国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

浄名玄論 京都国立博物館

親鸞生誕850年の記念展が春先にたくさんあった。その最後を飾るのが大谷大学博物館の古典籍の魅力である。

大谷大学博物館は開館20周年を迎える。と同時に立教開宗800年も兼ねている。記念展示会では同館が保有する重要文化財10件を前後半に分けて展示するとともに、それに関わる作品を借り受けて展示していた。後半に行ったので重文の三教指帰注集や高野雑筆集など空海関連の書を展示していた。日本の仏教研究には空海の存在は欠かすことができない。親鸞以前の仏教研究において大谷大学が保管しているのは意義深い。

そして、親鸞以前の仏教研究という意味で京博の浄名玄論が出ていた。維摩詰所説経の綱要書で、在家仏教徒に広く支持された。巻末に書写年代が記されている最古の仏典である。昔の人でも難しい経典を解説する必要があったのだから、時代を経つにつれて当時の現代世相にあった解読が必要になる。その意味では春の親鸞展で見た観無量寿経註などの注釈つきの経典は真宗を広める重要なアイテムだったことが分かる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。