国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

東寺百合文書 京都府立京都学・歴彩館

京都文化博物館で〜室町幕府滅亡後450年〜足利将軍、戦国を駆ける!と題した企画展が開催されていたので見に行った。 室町幕府の滅亡と言われてもピンとこないのは、その後に活躍した織田信長や羽柴秀吉、そして話題の徳川家康の印象が強すぎるためと、徳川…

熊野懐紙 「深山紅葉・海辺冬月」 陽明文庫

織田信長が本能寺で亡くなり豊臣秀吉が天下統一を果たし、関ケ原の戦いを経て徳川家康が江戸幕府を開き、泰平の時代が到来した。運命は長寿であった家康に味方した。 幕府を開いた後、駿府で(形だけの)隠居生活をしていた。西洋的な物品を集めたようで久能…

上杉家文書 米沢市上杉博物館

NHK大河ドラマ・家康に合わせた展示会が巡回中である。梅雨時期に三井記念美術館で開催を終え、家康生誕の地・岡崎へ来ていた。この後、静岡で開催される予定だ。 岡崎の開催場所は岡崎市美術博物館であった。初めて行く場所で、ホームページのアクセスガイ…

智証大師関係文書典籍 園城寺

智証大師関係文書典籍 がユネスコの世界記憶遺産に認定されたことを記念して大津市歴史博物館で緊急の企画展が行われた。 智証大師こと円珍は延暦寺第五代座主で若き頃に密教を学ぶため唐へ渡った。その時に発行された渡航許可書(パスポート)を現代まで大…

古今和歌集 伝藤原行成筆 曼殊院

曼殊院の黄不動明王像を見終わったあと、京都国立博物館の企画展を見に行った。古筆とかなの美と題して、曼殊院の寺宝も公開されていたからだ。 古筆とかなの美では京博が所有する国宝で、藤原伊房筆の万葉集と手鑑・藻塩草も展示していた。藻塩草は普段なら…

三帖和讃 専修寺

親鸞と高田本山展の西方指南抄の全冊公開に行ったが、三帖和讃も公開されていた。1冊のみで京博の親鸞展の初期に展示していた浄土和讃だった。七五調の賛歌として書かれたもので、癖字のオンパレードで読み間違いのないようにフリガナが振られている。弟子…

西方指南抄 親鸞筆 専修寺

京博での親鸞展が終了したあと、三重県総合博物館で開催されている親鸞と高田本山展は専修寺の国宝の公開が企画されていたので見に行った。 親鸞展でも出品されていたが西方指南抄と三帖和讃が期間を変えて全冊一挙公開される企画となっていた。重なっていな…

歌仙歌合

大阪府和泉市にある久保惣記念美術館で行われている「日本美術の名品 -和泉の文化財とともに-」を見に行く。 2021年冬に1度訪れたことがあり、今回で2回目。とはいうものの、同館所蔵品の巡回展を2017年の松濤美術館、2022年の西宮市大谷記念美術館開館5…

円珍関係文書のうち 円珍自筆書状

東北からの移動で東京を通ったので東博にも寄った。 東福寺展は終了していたので、京博での開催を楽しみに待つ。売店で図録が置いてあり、東京会場で見ることが出来た東福寺の国宝たちは京都でも展示される予定で一安心。そのまま常設展を見まわる。 東博の…

熊野懐紙 西本願寺

親鸞展の物販コーナーで気になって点があった。それは前期に行った時と後半に行った時のお菓子のラインアップが(たしか配置も)変わっていた。浄土真宗と縁深い越後の老舗・髙橋孫左衛門商店の商品が手ごろな価格帯で販売していた麩焼き煎餅を購入し、おい…

阿弥陀経註 親鸞筆 西本願寺

親鸞展は後期へ突入。入場者はかなりの数になっていた。前回は3月下旬に訪れ、団体客が多かったが、今回は個々で来ている節が目立った。入場者も増えているものの、見ることができないレベルには達していない。(この勢いだと夏場からの人気展示会はコロナ…

悉曇字母(薫聖教)淳祐筆 石山寺

石山寺は9件の国宝書を有している。しかし、常設では公開されていない。見る機会が非常に限られている国宝である。(国宝の建築物である本堂と多宝塔は行けば見ることができる) 石山寺といえば源氏物語の作者である紫式部がこの寺で構想を練ったことから、…

文選集注 東洋文庫

2021年、オリンピック開催の年に三菱一号館美術館で開催された「三菱の至宝展」で、展示品の一角を占めたのが東洋文庫が所蔵する書籍や書物たちであった。静嘉堂文庫が工芸品を中心に、三菱一号館美術館は展示会場を提供していた。三菱財閥誕生150周年を兼ね…

三十六人家集 西本願寺

親鸞展のメインビジュアルに使われている桜の絵。東本願寺所蔵の桜花図屏風をトリミングして使われている。1階の展示では桜花図に加えて本願寺西山別院所蔵の桜牡丹隋図、東本願寺所蔵の安養六種図が3面に並び立ち、花々が咲き乱れる一室を作り上げていた…

類聚古集 龍谷大学

さて、親鸞の自筆の書の数々が国宝指定を受けていることもあり、宗教色の強い展示が続いたが、展示の終わりにかけては寺宝の数々が登場。寺宝とは呼びにくいが龍谷大学所蔵の国宝も出品されていた。 龍谷大学は本願寺阿弥陀堂の北に僧侶の教育機関として設立…

三帖和讃 親鸞筆 専修寺

教行信証を見た後にも親鸞晩年の作品が続く。専修寺が所蔵する三帖和讃は仏や菩薩、高僧の徳を賛辞している。特長は教行信証が漢文調であるのに対して、三帖和讃は日本語(和語)で書かれた讃美詩となっている。三帖とは浄土和讃・浄土高僧和讃・正像末浄土…

教行信証(坂東本) 親鸞筆 東本願寺

京博の親鸞展でメイン展示となるのが教行信証(坂東本・西本願寺本・高田本)が3本勢ぞろい。浄土真宗の根本聖典となるものだけに、なかなか見ることができない。それに加えて各団体から借り受けて同時に見せるのは史上初となる。 教行信証の正式名称は顕浄…

西方指南抄 親鸞筆 専修寺

国宝の中で作者の署名があるものは多いが、その署名がサイン本のようにデカデカと書かれているのが西方指南抄である。親鸞が書いた自筆の本で、師匠・法然の指南を書き留めたものである。2階ではその署名を見ることができた。 親鸞展のプロローグが終わると…

観無量寿経註 親鸞筆 西本願寺

トラりんが親鸞展をPR 2023年は親鸞聖人が誕生して850年の節目の年であることから親鸞展が京都国立博物館で開催されている。親鸞の教えを受け継いだ浄土真宗は各派閥に別れている。血族がトップにつく派閥や教えのみを受け継ぐ派閥など、切磋琢磨した結果、…

【親鸞と高田本山】三帖和讃 親鸞筆 専修寺

三重にある専修寺は多くの国宝を抱える。2017年に御影堂と如来堂が国宝指定を受けた。内装は金箔で華やかに装飾された絢爛豪華な仕様。建立は御影堂が1666年、如来堂が1748年と来歴もはっきりしていることから評価された。建物は現地へ行かない…

【親鸞と高田本山】西方指南抄 親鸞筆 専修寺

JR紀勢本線の亀山駅から二つ目の駅、一身田駅から歩いてすぐにあるのが、真宗高田派総本山の専修寺がある。浄土真宗は親鸞の子孫の世襲をもって門主(門首)としているのに対して、高田派は親鸞の教えのみに帰依する。 その核となるの寺宝の一つが西方指南抄…

【親鸞】観無量寿経註 親鸞筆 西本願寺

親鸞の若き日の直筆。浄土三部経の一つ観無量寿経を書写して、朱筆で注釈を加えている。45歳前後の執筆物とされる。作家の井上靖はこれを親鸞聖人誕生800年の記念展で見て感動したそうだ。 浄土三部経は大無量寿経と阿弥陀経、観無量寿経があり、どれも親…

【親鸞】教行信証 坂東本 親鸞筆 本願寺

2023年は親鸞聖人が 誕生して850年の年となる。親鸞は日本最多級の信徒を抱える浄土真宗の開祖で、当時としては、いや今の時代でも長寿とされる90歳まで生きた。その生涯と教えを紹介する展示会・親鸞 生涯と名宝が京都国立博物館で3月25日から5月21…

普勧坐禅儀 道元筆 永平寺

冬の福井市へ行くことになった。今年は大雪が何度もあったようだが、そこは雪国、融雪装置が十二分に機能しており、市内の交通網はスムーズに動いていた。 福井市内の国宝を観るべく、永平寺へ行った。こちらでも残雪は大量に残っているものの、道路状態は水…

一切経箱 大長寿院

金峯山寺仁王門の金剛力士立像がなら仏像館に安置されて2年になる。時が経つは早い。何度となく訪れているが、観るたびに力をもらっている。仁王門の修理完了(令和10年予定)まで観ることができるそうだが、これからもパワーをもらいに訪れたい。 さて、…

智証大師関係文書典籍(目録) 園城寺

昨年11月に答申があった国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定等の対象物を展示する企画展が東博で開催された。コロナ前までは4月下旬からゴールデンウィークにかけて開催だったが、コロナで答申の時期が変わった関係からか真冬の開催となっている。 さて…

世説新書巻 第六残巻 文化庁

台東区立書道博物館は東博からも近い鶯谷駅が最寄りである。線路沿いにはラブホテルが並び、文化的な施設に訪れる目的で歩いていても後ろめたい気持ちになる。 書道博物館と東京国立博物館はご近所ということもあり、同一の企画内容で連携して展示会開催して…

墨蹟 「関山」道号 宗峰妙超筆 妙心寺

京都国立博物館は毎年新年恒例の干支の動物にまつわる美術展を平成館2階で開催していた。うさぎ年なので、可愛らしいものを期待していたがリアルなうさぎが多かった。昔から月に兎が定番で、掛け軸に描かれているものが展示されていた。置物や十二神将の兎…

【伊豆修験】走湯権現 当峯辺路本縁起集 称名寺聖教

数多ある大学で仏教系やキリスト教系はよく目にするが神道系はあまりない。明治政府が国家神道を推奨していたにもかかわらずである。具体的には2校しかなく、三重県伊勢市の皇學館大学と渋谷区にある國學院大學だけである。 渋谷区にある國學院大學の校舎地…

【東博150年】賢愚経残巻 伝聖武天皇筆

東京国立博物館開館150周年特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」は大好評につき、会期を1週間延長して、12月18日までの開催となった。会期延長に伴い、展示品は特別編成での公開となる。 特別編成の理由として、傷みやすい絵画などは公開日数に規…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。