国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

一字蓮台法華経 龍興寺

2023-24にまたがる奈良博の名品展は西新館のみの展示となっている。そして、新たに修理された文化財の展示が年末年始の短期間のみとなっていた。せっかく修理されたのだから、もう少し長めの展示があってもよさそうだが、借り物がほとんどのため難しいのだろう。

おん祭と春日信仰はお水取りとともに毎年恒例の冬の展示となっている。今年の大河は平安貴族を紹介するものなので、春日信仰がセットの背景などで見え隠れすることを期待している。

名品展では奈良博の本分である仏教美術を展示していた。国宝は談山神社の粟原寺三重塔伏鉢が壁際にむき出しで陳列。これも冬の恒例となりつつある。その他の国宝は龍興寺の一字蓮台法華経が登場していた。法華経の一字一字に蓮の花の座布団を敷く手の込んだ執筆。写経の前に描くことの多い仏教絵画をあえて写経を終えた文字に描くのが珍しい。字画の違う文字に対して蓮の絵がすべて合っている。これは文字を書いた人が型通りに仕上げたからこそ整ったものになっている。だから美しい。他に見ない経典の仕上げ方であった。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。