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大毘盧遮那成仏神変加持経 (大日経)  西大寺

奈良博で開催中の「空海 KUKAI - 密教のルーツとマンダラ世界」では珍しく西新館第4室が使われていた。4室は東新館から西新館へ移動した左側の部屋で、コロナ禍以降はほぼ使われていなかった。奈良博では比較的狭い部屋だったためだろう。コロナ禍以前は特別展などで映像を流していたのをうっすらと記憶するが定かではない。今回は第2章の密教の源流の展示品の一部が陳列していた。

密教のルーツとして西大寺大毘盧遮那成仏神変加持経(通称:大日経)が出ていた。大乗仏教の経典で、金剛頂経とともに真言密教の根幹をなす経典である。両界曼荼羅では胎蔵曼荼羅の作法や真言密教の儀式を説いている(金剛頂経は金剛曼荼羅を説く)。とはいえ、一般人が読んでもチンプンカンプン。なにか凄いことが書いているのだなと思う程度だった。

第2章で奈良博では斬新な展示方法があった。インドネシア国立中央博物館から借り受けた密教関連の仏像の展示である。円柱形のショーケース内に曼荼羅を組むように段々に仏像を配置。宇宙を思わせる壁装飾で部屋を囲っていた。ほかの展示会では造作物で展示物を派手に演出することは見かけるが、地味な展示?でお馴染みの奈良博で思い切った演出であった。この空間を作るために展示スペースが若干足りなくなっての第4室開放だったのかもしれない。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。