国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

春日大社のすべて 赤糸威大鎧

東博で大好評だった春日大社展がこの春に奈良博で開催される。 と言っても、奈良博の目と鼻の先に春日大社があり、東博のような遠方なので観ておきたいとはならない。むしろ、春日大社の国宝館の延長線上的な展示会ではない、奈良博オリジナルな展示ができて…

仁和寺展 千手観音菩薩坐像 葛井寺

来月、東博で開催される仁和寺展。御室派の寺宝が一堂に会する展示会で、一番の見どころはポスターにも登場している葛井寺の千手官能菩薩坐像である。 後半期からの登場で、約400年ぶりに箱根の山を越える来るそうだ。千手観音像は数多あるが、ほんとうに…

【東大寺】金剛力士像

南大門が目立たない理由。それは鎌倉時代の仏像彫刻をけん引した慶派が制作した金剛力士像が鎮座しているからだ。2017年の春は快慶、秋は運慶の展示会が開催され、それぞれ話題となったが、展示会へ行かずとも無料でしかも屋外展示?している立像に会え…

【東大寺】南大門

大仏の大きさに圧倒され、金堂の大きさが印象に残らないのと同様に、南大門もかなり大きいが印象に残らない。大門自体は南禅寺や東福寺など東大寺以外にもいろいろある。どこの寺院でも大門はそこそこ印象には残るアイテムである。東大寺の場合は廬舎那仏の…

【東大寺】廬舎那仏坐像

大は小を兼ねる。大仏は見るからにインパクト大。どの角度にいても大仏が見下ろしているように思え、拝んだことは必ず聞いてもらえそうだ。そこから万人が救いを求め、拝観者を増やす好循環を生むのだろう。美術品というよりも構造物に分類してもよさそうだ…

【東大寺】金堂

東大寺と言えば金堂。大仏を安置している建物で、そのために造られた。ほとんどの見学者が大仏の大きさが印象に残るため、建物の大きさまでは記憶に残らない。現代でこそ、これぐらいの大きさの建物はいくらでもあるが天平時代に見たら、びっくりする以上に…

【興福寺】東金堂

興福寺に行くと一番目に入る建物は東金堂だ。ところが、ほかの建物に比べて装飾がなく記憶に残りにくい。隣に五重塔と仏像を安置している国宝館(食堂跡)があり、正面には南円堂があり、それらに比べると見劣りする。本来は修行の場である伽藍に派手さは必…

【興福寺】北円堂

北円堂は春と秋の特別公開時に内部を見ることができる。ここでは運慶展でも話題となった無著・世親両菩薩立像が安置される。しかし、主役は弥勒菩薩で四天王像が周りを護り、無著・世親は脇侍的扱いになっている。東博では主役級だったが、北円堂では一体感…

【興福寺】三重塔

近鉄奈良駅から東へ進む道からだと三重塔は一番という国宝建築となる。そのためか賑わっている時期ですら人が訪れることが少ない。塀に囲まれていることと、北円堂や南円堂よりも南にあり、下れば猿沢の池が目に入る場所のため目立たない。それでも国宝は国…

【興福寺】五重塔

奈良にある国宝の大半は斑鳩の地もしくは東大寺周辺にある。その中で、興福寺は法隆寺や東大寺に匹敵する国宝を有する。奈良・平安時代の貴族文化を作り上げた藤原氏の支援を受けた寺である。だが、平安末期に南都焼き討ちにあって寺宝は灰と化した。しかし…

【東大寺】重源上人像

運慶展で会った重源上人に2か月ぶりに対面した。展示会場では彫刻としてじっくりみることができた。表情や衣服に至るまでの凹凸が生々しく表現されており、運慶の技術力とその出来栄えに感服した。今回はお堂内で鎮座お姿で拝見。一段高い位置から見下ろす姿…

【東大寺】執金剛神立像

法華堂には興福寺に匹敵するレベルの国宝仏像が安置されている。中心に据えられている不空羂索観音像を初め、金剛力士像、四天王像、梵天像・帝釈天像とどれも仏像彫刻として見ごたえがある。が、それ以上に圧倒される大きさが目を見張る。3メートルから4メ…

【東大寺】二月堂

二月堂は旧暦の2月(現在は3月)に2週間にわたってお勤めが行われる場所で、お水取りやお松明などが行われる東大寺の修行の聖地である。お堂からは奈良市内が一望でき、高い建物がなかった時代だとランドマークであっただろう。東大寺と言えば大仏殿や南大…

【東大寺】良弁僧正坐像

開山堂には東大寺の初代別当良弁僧正の坐像が祀られている。坐像はしっかりとして顔立ちで、高倉健を生き写したような男前だった。特別公開時しかお堂が開かれないため、彩色が残っていて、仏像などとは違い地味な色合いだったようだ。

【東大寺】開山堂

12月16日。東大寺では特別開扉が各堂で行われる特別な日だ。まずは開山堂。東大寺の初代別当の良弁僧正をおまつりしているお堂。最近の解体修理の時の調査で1200年に全面改築したことが分かっている。普段はお堂すら非公開であるが、高台にある二月堂か…

【海住山寺】 五重塔

大和路線の最終地点である加茂駅からバス乗車と、山道を歩くこと小一時間。山の山頂付近に海住山寺がある。寺院の奥には下界を一望できる場所があるが、お寺全体は下界を遮るようにできているため、眺望は望めない。毎年11月に御開帳があり、本尊である十一…

【法起寺】三重塔

法隆寺から北へ20分弱歩くと法起寺へ着く。こちらの三重塔が国宝。斑鳩三塔として法隆寺、法輪寺に塔があり、その一角が法起寺にある。建立が706年頃で江戸時代の修復はあるものの、これだけ高い建物が1300年以上残っているのは奇跡である。近くの…

【中宮寺】菩薩半跏像

中宮寺は法隆寺東院の東隣にある。寺宝の天寿国繍帳は国宝展でじっくり見たので、今回は菩薩半跏像を目当てに中に入る。 半跏像は写真の建物に安置している。ご本尊として薄暗い内陣の奥深くに配置されているため、細部までじっくりと観ることはできないが、…

【法隆寺】伝法堂

法隆寺の国宝建築物17件のラストは伝法堂。東院の北側で中宮寺の建物の一部と勘違いしそうな場所にある。平安時代以前の貴族が暮らした建物で、現存物が非常に少ない。ただ、内覧できないので外壁だけ観ても、時代感が全くわかない。

【法隆寺】夢殿

東院の中心、東大門を一直線に東に進むとある夢殿は八角の建物で救世観音と行信・道詮の像が祀られている。法隆寺の創建、再興した僧の像と人々を救う観音が安置されているということは、ほかの寺院なら別院になりそうだが、創建当時にそうゆう思想がなかっ…

【法隆寺】東大門

南大門や中門に比べると地味な門である。夢殿や中宮寺と行き来する門であること以外にそんなに重要性はなさそうである。日の出の位置にあることから、運気が上がるぐらいの伝説もない。 ところが、国宝に指定された理由が元々は南大門だったことが解体修理で…

【法隆寺】網封蔵

昔の大きな建物には大抵蔵がある。貴重品から季節の季節ものなど日常では使わないものを保管するためだ。寺院でも経典は信仰の中心のため、別に倉を作って大切に保管しているが、それ以外にも保管しなければならないものがたくさんある。東大寺の正倉院も保…

【法隆寺】西円堂

法隆寺の東側は充実した建物群があり、観光客とひっきりなしにすれ違う。一方で、西側はひっそりとしている。三経院・西室ですらチラ見して引き返している人が多い。 最も西北の端にある西円堂は人がほとんどいないと思っていたが、さにあらず。どうも御朱印…

【法隆寺】三経院と西室

三経院 西室 三経院は経を講ずる道場。東側が生活の拠点であったのに対して、西側は修行の場所である。なので、法隆寺に綺羅星の如く保管されている国宝の仏像たちはこの建物にはない。

【法隆寺】聖霊院

法隆寺でここが中心と言っても過言ではない。単なる仏教の信仰の場と違う、聖徳太子信仰の中心的建物だからだ。平安時代後期に聖徳太子像を祀る堂になり、山背王、殖栗王、卒末呂王、恵慈法師坐像と、観音菩薩立像がいっしょに安置されている。秘仏で観るこ…

【法隆寺】食堂

日本最古の食堂。僧侶たちの食堂なので質素なものが出ていたのだろうし、修行の一環なので談笑もなく黙々と食事をしていたのだろう。本来は政所だったものが、鎌倉時代には食堂として使用されていたそうだ。近づくことができず、木々が茂っているため見にく…

【法隆寺】東室

東室は僧侶たちの宿泊施設。伽藍の隣にあり、聖霊院が南に、食堂がすぐ近くにあり修行と生活がワンストップでできる快適空間となっている。下宿先が国宝の建物だったら、さぞや自慢できるだろう。

【法隆寺】大講堂

大講堂は伽藍の頂点にある。講堂は修行の場であり、日常の信仰の対象である薬師三尊像、四天王像が置かれている。南の大門から一直線上にあり、信仰心から来た人が必ず向かう場所となっている。

【法隆寺】回廊

堂や搭、門などの国宝指定は数多あるが、回廊が指定されているのは、東照宮や瑞巌寺など数少ない。その中でも法隆寺はシンプルな回廊であり、装飾がついているその他のものに比べても異質である。

【法隆寺】鐘楼

時計のなかった時代、働くものにとって正確に時を管理することがどれだけ信仰心を高めるかは想像以上の効果がある。寺院は地域の時間管理のために鐘をつく。ノートルダムの鐘に見るように西洋でもそのような習慣がある。 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺と正岡子…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。