東京オリンピック・パラリンピックが終わった。今回はパラリンピックのテレビ中継が多かった気がする。そこで、健常者スポーツでメジャーなものは各団体の世界大会に任せて(現に超一流選手が揃っていない)、パラリンピックとマイナー競技の大会にして、商業主義と決別すれば批判もなくなると思った、そんな東京大会だった。
さて、開会式で話題となったピクトグラム(絵文字)の演出。どこかで見たことがあると考えていたが、その答えが神戸市立博物館の国宝にあった。
神戸市立博物館は昨年リニューアルオープンした。それまでの国宝・桜ヶ丘遺跡出土(銅鐸・銅戈)展示方法は神戸の歴史の時系列展示の一部として展示していた。出土した雰囲気を伝えるため、土を盛ったような所に陳列していたため、国宝の神々しさはなかった。今回のリニューアルを機会に国宝単独の展示部屋を設けて、それぞれを見やすく独立したショーケースに収めていた。この銅鐸表面には簡略化された人や動物が描かれていた。人は動きのあるものが描かれているので、古代からピクトグラムは活用されていたことが分かる。
専用の国宝展示室は黒を基調した造りで、周りを意識することなく集中してそれぞれをじっくり見ることができる。隣の部屋には教科書でもお馴染みの重要文化財の聖フランシスコ・ザビエル像(普段は複製)もあり、これを見るためだけでも常設展示を訪れたくなる。