国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

如来堂 専修寺

平成に国宝指定を受けた専修寺の建物。御影堂と共に並び建つ如来堂も国宝となっている。こちらの内装は御影堂に比べると派手さはない(派手なのは派手だが)。御影堂の半分くらいの大きさで、阿弥陀如来を祀っている。

如来堂そのものも禅宗様(唐様)という建築手法で造られているので素晴らしいが、専修寺の建立に至る経緯が残っている点も見逃せない。如来堂建立録には如来堂を建てるための計画発表から完成までの概略経過や、高田派各寺院や門信徒が資金を集めた当時の様子が、年時と共に詳細に記されている。完成年がはっきりしない建物も多い中で、きっちりと経過を書き残し寄附の実態まで迫っているのは、親鸞筆まめを正統に受け継いでいる。

親鸞に関してさほど詳しくはなかったが、各展示会を見て改めて感じたことは探究者であって書きものを多く残したことが、後世の更なる探求につながり、人々の信仰を生んだ。文字の独特さからも見て取れる独創性だけでなく、その根本の支柱となる師匠・法然の教えと浄土の思い、聖徳太子信仰や賛歌など流行を創造させるベンチャースピリットなど、宗教家と言うより研究者兼プロデューサーだったことが分かった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。