国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

金色堂堂内諸像及び天蓋 金色院

金色堂はその名の通り、壁という壁に金箔が貼られて、黄金に輝いている。秀吉の作った黄金の茶室の復元をたまに見るが、その大きさの比ではない。なにせ、中には30体以上の仏像が所狭しと並ぶだけの広さがある。その仏像たちも黄金に輝いているばかりか、須弥壇も嗜好を凝らしている。須弥壇には南洋の海からシルクロードを渡って伝わった夜光貝を用いた螺鈿細工が施されている。黄金の中に螺鈿の輝きが夜空のように輝く。惜しむらくは金堂自体をガラスで覆っていること。水族館であるまいし現代技術なら空調技術で劣化を防げそうなもの。金色堂はコンクリートの建物で覆われ、室内は全体的に暗いので少しでも光があるとガラス面に反射が現れ少し見えにくい。とはいえ、今も二代基衡公、三代秀衡公、四代泰衡公の亡骸が金色の棺に納められ、諸像がそれを護っているので、単なる美術工芸品とは訳が違う。現在も現役の立派なお墓の役割を果たしているので配慮が必要なのだろう。

さて、仏像たちの多くは国宝である。阿弥陀如来像、観音勢至菩薩像、地蔵菩薩像、持国天増長天など31駆が国宝指定を受けている。秀衡壇の阿弥陀如来と二天像のうち1つが失われている。阿弥陀三尊に6地蔵と二天を組み合わせた形式は珍しい。これだけの数が揃うと三十三間堂の観音たちを思い出す。集合した迫力は見ていて目移りするばかりで、個人的には好みでない。グループ押しより個人押し。遠方であることとガラスで見えにくいので、お気に入りの押し仏像までは判断できなかった。いつでも会いにいける仏像であることはありがたい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。