東博の2020年秋の特別展はずばり安土桃山時代をテーマに「桃山 〜天下人の100年〜」を開催する。NHK歴史大河ドラマの麒麟が来るは明智光秀が主役で、展示会の時代とリンクするテーマ設定だ。
室町幕府が崩壊したことで、各地で下剋上による地域武士が台頭してきた。桃山時代はその終盤にあたり、地域武士が首都・京を占拠して天下統一を目指す時期にあたる。そこで、名門家のみが手にしていた絢爛豪華な絵画や金工物の製作を武士たちが依頼。支配者とパトロンが交代したことを世間に大々的に訴えるアイテムとして活用した。
戦時下であったため、焼失したものも多くあるが、残っているものだけでも派手で見栄えのするものばかり。黄金の国ジパング伝説がヨーロッパに喧伝されるのもうなずける豪華さである。
展示物は狩野派の黄金時代と、対抗した等伯の渾身の作品。徳川家の名品も展示される。そのなかには日光東照宮所有の助真、国宗の国宝刀もあり、刀剣女子並びに戦国ファンにはたまらないラインナップとなっている。