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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

顕浄土真実教行証文類(坂東本) 東本願寺

大谷大学博物館で開催された古典籍の魅力は宗祖親鸞聖人誕生850年・立教開宗800年記念であることから真宗大谷派東本願寺の至宝「顕浄土真実教行証文類(坂東本)」(略称:教行信証)が展示されていた。

教行信証親鸞の著作であり、数ある浄土真宗系が共通する根本聖典である。坂東本は親鸞自筆で、春に京博で開催された親鸞展では各会派の教行信証が並んで展示してされていた。今回は前後期で入れ替えがあったため3冊を展示。整った文字で書かれたものが多い中、親鸞のものはかなりの癖字で書かれている。この癖字を弟子たちが真似をして写すため、高田専修寺西本願寺に伝わる書写本も真筆とされていたが今は清書本と言われている。

教行信証の「化巻」には元仁元年(1224)の年号があり、親鸞52歳で書が日の目を見たことから立教開宗年とされる。ただ、その後も親鸞は長寿であったため、手直しを行っている。800年前に開祖が書き残した書があり、しかも教義の中心をなしているものが残っている。日本の風土的には湿気が多く、保存に適さない環境下であるにも関わらず、現物を見ること(しかも別の場所と季節を移して)ができるのはなかなかない機会であった。

 

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。