神護寺の寺宝・灌頂歴名は国内の密教創世記を語るにはなくてはならない書である。
遣唐使として大陸に渡った最澄と空海。エリートとして渡航した最澄は国内に戻ってからは南都仏教に対抗する新興教団を作り上げた。片や空海は紆余曲折はあったが、密教を持ち帰ったことで評価され始めた。この平安仏教の二大巨頭が交わった証が灌頂歴名である。最澄が密教の教えを請うために空海から灌頂を受けたことが記されている。この知識に対して貪欲な最長の精神が、やがて比叡山延暦寺の拡大につながった。一方で最澄が学ぶレベルの知識のあった空海を慕って真言宗が広まった。日本での密教の布教の起点が1200年以上前の書で分かる。
レア★★☆
観たい★★☆
コラボ★☆☆