国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

西本殿 苗村神社

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滋賀県には意外と国宝建築がある。琵琶湖の西南、大津地区には、延暦寺園城寺など、超メジャー級の大本山が居並る。ちょうど京都への入り口、京都から見ると鬼門の位置にあたり、比叡山からは琵琶湖を一望できることから地政学上重要な位置となる。そのため、国宝級の建物を建築するだけの資金、利点、立地が兼ね備わっており、国宝クラスが建築されるのは必然だったのだろう。

それ以外にも、琵琶湖の南部、湖南地域にも国宝建築が充実している。竜王町にある苗村神社の西本殿は国宝指定を受けている。近江八幡駅からバスで十数分行った川守バス停から歩いて数分。大きな道路が東西の本殿を割く形で通っている。西の入り口となる重要文化財の楼門はとても立派で、頭でっかちな茅葺屋根と細い足場が記憶に残るフォルムである。

東西に分かれている苗村神社は東は森に囲まれ、神秘的な雰囲気を醸しているの対して、西はかなりオープンな境内で周りから丸見えである。西本殿が国宝となったのは改修の時に1308年の建立されたことが分かり、鎌倉時代の寺社建築であることが証明されたことが大きいと思う。三間社流造り、桧皮葺で、予約をすれば近くで見ることができるそうだ。延喜式神名帳にも載る格式高い式内社。周りに観光するものがない、まさにぽつんと1神社だ。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。