霊宝館が出来て100年。名宝展では館設立の経緯や当時の資料を前期と後期に分けて紹介していた。前期には同館が財界関係者の支援を受けて設立された資料を公開。東博などで名前を見かける文化財蒐集家が並んでいた。後期は設立にいたる過程を紹介。同館の図面や竣工式の式次第など開館に向けての資料を陳列していた。そして、開館するに当たり、皇族の秩父宮を招いてのセレモニーが行われ、その時に植樹式も慣行した。100年前に植えられた木は現在は立派に成長して、100年間同館を玄関前で見守り続けていた。人の百年だと3~4世代ぐらいだが、木の寿命だとまだまたこれからという感じだった。
さて、名宝展Ⅲ期のみの出品のラストは紺紙金銀字一切経 、いわゆる中尊寺経。写経部分が行ごとに金と銀を入れ替えて執筆。最初の見開きには金泥で仏教画が描かれた絢爛豪華な経典である。中尊寺の判子が押されていることから、その名がついている。遠く東北の中尊寺から高野山に伝わったと思うと、義経関連と言えなくもない。