室生寺の五重塔は15メートルと他の塔に比べたら小塔の部類に入る。しかし、周りを高い木々に囲まれていることもあり、他の塔と比べても独特の雰囲気を醸している。
下から写真を撮ると高い塔に見えてしまうが、正面からだとよくある三重塔ぐらいの大きさしかない。国宝では法隆寺の五重塔に次ぐ古さで、奈良時代末期から平安時代初期に完成した。室生寺は奈良の山深い場所にあるため、戦火とは全く無縁。女高野としての信仰が続いたことから荒廃も免れた。いまでも交通の便がよいとは言えないが、訪問者が絶えないのは寺院の魅力に他ならない。都会の喧騒を忘れるには持って来いの場所である。