉市久保惣記念美術館の名品展。記念館が所蔵する陶器や日本画が出品され、楽しませてもらった。今度は所蔵館で観たいと思い、現地まで行った。 記念館は新大阪駅よりか関空の方が近い和泉市にある。電車だと泉北高…
三井記念美術館開館15周年を記念した展示会「三井家が伝えた名品・優品」の第2部・日本の古美術が8月いっぱい開催している。7月は第1部として東洋美術の名品・優品がずらり。8月は日本美術と二部構成となっていた。 日本美術の名品には国宝・重文が多…
国宝指定を受けている陶器は14点しかない。そのうちの2点を所有・公開しているのが大阪市立東洋陶磁美術館である。 美術館は大阪市の中心・中之島にあり、陶器専門に展示を行っている。コレクションの原点は戦前から続く総合商社の安宅産業コレクション。事…
美術品において運命的なつがいは石川県立美術館で観ることができる。。 野々村仁清の色絵雉香炉は雄雌が一対となって展示されている。展示の仕方もあるのだろうが、一目見て雉なのにおしどり夫婦とはこのことだと直感してしまう。それが何度も訪れて同じ思い…
岡崎公園にある京都市京セラ美術館から歩いて行けなくもない相国寺。京都御所の北側にあるので、丸太町通に沿って、御所につけばそのまま通り抜ける形で北上すれば着く。相国寺所有の国宝・玳玻天目茶碗は松江藩の松平不昧が旧蔵していたものである。玳玻盞 …
2020年も静嘉堂文庫美術館で曜変天目茶碗がお披露目された。宋磁の名品を集めた冬の展示で、白地、黒釉、三彩、翡翠釉、青磁と様々な種類の磁器を展示している。 磁器の展示で、静嘉堂文庫の名品となると曜変天目をおいて他にない。昨年は国宝の曜変天目…
明治維新後、国家のため事業活動に邁進してきた三菱財閥。三井や住友に比べて歴史がないためか、文化財では一級品を集めている。戦後になって、三菱の美術品は各テーマ別に振り分けられて美術館に納まっている。 三菱創業150周年記念 三菱の至宝展はこれまで…
「石川の美術〜美術館創設60年のあゆみ~」と題して、石川県立美術館で所蔵品の選りすぐりを一挙展示している。石川県、もとい加賀藩は徳川幕府への恭順を示すため、武力に繋がらない伝統工芸品の作成に藩として力を入れた。そのため、今日でも素晴らしい工…
奈良博 藤田美術館展 現在改装中で2022年のリニューアルオープンを目指す藤田美術館の至宝を集めた展示会が奈良国立博物館で開催されている。リニューアルに際して、その費用をねん出するために所蔵のアジアの美術品を売りに出し、300億円もの資金を…
一昨年の国宝展では第2期の目玉であった龍光院所有の曜変天目茶碗がMIHOミュージアムで早くも再登場。行列必死の展示会へ行く。開始して2日間目、MIHOミュージアムは桜が絶景のためその前で、国宝展並みの来客はなかったが、それでも開場前に100名を超える…
熱海にあるMAO美術館は3年前にリニューアルして以来、冬の時期に所有する国宝3点を一度に見せる展示会を開催している。 熱海駅からバスで数分。山道を登った海が望める見晴らしの良い場所に美術館はある。バス停入口からはエスカレーターを乗り継ぐ必要…
陶器類の国宝指定は14件しかない。その中で国産は5件でその一つにあたる。 そして、陶器類で偶然見つかったものはこれをおいてほかにない。昭和17年4月に土取り工事中に発見された。平安時代に火葬骨を納めたものと推測される。 渥美焼で、綺麗な文様が印…
油滴天目について観たことを書く予定はなかったが、気になったことがあった。 曜変天目に大興奮していたⅡ期。京博でも展示に力を入れて工夫していた。とくに曜変の輝きを自然に近い状態で見てもらうため、照明を自然光に近いものを真上から特別に設えて展示…
今回の展示会で一番観たかったもの。それが龍光院の曜変天目茶碗だ。京博も力が入っており、各階に曜変天目は「1階陶器にある」との看板。陶器の入口は近くで観るためと、その他の作品と遠くから眺めるための2通路を設けるなど、混雑をいかに回避するか入念…
予想通り、龍光院所蔵の曜変天目の出品が発表された。Ⅱ期のみ、たった2週間。次回、いつお目見えするかと思うと無理をしてでも見に行くべきだ。(長蛇の列は必至) その他の龍光院所蔵品と合わせてⅡ期は龍光院展といっても過言ではない。Ⅱ期前半は雪舟勢ぞろ…
「国宝」展は出品作品がすべて国宝という縛りがある。また、2017年の展示は12ジャンルごとに展示する試みで、学芸員の交渉の苦労は並大抵のものではなかったと思う。中でも陶磁器は国宝が14点しかなく、おのずと展示できるものが限られている。 その…
東京・アルカンシエール美術財団所蔵の青磁の花瓶。国宝に指定されている陶磁器は14個で、青磁は3個。そのすべてが今回揃う。陶磁器そろい踏みだが、これだけ時期がずれているのが残念。 レア ★★☆ 観たい ★★☆ コラボ ★★☆ 期間 ⅢⅣ 文化遺産データベース
相国寺の宝物館である承天閣の秋展の展示物の一つ、国宝の玳玻天目茶碗が期間中に一時展示されない時期がある。ちょうど国宝展のⅠ期の時期で、おそらくはそちらで展示される。一方、楽焼白片身変茶碗 銘不二山は所有するサンリツ服部美術館で国宝展の開催期…
東洋陶器美術館の企画展・宋磁の美では写真撮影が個人利用に限り許されている。(普段は撮影NGです)関東の博物館や美術館では見かけるようになった撮影OK。東京国立博物館などの常設展でも導入されている。SNSへの投稿効果が無視できない時代になったと…
大阪市立東洋陶磁美術館では企画展として宋磁の美を開催中。膨大な陶磁器の寄贈を受けた安宅コレクション(この寄贈を元に美術館を建設した)中から選りすぐりの品々が陳列されていた。そして、所蔵の国宝2点も展示されており、国宝展にも出品される。 飛青…
孤篷庵自体、基本は非公開で数年に1度特別公開されるだけの拝観が難しい庵だ。江戸時代の名造園家である小堀遠州が建てたもので、視線の変化で部屋の雰囲気が変わる工夫などがあり、普通に見ていては気づくことができない小さいながらトリッキーな庵である…