三上山を御神山に祀る御上神社は延喜式神名帳に記載されている由緒ある神社である。
野洲駅から1時間に1本バスが出ていて、乗ると数分で神社前到着する。歩いて30分ぐらいなので距離的には2キロメートル弱といったところだ。
神社は周りを森で囲み、周りからは様子が全く見えない構造で、神秘的な雰囲気がビンビン伝わってくる。苗村神社や大笹原神社に比べると、周りにおしゃれなお店があり、民家も充実していることから賑わいが感じられた。
鳥居をくぐり、参拝すると立派な楼門と奥に拝殿、その奥に本殿と摂社が両脇を固める。苗村神社ほどインパクトはないまでも楼門は神社の格式にあった造りで、くぐる時に無意識に「いざ参らん」と気合が入ってしまう。
国宝の本殿は360度全角度から観ることでできるフルオープン。形は檜皮葺で、桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、向拝一間とごちゃ混ぜ。神社・寺院・殿舎の様式が混然一体となった独特な構造から「御上造」と新たなジャンルで定義されることもあるようだ。本殿と楼門はともに鎌倉後期造営。
昭和天皇即位時に大嘗祭に供える献上米の栽培地として指定されたことから、毎年5月には御田植祭が行われている。地元に愛された由緒正しき隠れた名神社である。