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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

聖徳太子及び天台高僧像 一乗寺

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最澄天台宗のすべて」展は9カ月をかけて東京・九州・京都の国立博物館で巡回する。その嚆矢は東京国立博物館が勤めるのが相応しい。なぜならば、同館が建つ上野の大地は寛永寺があった場所で、東京の天台宗の聖地だからだ。なにせ山号は東叡山、つまりは東の比叡山ということだ。

東京は江戸幕府以前、湿地帯だった場所を開拓して町並みが誕生し、江戸時代は100万人として世界だも最大級の人口を抱える都市となった。戦国時代の武士たちの中には土木工事を得意としている大名が多く、信長・秀吉の墨俣一夜城、信玄の堤など建設機械がない時代によく作れたと感心するぐらいだ。家康も存分に力を発揮し400年以上続く大都市を形成した。

しかし、土木が得意の武士は朝廷政策・宗教政策はダメなことが多い。信長は力で押す一辺倒で、逆に秀吉はお金で解決したので長続きしなかった。その点、家康はブレーンとして天海を引き連れ、黒衣の宰相として辣腕をふるわせた。その一端として江戸城を皇居に見立て鬼門に当たる上野に天台宗の大伽藍を造営し手なずけた。朝廷とはうまい距離感を保ち、禁中並公家諸法度を出して優位に政策を進めた。縁のある地での天台宗祭りでは聖徳太子及び天台高僧像が短期間ではあるが一堂に会する。訪れた時は前期だったので本物十幅を一度に見ることができなかったが、最澄と円仁など6幅が見れて満足。残りも複製が展示されていたので、結構な迫力だった。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。