国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

「関山」 道号 宗峰妙超 妙心寺

京を歩くと各仏教宗派の大本山が至る所に点在している。特に禅宗の大本山は大きな境内を有して、数々の塔頭寺院を構えており、時代の変化に取り残された独特の雰囲気を有している。妙心寺もその一つ。京都花園にある臨済宗妙心寺派の総本山は一大寺院群を形…

御堂関白記 陽明文庫

京の国宝といえば平安時代から江戸時代まで宮中との関係性で指定を受けているものが多い。その点で宮中の行事やその時代の風俗、そして世界最古の自筆での個人日記である御堂関白記はこの展示会に欠かせない存在である。1000年以上に渡って京都が都であ…

賢愚経残巻 白鶴美術館

数ある国宝の書跡の中で観ていて一番すんなり関心するのが賢愚経である。日本国内に仏教を布教させた聖武天皇が直々に執筆したとされる経典の残巻である。1行12文字と大きく書かれた経は大聖武と呼ばれる。または大和の国の基礎である天平文化を作り上げたこ…

伝教大師請来目録 最澄筆

延暦寺国宝館では伝教大師遠忌1200年を記念した展示会が行われている。いつも入れ替えのある2階部分に国宝2点は展示されている。室内の近くに展示されているので見比べると違いがあり楽しめる配置となっている。ともに最澄筆とされる書で、伝教大師請…

天台法華宗年分縁起 伝教大師

伝教大師・最澄の遠忌1200年記念事業が進められている延暦寺。すでに東博、九博、京博で最澄と天台宗のすべての開催が決定している。最澄にまつわるものや、天台宗の寺宝が3都市に分けて展示されるとあり、仏教系 展示会では令和最大級になるのは間違いない…

筆附状 俊芿筆

鑑真和上がもたらした戒律は時代の変化があるごとに見直されている。真言律宗の西大寺中興の祖である叡尊は慈善活動に力を入れて信仰を集め、生きてる間に坐像にされるほど尊敬されていた。その少し前に活躍した 俊芿もまた戒律の重要性に気づいた一人である…

観世音寺資財帳 東京芸術大学

後半に訪れたかった理由の一つは資財帳の展示があるから。 国宝の中の分類で資財帳は、4つが指定を受けている。一つは4月に訪れた観心寺の縁起資財帳。広隆寺には縁起資財帳と資財交替実録帳の2点が国宝指定されている。そして、今回の展示会に出展してい…

不空羂索神変真言経 三宝院

高野山霊宝館開館100周年記念大宝蔵展「高野山の名宝」Ⅰ期は新館でも武田信玄にまつわるものが展示されていた。武田信玄と言えば恰幅の良い禿げ上がった像が有名だが、その現物が登場。信玄所持の丸頭巾形冑や五鈷鈴(松虫鈴)、そして真田幸村(信繁)像や…

文館詞林残巻 正智院

文館詞林残巻は高野山の塔頭寺院・正智院と宝寿院が所有している。それぞれのものが国宝にしていされている。Ⅰ期には正智院のもの、Ⅲ期には宝寿院のものが登場する。 唐の時代に編纂された勅撰漢詩文集で、漢から唐初までの詩文を収めている。隋唐以前の文学…

聾瞽指帰 空海

誰でもない24歳の青年が志を書いたものが、後に国宝へと変貌する。 空海となる前、佐伯眞魚が書いた書は仏教が一番だとするために、儒教と道教をディスって出家した決意書である。その後に苦難の末遣唐使として大陸へ行き、国内に戻っても京になかなか入るこ…

法華経 (一品経) 慈光寺

東大寺のお水取りは2月下旬から3月中旬まで行われ、これが終われば奈良に春が訪れる。奈良国立博物館ではこの期間中にお水取り関連の資料を展示する企画展を開催している。1270年の歴史ある伝統行事だけあって重要文化財はそこかしこにある。しかし、お水…

不空羂索神変真言経 三宝院

さて、高野山に訪れたのはキャンペーンに当選したから。 www.koya.org GOTOキャンペーンが大々的に喧伝されていた時期に、高野山1万人ご招待キャンペーンなるものが実施されていた。応募すると見事当選。期限が近づいてきたので急いで利用した。 コロナが沈…

金銀字一切経 (中尊寺経) 金剛峯寺

冬の高野山は標高が高いため雪が積もり、修行僧には厳しい場所である。しかし、今年は暖冬の影響で2月中旬にも関わらず多少の残雪がある程度。むしろ、訪れた時は春の陽気となり快適なぐらいだった。 コロナ禍の影響もあり、高野山に観光客はほとんどおらず…

法華経巻第八(運慶願経)

京博では珍しく企画展がてんこ盛りの2月である。会期が延期になったものを今期中に消化するために仕方がない。京博と奈良博は常設スペースがなく、特別展が入ると同館所有の品々をお披露目できない。必然的に出品点数が多くなり、広々と展示することが少ない…

日本書紀神代巻(吉田本) 京都国立博物館

京博の1階では雛まつりと人形と、開催時期が少し遅れた日本書紀展が同時に開催されている。 ひな人形で猫か虎かに見間違えそうな犬張子の置物がさりげなく登場する。京都以外で見たことがない独特のフォルムと顔立ちとなっている。伏見人形とともに独特のゆ…

漢書楊雄伝 京都国立博物館

コロナの影響で会期が延長されていた仏教美術研究上野記念財団設立50周年を記念した展示会「新聞人のまなざし ー上野有竹と日中書画の名品ー」が開幕。朝日新聞の創業期の社長にして日本と中国の美術品収集家の上野理一のコレクションを中心にして設立され…

金光明最勝王経  西大寺

聚宝館は昭和35年に寺内の収蔵庫として建設された高床式鉄筋の什物収納・展示施設。写真では門の奥に見える白い建物がそれである。建築から60年が経ちかなり古い印象がある館内には壁際にぎっしりと仏像彫刻が並んでいた。重要文化財クラスがぼつぼつとあ…

三十帖冊子 仁和寺

文化財の修理・修繕事業は地味な作業の割に費用がかかるが、文化財保護には欠かせない事業である。最近になって、修理を終えた文化財を一挙公開する展示会が増えてきている。展示に耐えるまでに回復できたことと、展示することで少しでも修繕費の足しに出来…

【根津 国宝・重文】根本百一羯磨

根津美術館は青山の一等地にあり、おしゃれなブティックなどを横目にしつつ美術館へ向かう。そのイメージが強いせいか、同館の展示会と言えば幻想的な東洋絵画や煌びやかな工芸品の企画展の記憶が強く残っている。また、エキゾチックな大陸系の石像や古代の…

木造阿弥陀如来及両脇侍坐像 三千院

京都観光で静寂を求めるなら大原の三千院だった。デューク・エイセスの「女ひとり」の歌詞では女性が寂しい旅をする雰囲気と合っていた。ただ、この歌の記憶にある人は昭和生まれ。いまや静けさとは程遠い賑わいのある観光スポットとなっている。 コロナ禍で…

法語(破れ虚堂) 虚堂智愚

国宝は日本のものばかりでなく、海外から輸入されたものや贈呈されたものも指定される。海外製で圧倒的に多いのが東洋美術である。漢字文化圏にある日本においては、中国大陸らもたらされた東洋芸術は師となるためだ。 東京国立博物館の本館では主に日本の美…

春秋経伝集解 藤井斉成会有鄰館

有鄰館は謎の博物館だった。 京都・岡崎の絶好の立地にあり、近くには平安神宮を初め、リニューアルオープンした京セラ京都市美術館や京都近代美術館、細見美術館など芸術好きが集まる場所にある。にもかかわらず、行きたくても開いていないことがほとんどだ…

【皇室の名宝】芦手絵和漢朗詠抄 藤原伊行筆 京都国立博物館

京都国立博物館で開催中の皇室の名宝展は国宝の出品こそ少ないが、国宝クラス、いや国宝以上の展示品ばかりある。なにせ皇室が保有していたもの、いわゆる元御物たちばかりなのだから下手物は一切ない。しかも、現在も皇室が所有する御物も展示されている。…

手鑑  藻塩草 京都国立博物館

天平文化。一定年齢以上の人は歴史の教科書で見たことがある時代だ。しかし、昔は白鳳文化の後期に内包されており、最近になって天平時代は奈良時代に含まれる形に変わった。(そして白鳳は飛鳥の後期になったので、天平と白鳳は消えつつある) 天平は元号と…

【三井15周年】熊野御幸記 藤原定家筆

記録に残すことは重要である。公文書の管理が問題となって久しいが、最初から保存を諦めてしまったら、後世に伝わることはない。正確に歴史の判断を仰ぐことのできなくなるということは、後世の都合の良い歴史へと書き換えられても仕方がないということにな…

【西国三十三所】宋版一切経 6102帖のうち摩訶止観巻第二 醍醐寺

国宝所有点数が最も多いのは醍醐寺である。なにせ7万5000点以上!!を所有している。しかし、それらの多くを占める宋版一切経6102点と醍醐寺文書聖教 6万9378点は一括で指定を受けているので、国宝としてのカウントは2件となる。その他にも金…

【西国三十三所】千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経)

聖地を訪ねて西国三十三所の前期目玉展示は京博所有の千手千眼陀羅尼経残巻だろう。 741年の盂蘭盆会に玄昉が1000巻写経させたもので、巻首のない109行のみが残っていた。東大寺要録に記載があったが、長い間現物の存在が確認できたかった貴重なもので国宝と…

【西国三十三所】法華経 方便品(竹生島経) 東京国立博物館

聖地巡礼の先駆けである西国三十三所は観音信仰の霊場を巡る旅である。和歌山県勝浦の那智山寺から始まり和歌山を横断。大阪南部をかすめて、奈良に入り、京都へ上る。京都亀岡でいったん南下し、大阪北部、兵庫の瀬戸内沿いを行く。そして、日本海側へ抜け…

【西国三十三所】興福寺金堂鎮壇具のうち 金銅大盤・銀大盤 東京国立博物館

2020年春の京都では京博の「西国三十三ヶ所展」と京都市博物館の「京の国宝」が企画された。とても楽しみしていたが、コロナの影響で京の国宝は中止になった。しかし、西国三十三ヵ所展は草創1300年の節目にあたることもあり、延期して無事開催されることと…

【大和文華館】一字蓮台法華経 (普賢菩薩勧発品)

写経に念を込める手立ては色々ある。丁寧な字で一字ずつ書くのはもちろん、書いた紙を綺麗に表装するなど、念を込める手段は様々ある。 その中でも書いた文字の一字ずつに蓮型の台の絵を描く一字蓮台法華経は文字と装飾のコラボ写経の最高峰となる。写経だけ…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。