親鸞と高田本山展の西方指南抄の全冊公開に行ったが、三帖和讃も公開されていた。1冊のみで京博の親鸞展の初期に展示していた浄土和讃だった。七五調の賛歌として書かれたもので、癖字のオンパレードで読み間違いのないようにフリガナが振られている。弟子の真佛が書いたものに師匠の親鸞が加筆しているのが特徴だそうだ。長寿であった親鸞より弟子の真佛の方が先に他界していることから、親鸞の在世中のものであることが分かる一級資料にもなっている。
真言高田派は本願寺派が親鸞の血縁者を中心に据えているのに対して、親鸞の教えそのものを中心に信仰を募っている。なので、顕浄土真実教行証文類は教えを学ぶ主要著作物で、ワンコーナーで取り上げられていた。また、親鸞が六角堂にて聖徳太子から夢告を授かる由緒から、太子押しの展示物が並ぶ。専修寺が交通の要所にあるので、各戦国大名からの文書が多数展示されるなど、各時代の歴史と交わりがあることが読み解ける良い展示会だった。