国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

光定戒牒 嵯峨天皇宸筆 延暦寺

延暦寺の根本中堂はリニューアル工事の真っ最中。堂内には所狭しと足場が組まれており、日ごろは絶対に見ることができない屋根の真上からの風景が楽しめる。しかし、堂内でゆっくりと拝むにはいささか足場が邪魔になっている。 今回の東博での展示には根本中…

蝶牡丹螺鈿蒔絵手箱 畠山記念館

今回の展示会で一番派手な作品が蝶牡丹螺鈿蒔絵手箱である。 国宝の箱の中でも屈指の煌びやかさで、細工の凝り様はなかなかのもの。全面が黒漆にも関わらずびっしりと蝶や牡丹の図柄を細工し、部分部分で螺鈿を施すことでゴージャスな箱に仕上がっている。 …

智証大師坐像 御骨大師 園城寺

延暦寺第5代座主・円珍は最澄の孫弟子にあたる。初代座主である義真の弟子で、12年間の籠山行や唐へも渡って修行し、黄不動や新羅明神像等の美術品も日本にもたらした。しかし、同じく最澄の弟子である円澄が第2代、続けて最澄の代講を任された円仁が第3代…

林檎花図 伝趙昌筆 畠山記念館

畠山記念館の名品展はこれまで見た中でも指折りの”実用”している品々を展示している。実用といってもお茶会に使用してするために集められたという意味で、美術品として飾りものになっていないという意味での”生々しさ”が伝わってくる展示会である。 白金の記…

伝教大師度縁案並僧綱牒 来迎院

最澄と天台宗のすべての最初のブロックは最澄に関する展示。言わずと知れた天台宗の開祖である。真言宗の推しメンが開祖の空海一択なのに対して、時代を超えて綺羅星の如く名僧侶が誕生した天台宗(延暦寺で修行した各宗派の開祖も多数いる)では相対的に最…

禅機図断簡 智常・李渤図 因達羅筆 畠山記念館

関西では馴染みの薄い畠山記念館。京博では畠山記念館の名品と題して展示会が開催されている。記念館はポンプや環境関連の機械を扱っている荏原製作所の創業者である畠山一清が集めた品々を展示している施設で、茶道具の名品が集まっていることで知られてい…

聖徳太子及び天台高僧像 一乗寺

「最澄と天台宗のすべて」展は9カ月をかけて東京・九州・京都の国立博物館で巡回する。その嚆矢は東京国立博物館が勤めるのが相応しい。なぜならば、同館が建つ上野の大地は寛永寺があった場所で、東京の天台宗の聖地だからだ。なにせ山号は東叡山、つまり…

仏涅槃図 金剛峯寺

仏涅槃図は高野山の名宝展、ラストを飾るにふさわしい作品だ。 入滅した釈迦を囲む人々(神々)に加えて、神獣たちも悲しみ悶える図は去る者が如何に慕われているかが一目で分かる。3月15日に各寺院で行われる涅槃会では涅槃図が所狭しと講堂に掛か画られ…

勤操僧正像 普門院

高野山霊宝館開館100周年記念の展示会「高野山の名宝」は第4期の最終期となった。これまで高野山の名宝の数々、珠玉の彫刻を期間を通して展示してきた。その最後となる。すでに葉は赤く染まっているものがちらほらあり、高野山の短い秋がすぐそこまで来てい…

本堂 十輪院

東大寺や興福寺からは少し離れた場所のある奈良町。古民家が残っていたり、寺院があったり、古風な街並みにおしゃれなカフェが点在している人気スポットである。この付近には国宝を3つ抱えている元興寺があり、広い境内を有している。その別院だった十輪院は…

僧形八幡神像 八幡殿

10月5日、転害会のメインイベントはこの日だけの勧進所の特別公開だ。 勧進所は大仏殿の西が側にあり普段は固く門を閉ざしているので人通りも少ない場所だが、この日だけは大仏殿を尻目に勧進所に向かっていた。600円を志納して、いざ中へ入る。 コロナ対…

楼門 般若寺

東大寺転害門から北へ15分ほど、コスモスで有名な般若寺へたどり着く。市街地からは少し離れているので、ベットタウンなのかと思いきや、倉庫兼工場や商店が多い。その訳は、区画を隔てたところに奈良少年刑務所があったからだ。明治の五大監獄の一つ奈良…

転害門 東大寺

10月5日、東大寺内にある手向山八幡宮と転害門で転害会という古式ゆかしい神事が行われる。 お寺で神事というのも摩訶不思議なのだが、明治政府の意向で神仏が明確に分かれて配されたが、それまで神仏の垣根なく立地するのは普通だった。いまもお寺に小さ…

吉祥天像 薬師寺

天平絵画の最高傑作だと思う薬師寺の吉祥天像。薬師寺での年始御開帳を除くと、直近では昨年にあべのハルカスで開催された薬師寺展へお出ましになったが、コロナウイルス蔓延のため二日間で休止となり、見ることができなかった。そして1年が過ぎ、龍谷ミュ…

金光明最勝王経 西大寺

龍谷ミュージアムは開館10周年記念展示会が続く。秋展はアジアの女神たち。神様に男女があるか分からないが、信仰の対象として古代人は豊穣(子を産む)をイメージして女性をかたどった造形物を造った。インドや東南アジアの女神は胸も腰も大きく作られてセ…

如意輪観世音菩薩半跏像 願徳寺

京都の向日市は面積が7.72平方キロメートルしかなく、市では西日本では最小、全国でも3番目に狭い。 国宝仏像のある願徳寺は、JR向日町駅もしくは阪急・東向日駅から出るバスに乗り、なだらかな山道を登って最寄りバス停から歩いて20分ぐらいの場所にある。…

紺紙金銀字一切経 (中尊寺経) 金剛峯寺

霊宝館が出来て100年。名宝展では館設立の経緯や当時の資料を前期と後期に分けて紹介していた。前期には同館が財界関係者の支援を受けて設立された資料を公開。東博などで名前を見かける文化財蒐集家が並んでいた。後期は設立にいたる過程を紹介。同館の図面…

文館詞林残巻 宝寿院

文館詞林残巻は高野山の塔頭寺院・正智院と宝寿院が所有している。それぞれのものが国宝にしていされている。Ⅰ期では正智院のものを観た。そして、Ⅲ期には宝寿院のものが登場していた。 Ⅰ期でも書いたが漢から唐初までの詩文集で、隋唐以前の文学を集めた「…

宝簡集 金剛峯寺

金剛峯寺の正面の桜の木は、Ⅰ期では桜の散り際、Ⅱ期では新緑、Ⅲ期となり青々と茂っていた。 霊宝館見学も新館へ移動。記念撮影のパネルがなくなり、八大童子立像が陳列している運慶室の宇宙演出も終了した普段の展示へと衣替えしていた。しかし、名宝展の内…

伝船中湧現観音像 竜光院

截金とは細金とも呼ばれ、金箔・銀箔・プラチナ箔を数枚焼き合わせ髪の毛よりも細く直線状に切ったものを、筆と接着剤を用いて貼り合わせて文様や図を表現する技法である。仏画や仏像彫刻などでも用いられており、平安時代の作品でも色あせることなく輝きが…

善女竜王像 金剛峯寺

高野山は夏が終わり、葉っぱがうっすらと赤みを帯びていた。いつの間にか名宝展も後半の3期が始まっていた。せっかく年間パスポートを買ったのに、真夏に行く機会を逸したので9月に入ってから見に行った。 後半の展示では前半にあったものがいくつかなくな…

【聖徳太子】扇面法華経冊子 四天王寺

大阪市立美術館で開催している聖徳太子展は1階だけでなく、2階でも展示が行われていた。官営寺院発祥の地だけあって、多くの仏像が展示されていた。その他にスペースをとっていたのが聖徳太子絵伝で、壁ぐらいの大きさに聖徳太子の一生を10幅に分けて描か…

【聖徳太子】四天王寺縁起(根本本) 四天王寺

1400年以上の長い歴史のある四天王寺だが、その存在を証明するものが四天王寺縁起である。四天王寺がどのような起こりで歴史を歩んできたかが書かれたものである。 それだけならば大きな寺院では大抵作られているのでよくて重要文化財止まり。四天王寺縁起の…

【聖徳太子】丙子椒林剣 四天王寺

大阪市立美術館で開催されている聖徳太子展の目玉展示は丙子椒林剣だ。巡回地のサントリー美術館では七星剣が展示される予定なので、四天王寺が保有する古代の剣2振りが会場を替えて登場する。 展示は入ってすぐの部屋の奥でしていた。懸守の展示が地味だっ…

【聖徳太子】懸守 四天王寺

聖徳太子遠忌1400年を記念した展示会で、法隆寺の寺宝をメインに据えた聖徳太子と法隆寺展は奈良と東京の国立博物館で無事開催された。東京は観に行けなかったが、奈良博で十二分に堪能した。続けざまに、聖徳太子所縁の寺院である四天王寺の寺宝を中心にし…

三重塔 明通寺

明通寺は国道27号を東小浜駅と新平野駅の間ぐらいで山道に入った山中にある。無料の駐車場を完備しているありがたいお寺で、駐車場から川を渡って見上げると山門が見える。渓谷の起伏をうまく利用していて、高台に山門、受付から緩やかな登りの先に本堂、…

本堂 明通寺

福井県小浜市は港町で律令時代が成立する以前から、日本海側の玄関口として栄えてきた。小浜から琵琶湖まで抜ける南北の街道は鯖街道と呼ばれ、海のない京都や奈良へ海産物を運ぶ重要な物流を担ってきた。海産物を都まで送った御食国のひとつとして、小浜を…

開山堂 永保寺

山中の木々を開いて池を作って庭園に仕上げた永保寺の観音堂に対して、開山堂は同じ場所にあるとは思えない静かに建っていた。 池泉式庭園を池に沿って半周した先に1本の道がある。開けた伽藍内にあって、木々が鬱蒼と茂っている奥に建物が見える。観音堂が…

観音堂 永保寺

歴代最高気温ランキングトップテンに入る岐阜県多治見市。2000年代に入り、最高気温ランキングは目まぐるしく変わり、浜松が現在ランキングは一位。それまで一位だった熊谷では日本一暑い町として売り出すに至っている。 多治見市も暑い町として売り出してい…

桜ヶ丘遺跡出土 銅鐸・銅戈 神戸市立博物館

東京オリンピック・パラリンピックが終わった。今回はパラリンピックのテレビ中継が多かった気がする。そこで、健常者スポーツでメジャーなものは各団体の世界大会に任せて(現に超一流選手が揃っていない)、パラリンピックとマイナー競技の大会にして、商…

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。