則房は元は吉房と同じ備前の福岡一文字派の刀工だったが、後に備中に移住し片山一文字と呼ばれるようになった 。ふくやま美術館所蔵の則房は同刀工の特徴である刃文が見事に表れているそうだ。また、今でも長さがおよそ77cmあるが摺り上げられており、もとは90cmを超えていたようだ。
今回の展示会ではふくやま美術館の1階のみを使用。小松コレクションを中心に50数点の展示であった。関東で開催される美術系特別展はチケット価格が2000円代となっている時代に、同展示会は1000円で国宝刀9口を見ることができた。自館所蔵品が中心の展示会だとしても破格の値段となっている。この形式で東京のしかるべき場所で展示会をすれば2000円を超えても来場者が殺到するだろう。