国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

建物

唐門 三宝院

門跡寺院の三宝院が勅使を迎えるために作った出入口。普段は全く使わない門ではある。にもかかわらず、勅使に対して最高のもてなしを演出するためだけに贅の限りを尽くした。黒漆と菊と桐の紋を金箔で加工して、世の中で一番くっきりとしたコントラストをつ…

五重塔 醍醐寺

醍醐寺の象徴と言えば五重塔。その優美さは五重塔の中でも屈指である。 その理由はまず、五重塔が主役である。境内の敷地内にあるため、塔は他の建物と同列あるいは付属物として建てられている。四天王寺や薬師寺、法隆寺などの塔は伽藍配置の一部となってい…

金堂 醍醐寺

桜の名所は数あれど、歴史に名を遺す名所は醍醐寺がもっとも有名だろう。なぜなら、豊臣秀吉が朝鮮戦争を仕掛けた最晩年のイベントとして、醍醐寺において大花見大会を開いたためだ。九州平定後に開いた北野の大茶会に匹敵する催し物として知られている。 国…

本殿 石清水八幡宮

春です。桜の季節です。 今年の桜の開花は例年に比べてかなり早く、近畿圏では4月に入ると散り始めている。 石清水八幡宮のある男山付近には背割堤が近畿の桜の名所として紹介されることが多い。桂川、宇治川、木津川の合流地点で、堤に植えられた桜が川に…

弥陀堂 金蓮寺 

名古屋から岡崎へ出て、岡崎城の桜を愛でた。その後、名鉄へ乗って吉良吉田駅へ。住宅と畑が入り混じる道を歩くこと20分弱で金蓮寺に着いた。 和歌山の善福院を訪れた後に行ったので、国宝建築物があるにも関わらず案内板が全くないのが違和感だった。町の人…

釈迦堂 善福院

JR和歌山駅から御坊方面行きに乗り、無人駅の加茂郷駅で下車。歩いて30分ぐらいで国宝の釈迦堂のある善福院へ着く。グーグルマップを使って行ったので迷うことはなかったが、ところどころにある案内板だけでは絶対に迷っていた。 釈迦堂は栄西により創建され…

多宝塔 金剛三昧院

高野山の国宝建築物は不動堂の他にもう一つある。金剛三昧院にある多宝塔がそれである。1223年に建立された塔で、石山寺の次ぎ日本で2番目に古い多宝塔である。 高野山にたくさんある塔頭寺院のひとつである金剛三昧院は、北条政子の発願により源頼朝の菩提…

不動堂 金剛峯寺

高野山金剛峯寺は真言密教の道場として伽藍に多くの建物が建っている。しかし、標高が800メートルの山上盆地に建っていることもあり、多くの建物が落雷による火災で焼失し、創建当時の建物は皆無となっている。比叡山延暦寺にも言えるのだが、山頂にある…

本殿 北野天満宮

天満宮と言えば学問の神様。すでに受験シーズンに突入しているので学生はほとんど来ていないが、親族の方々が神頼みに訪れていた。そして、北野天満宮の境内のいたるところにある梅は開花し、見ごろとなっている。 2月にしては暖かい日が続いている。最も早…

海竜王寺 五重小塔

建築物の中には移動できるものがある。海竜王寺の小塔は同寺院の西金堂内に安置されていたもの。塔の組み方が良く分かる模型のようなものである。ところが、塔内に箱入りの法華経が納められていたことから信仰の対象としても活躍していた。 小塔はサイズは違…

五重塔 室生寺

室生寺の五重塔は15メートルと他の塔に比べたら小塔の部類に入る。しかし、周りを高い木々に囲まれていることもあり、他の塔と比べても独特の雰囲気を醸している。 下から写真を撮ると高い塔に見えてしまうが、正面からだとよくある三重塔ぐらいの大きさしか…

拝殿 石上神宮

ここ数年、若冲が描く鶏を美術館などでよく見る。羽の一本一本細かく描かれた鶏は写実を通り越して超絶技巧の域に達している。そこではたと気が付いたのが、本物の鶏を見たのはいつだったかだ。記憶をたどると石上神社へたどり着いた。 昨年の今頃、横浜港に…

根本中堂 比叡山

2020-21年のNHKゆく年くる年のオープニングを飾ったのは比叡山延暦寺だった。2021年6月4日に開祖である伝教大師最澄の1200年大遠忌を迎えるからだろう。比叡山延暦寺を総本山とする天台宗では、記念の展示会の開催を企画している。東博や九博、京博などへ…

金堂 五重塔 法隆寺

法隆寺と言えばご存じ金堂と五重塔の並列の伽藍配置。写真は大講堂から撮ったバックショット。秋空が澄み渡る景色に紅葉がチラリ。正岡子規もこの風景を見て、柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺と読んだのかもしれない。 horyuji-kondohekiga.jp さて、五重塔と金…

本堂 善水寺

湖南三山の内、一つだけ外れた位置にあるのが善水寺。最寄り駅は甲西駅で、バスはこちらも1時間に1本程度だ。 善水寺の名称通り、清らかな湧水が出ており、本堂の横には簡易な池泉式庭園が作られている。国宝は本堂で木造入母屋造檜皮葺で南北朝時代に建立。…

本堂 長寿寺

常楽寺(西寺)から歩くこと15分。山道ではあるが勾配はあるもののそこまで厳しくなく、車も通る舗装された道をひたすら歩く。道の駅のような作りのじゅらくの里福祉パーク館が見えてくるとすぐそばにお寺はある。 入り口で体温測定(機械に不慣れな方だった…

本堂 三重塔 常楽寺

穏やかな秋である。感染症で市中は騒がしいが、山々は季節の移り変わりを例年通り進めている。 昔から滋賀の湖東三山の寺院巡りは有名で、国宝では西明寺の本堂と三重塔、金剛輪寺の本堂があり、以前に訪れたことがあった。この知名度のある湖東にあやかる形…

本殿 御上神社

三上山を御神山に祀る御上神社は延喜式神名帳に記載されている由緒ある神社である。 野洲駅から1時間に1本バスが出ていて、乗ると数分で神社前到着する。歩いて30分ぐらいなので距離的には2キロメートル弱といったところだ。 神社は周りを森で囲み、周りから…

本殿 大笹原神社

滋賀県随一のアウトレットモールである三井アウトレット竜王。竜王インターから近いこともあり、車で来場する人が多いようだが、野洲駅からバスも出ている。その道中の停留所・大篠原バス停は最寄りにファミリーマートがあり、その駐車場の角に大笹原神社を…

西本殿 苗村神社

滋賀県には意外と国宝建築がある。琵琶湖の西南、大津地区には、延暦寺や園城寺など、超メジャー級の大本山が居並る。ちょうど京都への入り口、京都から見ると鬼門の位置にあたり、比叡山からは琵琶湖を一望できることから地政学上重要な位置となる。そのた…

本殿 権殿 賀茂別雷神社

下鴨神社は京阪電車の出町柳駅を降りて10分ぐらいで行けるので参拝しやすい。しかし、賀茂別雷神社、通称:上賀茂神社は近くにバス停しかなく、京都の北の外れなので観光客も狙いすまして行くしかない。(しかも、バス停は工事中で今までとは違うところで乗…

本殿 賀茂御祖神社

インバウンド観光による外国人旅行者が激減した京都はとても観光しやすい環境となっている。イメージだけだが、観光客数は半分以下になっているように思う。半減なのだから、観光客相手の商売は厳しい運営を強いられているだろう。そこで、国内観光者にとっ…

客殿 観智院

東寺に関連した国宝として、塔頭寺院の観智院がある。東寺の境内の北の端にある宝物館に一番近い出入り口にあり、春秋の特別公開時に開かれている。共通拝観券で観ることができるのもうれしい。 大徳寺や妙心寺などの塔頭寺院は大きな敷地内にある雰囲気を残…

拝殿 桜井神社

初乗り運賃が高いことで知られていた泉北高速鉄道。南海電鉄傘下に入っても、なお運賃は高いものの、大阪市内へのアクセスが便利なおかげでベットタウンとして人気があることを背景に乗降客数はそこそこある。 泉が丘駅はベットタウンとして開発が進んだおか…

御影堂 知恩院

令和2年の春は国宝建築の修繕後の落成記念が2件あるはずだった。ひとつは薬師寺東塔。そして、ようやく真新しい建物が観れた知恩院御影堂。ともに大々的な落成法要が営まれるはずであったが、コロナのため見学は中止。華麗なる再オープンとはいかなかったが…

阿弥陀堂 法界寺

法界寺の国宝は木造阿弥陀如来坐像とそれを安置している阿弥陀堂である。 定朝様式の立派な阿弥陀様は堂内でもさみしくないように、いろいろなところに彩色絵が描かれていた。800年前に建てられたものなので、かなり色あせてきているが、それでも色味などは…

本殿 住吉大社

住吉大社の国宝・本殿4棟は奇抜な配列である。4棟ある建物を配置する時、普通に考えると四角の角にそれぞれ配置する2×2形式か、直列に4つ並べるシンメトリー配列を想像してしまう。しかし、住吉大社のそれは違う。東西に直線状に3つを配置し、西の端の建…

金堂 仁和寺

国宝の旅で仁和寺を訪れて金堂を見逃すわけにはいかない。 仁和寺を訪れてる機会は金堂の特別公開の時期と重なることが多く、結構人が多いためシャッターチャンスがなかった。今回はコロナの影響もあって人がほとんどおらず、綺麗に金堂を写すことができた。…

石山寺 本堂

駅から石山寺までの道中、新緑の季節も終盤となり琵琶湖を眺めながら綺麗に咲いたあじさいを愛でながら門前まで楽しく歩いた。梅雨の中休み、石山寺では特別な御開帳があった。 33年に1度、もしくは天皇即位の翌年に、天皇からの勅使が扉を開封した時のみ…

厳島神社

広島県の宮島といえば大鳥居が海に浮かんでいる風景が一番最初に思い浮かんでくる。ところが、令和の大改修に入ったため、大鳥居は全体を覆って工事されている。最近、覆っている布をシースルーにしたとニュースになったが、薄っすらと全景が分かるぐらいで…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。