国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

色絵藤花文茶壺 野々村仁清 MOA美術館

奇想の画家・岩佐又兵衛。戦国武将・荒木村重の子で、母方の性である岩佐を名乗り、織田信長の次男である信雄に仕えた。徳川幕府樹立で太平の世になり、絵の才能を開花させ、洛中洛外屏風(国宝・東博所蔵)や豊国祭礼図屏風(重要文化財徳川美術館所蔵)を世に送り出した。そんな岩佐又兵衛(工房)が描いた重文・浄瑠璃物語絵巻全12巻(MOA美術館所蔵)すべてを公開する展示会へ行った。

岩佐の作品は血みどろで殺伐としたシーンが登場する。浄瑠璃物語絵巻は奥州へ下る牛若と三河矢矧の長者の娘浄瑠璃の恋愛譚を絵巻化したもので、今回の東北遠征に縁を感じる。宮中の雅な雰囲気から落ち延びる様、烏天狗が登場するなど人生の浮き沈みから奇想天外な展開まで物語性の高い絵巻物となっている。そのすべてが美しく丁寧に描かれている。又兵衛作の特徴である人物の顔の表情が豊かなところはじっくり見てしまう。

浄瑠璃物語絵巻も良かったがやはりMOA美術館に行くなら国宝とも対面したい。大抵の場合は飾っている野々村仁清の色絵藤花文茶壺を久方ぶりに堪能した。絵巻物が60 メートルを超え超大作のため、茶壷までは体力がもたないようで、独り占めできた。大きな展示室の真ん中に作った単独の個室に飾られているため、人がいなければ集中して見ることができる。よく考えてみると野々村仁清作品のもう一つの国宝である色絵雉香炉(石川県立美術館所蔵)も個室での展示となっており、それだけでも仁清が重宝されていることが分かる。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。