金工
金峯山経塚出土と伝えられる鏡像。東博では常に展示されているイメージがある。京博で観ることができるのは、ある意味でレアである。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
小野妹子の子供の墓誌。奈良時代に作られたもので、京都市内で発見された。墓誌は鋳銅の板に文字を刻んでから鍍金している。遣隋使がもたらした貢献度合いが子供の代にも反映された豪華な作りである。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
東京2020オリンピックの「2020」は映画配給会社の20世紀フォックスや鳥取の20世紀ナシと同じ記号の意味で使われ続けている違和感を覚えつつ、京博のオリュンピア×ニッポン・ビジュツ展を観に行った。 コロナがなければオリンピック開催1か月前…
久国は3年前の2018年に京都国立博物館で行われた京のかたな展でも出品されていた。京都の三条大橋付近にある粟田口で作られた刀で、正真正銘メイドイン京の作品である。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ 通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
所有者が変わって見る機会が増えた刀の稲葉江。刀工の郷義弘の作品は滅多に見ることができないため、「郷とお化けは見たことがない」と言わしめるほど作品数も少ない。今回の京の国宝では稲葉江とともに、前田育徳会所蔵の富田江も展示される。ともに前期の…
京の国宝はなにも現在京都にあるものとは限らない。京にあったものもその展示候補となる。熊野速玉大社に奉納された古神宝類は京に居る貴族たちの信仰により”下った”ものである。応仁の乱で多くの文化財が焼失したことから、地方へ奉納した京の宝がどれだけ…
凝然国師こと鑑真和上が亡くなって700年の大遠忌だから実現した展示会。出展リストを見ると後半に訪問したくなるラインナップだったので、前半はパスしたが、それが裏目に出た。昨年の経験を全く生かすことなく、緊急事態宣言が発せられて休館となってし…
ゴールデンウィーク直前から奈良国立博物館で始まった聖徳太子と法隆寺展。夏ごろに東京国立博物館への巡回展だが、奈良博で観ておきたい博物館サービスがあったので出向いた。 国立博物館の中で、東京・京都・奈良・九州の4ヶ所は数年前までプレミアムパス…
敗者の歴史はどの国でも残りにくい。時代を支配した勝者は自分色に染めるため痕跡を消すことが多い。まして約260年も続いた絶対的政権ならばなおさらである。 豊臣の痕跡の中で、比較的多く残っているのが土木関係である。川の改修工事や土塁、寺社仏閣建…
大阪市立美術館は天王寺公園内にある。同場所は明治時代に開催された第5回内国勧業博覧会の会場として利用され、動物園があったり、大阪の象徴・通天閣がそびえたっていたり、一大テーマパークとなっている。 この大阪市立美術館は住友家の本邸跡地の寄贈を…
奈良博からほど近い西大寺に1月に行った。その時、聚宝館で金銅宝塔(壇塔)を見た。背丈の半分ぐらいの大きさの塔で、宝館の中心に置かれいた。そして、奈良博では西大寺の透彫舎利容器が展示されていた。こちらは釣り燈篭ぐらいの大きさで、持ち運びも可…
奈良博の常設展示の仏画以外はローテーションサイクルが短いので、以前見たものでも数年で再開できる。談山神社の粟原寺三重塔伏鉢も隔年で見ているような気がする。 塔の一番上にある飾り、相輪の支えになる鉢状のものが国宝の三重塔伏鉢である。現代ならば…
緊急事態宣言を受けて、京都では一部の特別拝観が延期になった。そこで、国宝巡りは奈良へと変更した。大きな茶碗で回し飲みをする映像でお馴染みの西大寺は毎年1月15日に新春初釜大茶盛式を開催してきた。15日が成人の日だった頃は成人式と茶盛式のニ…
奈良国立博物館では毎年恒例のおん祭展が開催されている。おん祭は五穀豊穣、万民安楽を祈り大和一を挙げて盛大に執り行われてきた行事で、870年余りにわたり途切れることなく続いている国指定重要無形民俗文化財である。その信仰に関わる文化財を披露する展…
ついに三井でも刀剣展が開催される。開館15周年記念展に国宝で唯一展示がなかった日向正宗が満を持して登場。三井記念美術品が誇る武具、国宝2点、重文7点がすべて公開されるスペシャル刀展となっている。 今回は入館に際して予約制を導入。刀剣女子たちへの…
昨年は福岡市博物館で開催された「もののふの美の系譜」、一昨年は京都国立博物館で開催された「京のかたな」と、大規模な刀の展示が開催され、観に行くことができた。そして、今年は大阪歴史博物館で開催されている「埋忠」を観に行った。 どの刀展でも同じ…
東博本館13室 「刀剣」はリニューアルを終えて、刀剣女子たちが大挙しても対応できる導線を作った。リニューアル前は普通の展示室同様に壁面及びその延長のL字に陳列棚を配置していたため、人気の刀剣には群がる様に集団が出来ていた。今回は人気のものに…
東博の2020年秋の特別展はずばり安土桃山時代をテーマに「桃山 〜天下人の100年〜」を開催する。NHK歴史大河ドラマの麒麟が来るは明智光秀が主役で、展示会の時代とリンクするテーマ設定だ。 室町幕府が崩壊したことで、各地で下剋上による地域武士が台頭…
刀剣の秋がやってきた。 このところ秋の展示会で刀剣女子が大挙しそうな刀展が開催されてきた。コロナの影響もあって今年は刀剣女子も自宅待機かと思ったが、大阪でマニアックな展示会が企画されている。 大阪歴史博物館はNHK大阪と同じ建物内にあり、派…
百舌鳥古市古墳群は昨年2019年にユネスコの世界文化遺産に認定された。知っているようで知らなかった大阪南部地域観光地で国宝もあるので訪問した。本来であれば認定から一年が経ち観光客、とくに海外からの訪日客でごった返していたであろうが、そこは…
三井記念美術館の十五周年展。同館が所有する国宝「日向正宗」は秋から冬にかけての特別展の目玉として展示が確定しているので、同展示会には不参加。国宝刀でもう一振り所有しているのが、無名貞宗・名物徳善院である。 名刀工を輩出した5つのくに五ヶ伝の…
南国らしい華やかな色合いと細かな細工が特徴の琉球細工。中国大陸と日本との間で、それぞれのよい文化を貿易の中継地点として取り込み醸成した傑作である。 それらを生み出せたのは琉球が王国として独立していたことも一因となっている。最高級の琉球文化は…
福岡市博物館は常設で国宝の金印を展示していることでおなじみ。そして、旧福岡藩主・黒田家伝来の家宝なども少しずつではあるが展示されている。 黒田家伝来の品で国宝の日本刀がある。名物へし切長谷部は織田信長から豊臣秀吉、黒田家へと下賜された由緒あ…
ここ3カ月、国宝との出会いのない日々を過ごしていた。緊急事態宣言を受けて県をまたいだ移動自粛となってからはネットサーフィンの一択だった。 ようやく国宝見物の春が到来した。都心部ではまだまだ自粛ムードは拭えない。こんな時こそ「たまに行くなら地…
興福寺の金堂鎮壇具は東博の常設展示ではおなじみ。毎年なんらかの形で見ている気がする。 明治の廃仏毀釈により、興福寺の財政はひっ迫し五重塔が売り出されたのは有名な話だ。また、五重塔の売り出し価格が相当安かったことを考えると、未来の国宝でも時代…
数々のお経関連の国宝を見ているが、そのほとんどは紙に書かれている。千年以上前に作られた紙にも拘らず綺麗な形で残っている(残っているから国宝なのだが)のは見ていて感動する。 貴重な経典なのだから、紙のように劣化しやすいものでなく、別の形で作っ…
粟田口派の祖となる久国作である文化庁所有の太刀は各地の刀剣展へ出品されている。京の国宝という名がつくからには粟田口派の筆頭たる同刀もお目見えする。文化庁自体が京都へ移転することもあり、文化の発信地・京都での展示会成功のため、久国以外の出品…
2020年は京都市美術館が京都市京セラ美術館へと生まれ変わる記念の展示会が目白押し。京都市が京セラからネーミングライツで得た資金をもとにリフォームされた美術館にふさわしい特別展が開催される。 再生された美術館で行われる展示会としては最高のライン…
静嘉堂文庫では過去に日本刀だけの展示を開催している。その目玉の一つが同館が保有する国宝の包永だった。手掻包永とも言われ、大和の刀工、手掻(転害、天蓋)派の祖である包永が打った太刀である。包永は鎌倉時代に東大寺の門前に住んでいたようで、慶派…
mimt.jp 東洋文庫の国宝は先週紹介した。 つづいては静嘉堂文庫の国宝を紹介する。 まずは俵屋宗達筆の紙本金地著色源氏物語関屋及澪標図。出品国宝のなかでは 一番大きなもので、国宝指定を受けた俵屋宗達作品3つの内の一つである。 宗達といえばすぐに思…