奈良博からほど近い西大寺に1月に行った。その時、聚宝館で金銅宝塔(壇塔)を見た。背丈の半分ぐらいの大きさの塔で、宝館の中心に置かれいた。そして、奈良博では西大寺の透彫舎利容器が展示されていた。こちらは釣り燈篭ぐらいの大きさで、持ち運びも可能なぐらい。舎利を入れる容器だけあって豪華な彫刻がなされており、見るからに丁寧に扱わないといけない気持ちになる。雰囲気は少し中華風の造りで龍などもくっついている。鎌倉期に作られてもので、国風文化が衰退した時期と重なり禅宗勃興と相まって大陸文化と結びついたのだろう。
さて、国宝ではないがこれからの奈良博の陳列でメインを執る仏像が登場した。金峯山寺仁王門の金剛力士立像で、等身的にはずんぐりむっくりな出で立ちをしているが、慶派の仏像らしく筋骨隆々として、ザ・マッチョなものとなっている。腕の角度だけで力強さが分かる表現は圧巻で、令和10年まで間近で見ることができる。もしかしたら、この期間で国宝に鞍替えの可能性もある。