国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

弥勒如来坐像 興福寺

北円堂の中心に座るのは弥勒如来坐像である。運慶作とされていたが、慶派一門の源慶が中心となって制作されたようだ。写真の看板で右側が弥勒様となっており、南円堂の本堂には不空羂索観音菩薩坐像(左)に比べると装飾が少なくシンプルな像になっている。弥勒菩薩が56億7千万年かけて悟りを開いて如来となった姿だけに、無駄をそぎ落とした像となっている。身にまとうものはシンプルだが、光背は悟りを開いた景色を表すため手が込んでいる。沸き立つように表現された光の中で小さな天女たちが舞い踊っている。坐像本体よりも、光背の美しさに目を奪われる。ただ、八角形の台座に所狭しと国宝仏像が並ぶ中心に弥勒如来坐像が鎮座しているため遠くて少し見にくい。人がそれほど入っていない時間帯を選んでじっくり見たい彫刻であった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。