漆工
2025年4月19日〜6月15日に奈良国立博物館で開催される「超 国宝 -祈りのかがやき-」の出品予想、漆工と染織編。 決定済みは ・刺繡釈迦如来説法図 奈良国立博物館 ●漆工 ・経箱と袈裟箱はなにかと東博や京博で展示がある。今回もなにかしらの国…
上野に来たら、東博詣では外せない。10月に東博150周年展を控えているので、東博所蔵の国宝の展示はなかったが、寄託品の名品たちがお目見えしていた。 この夏は奈良博で當麻曼荼羅展が開催され、当麻寺関連の国宝を観ることが出来た。現地では東塔と西…
この寺のご本尊で本堂の中心にある根本曼荼羅(当麻曼荼羅)は織物で作られた曼荼羅で国宝指定なのだが、さすがに傷みが激しく別の物に替えられており本堂にはない。いまは奈良博に寄託されており、この夏の特別展でお出ましになるかもしれない。 そして、そ…
京の国宝も後半戦へ突入。メインビジュアルとなっている俵屋宗達の風神雷神図屏風は1週間限定での展示だった。年始のアーティゾン美術館の企画展「琳派と印象派」でも感じたが、期間限定の作品がメインを飾っていると、特別展期間中はいつでも会えると勘違…
展示会企画で見ごたえがあった内容のひとつにサントリー美術館で開催された玉手箱を一堂に集めた特別展があった。漆塗りで黒光りした箱に金細工で花鳥風月を取り入れた絢爛豪華なものが列挙されていた。江戸時代には大名の嫁入り道具として金工細工を凝らし…
霊宝館新館の彫刻が運慶・快慶の名作ぞろいで、高野山の三大秘宝の聾瞽指帰まで登場しているにも関わらず、まだまだ名品が陳列されている。 澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃は千鳥の部分が螺鈿で細工されている蒔絵の櫃。国宝の螺鈿蒔絵の容器類に比べると派手さはない…
桃山100年があったからこそ誕生した系譜に琳派がある。俵屋宗達の風神雷神図屏風や尾形光琳の紅白梅図屏風、酒井抱一の秋草鶉図、鈴木其一の夏秋渓流図屏風など、現実と非現実の狭間を行く構図に金箔をここぞとばかりに使用して煌びやさを演出し、支援してい…
さて、桃山文化の祭典では甲冑や屏風などサイズが大きなものが多く展示している。小ぶりの作品では、三好長慶(後半は足利義輝)、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と同時代に京都を占拠し、天下を取った4名の肖像画が並んでいるのは、とても見ごたえがあった。…
東博の2020年最初の特別展は出雲と大和展。日本の原点である古代王朝の遺物たちを堪能できる展示となっている。 一番のお目当ては秋野鹿蒔絵手箱を見ること。神魂神社を見に島根へ遠征した時に、現物があるものだと思い、出雲大社を訪問。立派な社殿はもちろ…
2007年に開業した東京ミッドタウン。このほど中に入っているサントリー美術館がリニューアル工事で一時休館となっている。つい最近にオープンしたと思っていたが、13年も経っていたとは。時の流れは非情である。 さて、美術館は5月13日にリニューアルを終え…
いよいよラスト。 似たような経箱が続いたが、こちらは箱だけでなく、それを収めていた中身も展示。中には四天王がそれぞれに彫られた板絵で、簡易版で持ち運び式の四天王像。仁和寺には持ち運び式で国宝最小の薬師如来像の彫刻もあり、出先でのお祈りする機…
平安時代を代表する蒔絵経箱。シルクロードを通じて大陸から飛鳥時代から白鳳時代にもたらされた文様が日本様式に仕上がった。その文様は、蔓と葉と花を配して銀を金蒔きでデコレーションしている。さらに蓋裏は宝相華唐草文を銀蒔きするなど、金ぴかでゴー…
空海の真筆で書いてある三十帖冊子を入れるための箱。真言系の宗派はもちろん、書道関係でも注目を浴びる空海の真筆を収めるために、技術の限りを尽くした出来栄えである。貴族たち好む蒔絵とは趣が違い、躍動的に花や鳥、蝶などが描かれており、平安時代の…
籠の網目部分を工芸品として加工し、金銀で鍍金したもの。唐草文様は蔓植物が曲がりくねりながら無造作に伸びていく様を表したもの。古代ギリシャやメソポタミアで意匠として使われていてシルクロードをを通じて、唐・朝鮮半島経由で日本にもたらされた。唐…
藤田美術館展では工芸品に描かれている菩薩やゆるキャラが宣伝ポスターなどに使われている。この絵が描かれているのが仏功徳蒔絵経箱である。 経典を入れる箱は数あれど、箱単独で国宝指定を受けているのは4点(経典の付属として指定はもっとある)。その中…
所蔵品の多い東博では企画展(入場料だけで観ることができる展示)に見たい国宝が良く出てくる。ホームページに年間スケジュールが掲載されるので、観たいものがあれば日程を合せて訪問することができるのでありがたい。 その観たい国宝のひとつであった片輪…
奈良国立博物館は奈良公園の一角にある。ところが、公園がどこからどこまでなのかはわかりにくい。なぜなら公園に整備される以前からある寺社仏閣が多数存在し、境目がない。もともと興福寺の領地だった場所が公園として整備されたためだろう。また、道路を…
今年の梅雨時に六本木・サントリーミュージアムで開催されていた展示会で大量の蒔絵手箱を観た。その中でも同ミュージアム所有の浮線綾螺鈿蒔絵手箱は単体でショーアップされた展示がなされており、修繕を終えた姫が帰還したぐらいの風格があった。 古美術ば…
螺鈿細工の超絶技法を用いているのが時雨螺鈿鞍。蒔絵の場合は時が経つにつれて摩耗などで色が褪せてくる。ところが螺鈿は貝そのものの光沢のため、物理的な破壊がない限り光沢を生み続ける。反面、光り輝く貝殻を加工するのだから、細かくなるにつれて難し…
鞍に螺鈿細工。もはや意味が分からない。そもそも乗馬において慣れた人は鞍など必要ない。乗る安定のために使うのだから、飾る必然性がない。また、座ってしまうと当人は見ることができない。奉納品だから成立する実用性のない豪華さ。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ …
蒔絵の硯箱は実用性に欠ける。壊したり汚したりできない緊張感が筆に伝わり書くことに集中できないからだ。なので、あくまでも飾りなのだろう。現在に例えると超高級腕時計などがそれに該当する。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★★☆ 絢爛実用品 期間 ⅢⅣ 鶴岡八…
漆細工が武家の時代になると宝物用、実用に変化する。愛でて楽しい図柄となり、細工も派手さが増す。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 ⅢⅣ www.mishimataisha.or.jp
黒漆に金箔で文様を描く。極楽浄土を金で描くことで、箱に思想を埋め込む。芸術が宗教のものであった時代の漆細工。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 ⅠⅡ www.kyohaku.go.jp
漆工では厨子のみ用途が少し違うが、ほとんどが実用品の最高峰として作られている。箱や鞍など装飾品を除けばどこにでもある(あった)ものだ。漆でコーティングすることで長持ちさせることができる。つまりは高貴な方がオーダーメイドで長く使う目的で作っ…