国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

金堂 五重塔 法隆寺

法隆寺と言えばご存じ金堂と五重塔の並列の伽藍配置。写真は大講堂から撮ったバックショット。秋空が澄み渡る景色に紅葉がチラリ。正岡子規もこの風景を見て、柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺と読んだのかもしれない。 horyuji-kondohekiga.jp さて、五重塔と金…

釈迦三尊像 法隆寺

法隆寺の大講堂奥にある上御堂は毎年11月1日~3日の期間のみ特別公開される。今年はコロナ禍で多くの特別公開や特別行事が中止されていたが、上御堂の公開は無事に行われた。 法隆寺の寺院建築の多くは国宝に指定されているが、上御堂は重要文化財(それでも…

法語(破れ虚堂) 虚堂智愚

国宝は日本のものばかりでなく、海外から輸入されたものや贈呈されたものも指定される。海外製で圧倒的に多いのが東洋美術である。漢字文化圏にある日本においては、中国大陸らもたらされた東洋芸術は師となるためだ。 東京国立博物館の本館では主に日本の美…

【粉河寺創建1250年】粉河寺縁起絵巻 粉河寺

西国33ヶ所巡礼地の一つである粉河寺が創建1250年を迎えた。それ記念して「国宝粉河寺縁起と粉河寺の歴史」展が和歌山県立博物館で開催していた。 和歌山城の南側に近代美術館と隣接する形で建っている博物館は非常に新しい施設である。ただ、JRと南海の駅の…

本堂 善水寺

湖南三山の内、一つだけ外れた位置にあるのが善水寺。最寄り駅は甲西駅で、バスはこちらも1時間に1本程度だ。 善水寺の名称通り、清らかな湧水が出ており、本堂の横には簡易な池泉式庭園が作られている。国宝は本堂で木造入母屋造檜皮葺で南北朝時代に建立。…

本堂 長寿寺

常楽寺(西寺)から歩くこと15分。山道ではあるが勾配はあるもののそこまで厳しくなく、車も通る舗装された道をひたすら歩く。道の駅のような作りのじゅらくの里福祉パーク館が見えてくるとすぐそばにお寺はある。 入り口で体温測定(機械に不慣れな方だった…

本堂 三重塔 常楽寺

穏やかな秋である。感染症で市中は騒がしいが、山々は季節の移り変わりを例年通り進めている。 昔から滋賀の湖東三山の寺院巡りは有名で、国宝では西明寺の本堂と三重塔、金剛輪寺の本堂があり、以前に訪れたことがあった。この知名度のある湖東にあやかる形…

【埋忠】太刀 銘助包

昨年は福岡市博物館で開催された「もののふの美の系譜」、一昨年は京都国立博物館で開催された「京のかたな」と、大規模な刀の展示が開催され、観に行くことができた。そして、今年は大阪歴史博物館で開催されている「埋忠」を観に行った。 どの刀展でも同じ…

【天平礼賛】石川年足墓誌 大阪府高槻市真上町出土 個人蔵

大阪市廃止法案、またの名を大阪都構想で二分された大阪市で開催されている美術展、天平礼賛はもっと注目されてもよさそうな展示会である。(ちなみに都になることはこの選挙の賛成多数でもないのに、都構想というのはミスリードでは) あべのハルカスを望む…

春秋経伝集解 藤井斉成会有鄰館

有鄰館は謎の博物館だった。 京都・岡崎の絶好の立地にあり、近くには平安神宮を初め、リニューアルオープンした京セラ京都市美術館や京都近代美術館、細見美術館など芸術好きが集まる場所にある。にもかかわらず、行きたくても開いていないことがほとんどだ…

【下阪本の社寺】六道絵 聖衆来迎寺

NHK大河もいよいよ佳境。普通のドラマならば明智光秀の最後が気になるが、大河は史実を元に描いているので本能寺の変があり、羽柴秀吉に討伐される筋書き。大往生場面は麒麟が去る場面で終わるのだろう。 さて、大河の主役であるに光秀に縁がある大津・下坂…

八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作

桃山100年があったからこそ誕生した系譜に琳派がある。俵屋宗達の風神雷神図屏風や尾形光琳の紅白梅図屏風、酒井抱一の秋草鶉図、鈴木其一の夏秋渓流図屏風など、現実と非現実の狭間を行く構図に金箔をここぞとばかりに使用して煌びやさを演出し、支援してい…

太刀 三条宗近 名物 三日月宗近

東博本館13室 「刀剣」はリニューアルを終えて、刀剣女子たちが大挙しても対応できる導線を作った。リニューアル前は普通の展示室同様に壁面及びその延長のL字に陳列棚を配置していたため、人気の刀剣には群がる様に集団が出来ていた。今回は人気のものに…

【桃山 天下人100年】花下遊楽図屛風 狩野長信筆

芸術品や美術品は失われるリスクと隣り合わせとなっている。法隆寺の金堂壁画は不慮の火災により焼損し、金閣寺も放火により焼け落ちてしまった。広隆寺の弥勒菩薩像も右指を折られて修復された。大切に受け継いできた文化財も一瞬の行為が取り返しのつかな…

【桃山 天下人100年】舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦筆

さて、桃山文化の祭典では甲冑や屏風などサイズが大きなものが多く展示している。小ぶりの作品では、三好長慶(後半は足利義輝)、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と同時代に京都を占拠し、天下を取った4名の肖像画が並んでいるのは、とても見ごたえがあった。…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。