大蒔絵展は昨年春からMOA美術館、三井記念美術館と巡回していた展示会で、最後の徳川美術館での開催にようやく行くことが出来た。
行くことが出来たとはいえ、MOA、三井とは展示品が変わっており、コロナさえ治まっていればすべて見に行きたかった。とは言え巡回最後の後期に間に合ったのだから眼福を求めて館内を拝見する。
大蒔絵展は最後の展示室なので、いつもの通り徳川家由来の品を展示する名品コレクション展示室、そして能の世界へと続く。能面や能装束は派手な部類に入るがこの次に蒔絵が待っていることを知ると地味に感じた。
そして、お待ちかねの大蒔絵展。早速、国宝の宝相華蒔絵経箱と神宮寺伝来蓮唐草蒔絵経箱を並べて展示していた。神具や仏具、奉納品を神や仏に捧げるために、最高の技巧を凝らした箱に入れて高貴を出すには蒔絵技術は欠かせない。蒔絵が普及する初期は非日常的なものに利用されていたことが分かる。