国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

粟原寺伏鉢 談山神社

2023年春の奈良国立博物館での特別展は管内工事の影響で開催がなかった。そのため、西新館での名品展と仏像館のみの営業だった。特別展がないにもかかわらず、館内の来館者数は結構な数で、人気の展示物には少しではあるが人だかりも出来ていた。まあ、奈良公園全体が観光地として機能を十二分に発揮して、訪日外国人から修学旅行生、観光客など人だらけで、そのおこぼれかもしれない。

静かな奈良博が好きなので、名品展でも絵画ゾーンや仏像などの後、最終盤に展示している金工細工などゾーンがお気に入りである。情報量の多い展示物たちを見続けて疲れた頃にこのゾーンに来るので、みなさんあっさりと立ち去る。国宝である粟原寺伏鉢に至っては展示の仕方(ショーケースに入れずに生身で展示)もあって、施設の備品の一部ぐらいの感覚で見ないで立ち去る人が多い。伏鉢自体は鉢をひっくり返したものぐらいにしか見えないので仕方ないが、そこに刻まれている文字が大事で、それをじっくり見せるために、敢えてガラスなして展示している。

粟原寺伏鉢は名品展があれば頻繁に展示しているが、薬師寺東塔がリニューアルを機会に古い水煙を目の前で見た後だと組み合わせを想像して楽しめる。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。