国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

太平御覧 東福寺

東福寺展では1階の出入り口付近の展示物のみ撮影が許されていた。写真の右側の蓮弁はいまは失われている京都の大仏が乗っていた台座の装飾物。左は釈迦如来で一般的な寺院にある大きさの仏像である。対比すると蓮弁がかなり巨大であることが分かる。蓮弁は即宗院に保管されているもので、一度同寺院を訪れた時に見たことがあるが、あまりの大きさに蓮の弁というより現代アート作品のように見えた。改めて京博の広い空間での展示で蓮弁ということが見て取れた。対象物は変わらなくとも鑑賞する空間で心情に変化をもたらすことが改めて分かった。

さて、国宝は出入り口から一番遠い書籍を集めた部屋に展示していた。太平御覧は北宋の2代皇帝が作らせた百科事典で、筆で書かれたものではなく印刷されていた。宋時代にはすでに印刷技術が確立されていたのには驚きである。この高い技術や内容の濃さから海外への持ち出しが禁止されていた。それが、ゆるくなり1101年に高麗へ、1174年には日本に伝来した。日本のものは平清盛が購入し、安徳天皇へ献上した。

さて、東福寺のものは1199年に蜀で印刷されたもので、完存本として残っていることから国宝となっている。百科事典だけにいろいろな参考書や引用書などが書かれているが、それらのほとんどが失われていることもあり、貴重な資料となっている。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。